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- 精神科・心療内科におけるオンライン診療のメリットとその効果
精神科・心療内科におけるオンライン診療のメリットとその効果
- 精神科・心療内科におけるオンライン診療の3つのメリット
- 本当にしっかり診療してもらえるの?精神科・心療内科におけるオンライン診療の効果!
- 精神科・心療内科のオンライン診療におけるデメリット
- 精神科・心療内科のオンライン診療におけるクリニックの選び方と重要な注意点
- 精神科・心療内科にオンライン診療の受け方と流れを解説!
- 精神科・心療内科のオンライン診療を使ってみる前に知りたい!気になる5つのQ&A!
- 精神科・心療内科のオンライン診療:まとめ
近年のITの発達と新型ウイルスなどの感染症により、インターネット環境があれば自宅やオフィスから遠隔で医師の診療を受けられる「オンライン診療」に注目が集まっています。
さらに、触診等がなく会話を中心に診療を進める精神科・心療内科は特にオンライン診療との親和性が高く、少しずつ導入する医療機関が増えてきました。
本記事では、オンライン診療でどのような精神疾患の診断や治療が可能であるか、どのような場合にオンライン診療が最適であるかなど、精神科・心療内科のオンライン診療のメリットや効果について詳しく説明します。
オンライン診療の受け方や、どんなクリニックが良いか選び方もご紹介しているので、オンラインで精神科・心療内科を受診したいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
精神科・心療内科におけるオンライン診療の3つのメリット

1.通院や待ち時間の負担の解消
従来の通院は、どんな体調でも出かける準備をして、病院まで向かい、受付から診察・会計まで待ち時間がありと、かなりの負担がかかります。
しかしオンライン診療では、診察を受けるために診療所へ出向く必要がありません。自宅や外出先から、スマートフォンやパソコンを使って診療を受けることができます。
これにより、交通の手間や移動時間のストレスを軽減し、自分のペースで治療を受けることができます。
また通院時の待ち時間はかなりストレスになるものです。
オンライン診療では、始まる直前まで自分の予定に合わせて治療をスケジュールできるため、待合室でいつ呼ばれるかわからない中待たされることはありません。
2.通院しているのがバレない
心に関わる病は個人的な問題であり、他人に知られることに対して抵抗を感じる方が少なくありません。
自宅などプライベートな空間から治療を受けることができるため、通院しているところを人に見られる心配もなく、待合室で知り合いにばったり会うこともないため、プライバシーが守られます。
自宅でよりリラックスした状態で専門家とコミュニケーションを取ることができ、自分の気持ちや症状にオープンに向き合いやすくなります。
3.予約が取りやすい
精神科・心療内科の治療は継続して通院しなければなりません。
しかし仕事やプライベートの都合などで時間が取れず、予約をとる困難さから通院を中断してしまう方も数多く見られます。
オンライン診療は対面の診療と比べて、比較的予約が取りやすくなっています。
ドクター側もまた場所の制約にとらわれず、一つ屋根の下に集まる必要もないので、通常のクリニックと比較してもかなりの診察枠を用意できるからです。
また、オンライン診療の予約はホームページやアプリの予約ページから自分で空いてる時間枠を見つけて予約を入れる方法をとっているクリニックがほとんどです。
従来の電話予約と違い、夜中でも早朝でも思い立ったときに、24時間いつでも予約ができます。

本当にしっかり診療してもらえるの?精神科・心療内科におけるオンライン診療の効果!
精神科領域において、オンラインによる症状評価や治療効果などを、対面によるそれらと比較した研究は海外を中心に多く行われており、オンライン診療における症状評価、治療の有効性、満足度、費用対効果について、対面診療と比べて遜色ない結果も多く報告されています。
日本においても、精神疾患の患者に対してオンライン認知行動療法が有効であることが示されており、対面療法と同等の効果を持つことがわかりました。
精神疾患を持つ日本人参加者30名を対象に、パソコンを用いて、ドクターがリアルタイムでサポートする個別ビデオ会議配信認知行動療法を4ヶ月にわたり行った結果、86%がビデオ会議による認知行動療法に満足し、83%が対面よりもビデオ会議による認知行動療法を好んだ結果が報告されました。*1)

*1)Matsumoto K, Sutoh C, Asano K, Seki Y, Urao Y, Yokoo M, Takanashi R, Yoshida T, Tanaka M, Noguchi R, Nagata S, Oshiro K, Numata N, Hirose M, Yoshimura K, Nagai K, Sato Y, Kishimoto T, Nakagawa A, Shimizu E. Internet-Based Cognitive Behavioral Therapy With Real-Time Therapist Support via Videoconference for Patients With Obsessive-Compulsive Disorder, Panic Disorder, and Social Anxiety Disorder: Pilot Single-Arm Trial. J Med Internet Res. 2018 Dec 17;20(12):e12091. doi: 10.2196/12091. PMID: 30559094; PMCID: PMC6315259.
精神科・心療内科のオンライン診療におけるデメリット
1.初診の処方制限がある場合がある
オンライン診療の場合、向精神薬指定されている厚生労働省の規定により処方することができません。
向精神薬や睡眠薬は濫用の恐れや、なりすましによる虚偽の申告・転売などのリスクがあるためです。
そのような薬の処方が必要だと医師が認めた場合は、再診時に対面診察をして薬の処方を行いますので、まずはオンラインでの診察を受けてみてドクターの意見を聞いてみるのがいいかもしれません。(詳しくは厚生労働省医政局医事課をご参考ください。)
2.診察代が対面診療より高い場合がある
多くのクリニックでは、オンライン診療の手数料などが別途必要になります。
手数料はクリニックごとに料金が変わりますが、大抵の場合は2000円〜3000円高くなってしまいます。
また、多くの場合処方箋を郵送する場合の郵送料も必要になりますが、通院時に交通費がかかることを考えれば、大きな差はないかもしれません。

精神科・心療内科のオンライン診療におけるクリニックの選び方と重要な注意点
1.ドクターの経験・求める資質
多くのオンライン診療を受けられるクリニックではドクターを最初に選択できます。
医師の資格や、経験、診察の方針など記載されている場合が多いので、まずは確認してみましょう。
特に精神科・心療内科では他科より医師との相性が治療の有効性に大きい影響を与えます。
最終的には受診してみないと相性は分からないところではありますので、迷ったら一度受診してみて、その後継続するかどうかを考えるのが良いかもしれません。
2.クリニックの評価・レビュー
オンライン診療ができる精神科・心療内科を選ぶ際は、口コミ評価の善し悪しもチェックしてみてください。
他の患者からの評価やレビューを見て、医師の接し方や治療の効果を確認してみましょう。
医師の印象や受けた治療は患者さんごとに感じ方は異なりますが、院内の雰囲気を知ったり、医師の対応などを口コミから知ることができます。
ただし、病院は不満がある人が口コミを書く事が多いため、全体的に低くなる傾向があります。
鵜呑みにはしない方が良いですが、気になるクリニックを見つけたらぜひ、他の患者からの評価やレビューを見て、医師の接し方や治療の効果を参考にしてみてください。
3.初診からか再診からか
オンライン診療ができる精神科・心療内科を選ぶ上で、初診からオンライン診療が可能なのかは確認してみましょう。
一般的に初診は対面診療を行い、再診から医師がオンラインでも可能な状況であると認めた場合に再診からオンラインで診察を受けることができますが、クリニックによっては、初診からオンライン診療を可能としているところがあります。
近くのクリニックで探そうとしても予約が取れない、人目が気になる、病院が開いている時間に行けない、状態が悪くて外出が困難などの方は初診から受けられるオンライン診療を探してみると良いかもしれません。

精神科・心療内科にオンライン診療の受け方と流れを解説!
1.予約
クリニックやプラットフォームによって様式は異なりますが、オンライン上で好きな日時で予約します。
予約時には保険証が必要になりますのでお手元に用意しておきましょう。
2.オンライン問診
事前にオンライン上で問診票に記入し、診察して欲しい内容や既往歴等を記入します。
医師は過去・現在の生活状況やこれまでの経緯を元に総合的に判断するので、できるだけ詳しく書いた方が医師が把握しやすいので診察がスムーズになるでしょう。
3.オンラインで医師の診察を受ける
診察日時になったらオンライン上で医師からの診察を受けます。
オンライン診療を受けるには、クリニック指定のアプリを事前にインストールする方法や、電話による診療、LINEでの診療などクリニックによって方針が様々です。
4.会計
医師の診察が終わりましたら会計に進みます。
5.お薬や診断書を自宅に配送
処方されたお薬や診断書が通常1〜4日以内に自宅に届きます。
クリニックによっては処方箋が送られて、自分で近くの薬局に取りにいく形式もございますので、クリニックに配送方法は確認が必要です。

精神科・心療内科のオンライン診療を使ってみる前に知りたい!気になる5つのQ&A!

Q1.オンライン診療は対面診療と同じく効果的ですか?
A.具体的な状況や症状による所ではありますが、研究では、オンライン診療が対面診療と同様に効果的であることが示されています。
しかし、患者と医師が直接対話する対面診療が適切な場合もあります。
Q2.オンライン診療ではどのような精神疾患の診断や治療が可能ですか?
A.睡眠障害、不安障害、うつ病、強迫性障害、パニック障害、ポストトラウマティックストレス障害(PTSD)など、多くの精神疾患の診断と治療がオンライン診療で可能です。
それぞれの具体的な症状や状況によりますが、薬物療法や心理療法など、さまざまな治療法をオンラインにて提供することができます。
Q3.オンライン診療はどのような場合には不適切ですか?
A.オンライン診療と相性の良い精神疾患の診療ですが、必ずしもオンラインだけで成立するとは限りません。 薬物等の影響が強い場合や、自傷行為、他害行為の可能性が高い緊急性が高く慎重な判断が必要な症状は、医療機関での対面診療が推奨されています。精神科に関わる症状としては、次の症状が挙げられています。*2)
・希死念慮 ・虐待を疑う場合 ・新規の抑うつ、不安、パニック動作 ・薬物加療内服/中毒
希死念慮や薬物加療中など強い症状の場合は、対面診療をするのが望ましいと考えられます。
上記の症状が見られず、落ち着いた診療が可能な場合にオンライン診療を実施すべきでしょう。
*2)一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会「プライマリ・ケアにおけるオンライン診療ガイド」
Q4.オンライン診療で処方箋は出されますか?それはどのように受け取れますか?
A.オンライン診療でも必要に応じて処方箋を出すことが可能です。
処方箋は電子的に送信され、指定の薬局で受け取ることができます。また、いくつかのサービスでは、薬を直接患者の自宅に配送するオプションもあります。
Q5.保険は適用されますか?
A. オンラインであっても診察自体は健康保険の適用は可能です。
ただし、クリニックによって異なります。また、オンライン診療手数料やアプリ使用料、通話にかかる通信料、処方箋などの送料は保険適用外となりますので注意が必要です。
精神科・心療内科のオンライン診療:まとめ

以上、精神科・心療内科のオンライン診療について、メリット・効果を中心に説明してきました。
Web 上で医師による診察を受け、処方までしてくれるオンライン診療は、メンタルに苦しむ患者さんにとって診療を気軽なものにしてくれます。
日本でも、オンライン診療の効果が報告されており、対面診療と比較して症状評価や治療効果に差がないことが証明されています。
ただし、初診・処方の制限や対面診療よりも高い診察代などのデメリットもあります。
医師の資格や経験、クリニックの評価やレビュー、初診から可能かなどを確認して、安心して受診しましょう。
オンライン診療を検討している方は、自分の症状がどんな病気に関連するか症状チェッカーで確認してみましょう。
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