精神科・心療内科でもらった精神薬はいつまで続ければいいの?治療の経過や副作用についてくわしく解説
- 精神科・心療内科でもらった精神薬はいつまで続ければいいの?自己判断で起こりうるリスク
- 薬の種類別にやめどきを解説
- 【減薬相談】薬をやめたいときはどうしたらいい?
- 薬を飲むのをやめることで発生する副作用と対処法
- 精神薬のやめどきに関するよくある質問と回答
- 精神薬は自己中断せずにやめたい気持ちは医師に相談しよう
精神科の薬を飲んでいると不調が改善し、生活をより快適に送ることができます。しかし症状が落ち着いてきたら「いつまで飲まないといけないの」「やめどきがわからない」といった不安を感じる方は少なくありません。この記事では、精神科の薬をやめるタイミングや進め方、リスクについて解説します。
精神科・心療内科でもらった精神薬はいつまで続ければいいの?自己判断で起こりうるリスク
精神科や心療内科でもらった精神薬は、いつまで飲めばよいのでしょうか。「薬をやめられないのでは」「急にやめたら離脱症状がでるかも」そのような不安を抱えている方は少なくありません。しかし、焦って自分の判断で薬をやめてしまうのは大変危険です。以下では、自己判断で中断することによるリスクをご紹介します。
症状が再発する
症状が安定していない時に減薬を試みると、症状が悪化してしまうおそれがあります。まずは心身の状態を安定させることが必要です。
とくにうつ病や統合失調症・双極性障害といった病気では、症状が再発しやすくなるため、前提として心身の状態が安定していることが重要となります。
離脱症状が現れる
離脱症状とは、薬があることに慣れていた状態で、薬を減らす・やめてしまうことで起きる症状です。めまいや頭痛・吐き気・倦怠感・耳鳴りといった身体的な症状に加え、イライラや不安・不眠などの精神的な症状も現れます。
離脱症状が起きてよくあるのが「薬に依存してしまった」と落胆してしまうことです。不安になる気持ちはわかりますが、離脱症状は急激な中断による反動のような症状で、依存と関係ないことも多いです。
離脱症状は1週間から2週間で落ち着く傾向にありますが、だからといって自己判断で中断するのではなく、減薬するときは、必ず医師に相談しながら進めましょう。
薬を減らしたことによる不安が現れる
「薬が減ってしまった」と過度に不安を感じてしまうことがあります。薬が心の支えとなっている方は少なくありません。医師の指示のもと、症状の経過をみながら少しずつ減らしていくことで、薬がなくても大丈夫だという自信をつけられるでしょう。
薬の種類別にやめどきを解説
以下では、精神科・心療内科で処方された薬のやめどきについて解説します。
睡眠薬をやめるタイミング
睡眠薬をやめるタイミングは、不眠症状が緩和され、医師が治療の継続が不要と判断したときです。ただし、長い期間服用したあとに急激に中止すると、不眠症状が一時的に悪化したり、不安感やイライラ感がでたりすることがあります。これらの症状を避けるため、必ず医師と相談のうえ減薬・休薬に取り組みましょう。
抗不安薬をやめるタイミング
抗不安薬は、一定期間服薬を続けることで、薬がある状態に身体が慣れてしまうものもあります。その状態で急に薬を減らしてしまうと、症状の悪化・発汗・震えなどの離脱症状がでてしまうリスクがあります。
これらの症状を避けるためには、ゆっくり薬を減らすことです。何週間もかけてゆっくり減らしていく方法や、薬を飲む間隔を徐々に伸ばしていく方法がありますので、減量するときは必ず医師と相談をしましょう。
抗うつ薬をやめるタイミング
抗うつ薬は、「症状がよくなった」と感じ、状態が安定してから半年から2年程度は継続したほうが再発が少ないと言われています。適切なペースで治療を進めることが重要です。
【減薬相談】薬をやめたいときはどうしたらいい?
精神科・心療内科の薬で症状が改善したら「いつまで飲むんだろう」と不安になることがありますよね。以下では、薬をやめたいときにすべきことについて解説します。
薬を減らすときのポイント
薬を減らすことでさまざまな症状が現れる可能性があるため、適切な方法で進めることが重要です。以下のポイントを理解しておくとよいでしょう。
必ず医師にみてもらう
薬を減らす場合、自己判断で薬を減らしたり、急に服用をやめたりすることは非常に危険です。薬の服用を減らす理由や方法を医師とよく話し合い、指示を受けながら進めなければなりません。とくに長期的に薬を服用している場合は、急に薬を減らすことが身体に悪影響を及ぼすこともあるため、慎重に進める必要があります。
基本的にはかかりつけの医師に相談することが重要です。
ゆっくり進める
薬を減らす際には急激な変更を避け、徐々に進めることが大切です。薬を急に減らしたりやめたりすると、症状が悪化したり、新たな副作用が出てきたりすることがあります。症状が安定していることを確認したうえで、少しずつ減らしていくことで、身体がその変化に適応しやすくなります。
医師と相談しながら、計画的に減薬を進めましょう。
生活習慣を整える
生活習慣を整えることは、治療において薬と同じくらい重要な役割を果たします。早寝早起き・バランスの取れた食事・適度な運動といった基本的な生活習慣を守ることで、体内のリズムが整い、ホルモンバランスや精神状態が安定します。これにより、身体的にも精神的にも健康が保たれ、薬に依存しない状態を作り出すことができるでしょう。
さらに、自己管理能力が向上することで、自信を持って生活できるようになり、薬の減量に対する不安やストレスも軽減されます。心身のバランスが取れることで、薬を減らす過程がスムーズに進むことが期待できますよ。
薬を飲むのをやめることで発生する副作用と対処法
薬を飲むのをやめると、離脱症状という副作用が現れる可能性があります。以下では、薬をやめることで出現する副作用とその対処法について説明します。
離脱症状とその乗り越え方
離脱症状とは、薬を急に減らしたりやめたりすることで起きる不調です。薬を減薬してから1日から3日で現れることが多く、めまい・吐き気・頭痛などの身体的不調や、イライラ・不安などの精神的不調が挙げられます。
離脱症状が出現したら、まずは主治医に相談しましょう。そのうえで、薬の服薬を再開したり、別の薬に変更したりといった対処法がとられます。
パニック障害の薬で起こる副作用と対処法
パニック障害の薬の副作用は、吐き気・眠気・口渇・便秘が起こることがあります。お困りのときは、まずは主治医に相談し、状態に合わせて薬の調整がおこなわれます。
抗うつ薬の副作用は?いつまで続くのか
抗うつ薬の副作用は、便秘・下痢・身体の倦怠感・めまい・ふらつきなどが起こることがあります。海外の研究では、SSRI/SNRIなどの抗うつ薬の副作用は治療開始して2週間以内で現われやすく、そのあと徐々に減少する傾向があると報告されています。
精神薬のやめどきに関するよくある質問と回答
ここでは、精神科の薬のやめどきに関するよくある質問と回答についてご紹介します。不安を少しでも解消できれば幸いです。
抗うつ剤を10年以上服用しているがやめられる?
抗うつ剤を長期間服用していても、医師の指導のもと適切な方法で少しずつ減らしていくと、薬をやめられる可能性があります。
自己判断で急に減らしたりやめたりすると、体調を崩してしまう場合があるため、必ず医師に相談しながら無理のないペースで進めていきましょう。
離脱症状はいつまで続く?
個人差はありますが、だいたい1週間から2週間で改善する傾向にあります。
最初の数週間は不安・不眠・イライラ・吐き気・震えなどの強い症状が続きやすい時期となります。その後、急性期が過ぎると、症状は徐々に落ち着いていきますが、完全に消失するまでには数週間から数か月かかることもあるのです。ただし、回復が進んでも一部の症状が残る場合があり、こうした症状はさらに数か月から長いと数年にわたって続くこともあります。
離脱症状の経過や回復のスピードには個人差が大きいため、自己判断で内服薬を中断することは絶対にせず、必ず医師と相談しながら対応していきましょう。
心療内科・精神科通院のやめどきは?
通院をいつまで続ければよいかは、主治医の判断のもと決定されます。病状に応じて、個人差があるので、必ず主治医と相談をしましょう。自己判断でやめてしまうと、症状が悪化するリスクがあるので注意が必要です。
精神薬は自己中断せずにやめたい気持ちは医師に相談しよう
精神科・心療内科の薬は、急に減らしたりやめたりすると、心身に悪影響をおよぼすことがあります。そのため、医師の判断のうえ徐々に減らしていくことが必要です。
エニキュアでは、患者さまの状態と希望に合わせて、医師と相談しながら治療を進める方針をとっています。あなたからのご相談をお待ちしております。
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