モラハラで適応障害になる?症状や原因、対処法について徹底解説

監修者紹介
河邊眞好
大学病院、単科精神科病院などを経て、現在は総合病院精神科で地域の精神科医療に従事。 精神保健指定医 / 日本精神神経学会専門医・指導医 / 公認心理師 / 厚労省認定認知症サポート医 / 日本精神神経学会認知症診療医 / 臨床研修指導医 / 緩和ケア研修会修了 / コンサータ処方登録医
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河邊眞好
大学病院、単科精神科病院などを経て、現在は総合病院精神科で地域の精神科医療に従事。 精神保健指定医 / 日本精神神経学会専門医・指導医 / 公認心理師 / 厚労省認定認知症サポート医 / 日本精神神経学会認知症診療医 / 臨床研修指導医 / 緩和ケア研修会修了 / コンサータ処方登録医
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職場の人間関係や家庭内でのトラブルは、私たちの心身に大きな影響をおよぼすことがあります。とくにモラハラは、精神的な攻撃によって相手を追い詰める行為であり、その被害が深刻化すると適応障害を引き起こす可能性も少なくありません。もしあなたが、パートナーや職場での言動によって体調や精神に変調を感じているのであれば、それはモラハラによる適応障害のサインかもしれません。


モラハラが適応障害に繋がる可能性があるのはなぜ?

モラハラが適応障害につながる可能性があるのはなぜ?

モラハラによる継続的なストレスは、心身に大きな負担をかけ、適応障害をはじめとするさまざま精神疾患のリスクを高めます。ここでは、モラハラの定義から適応障害との関連性についてくわしく見ていきましょう。


モラハラとは

モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度、行動などによって相手の尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える嫌がらせのことです。直接的な暴力とは異なり、精神的な攻撃が主となるため、被害が表面化しにくいという特徴があります。加害者は巧みに相手を支配下に置こうとし、被害者は精神的に追い詰められ、自尊心を失ってしまうことが少なくありません。

とくに多いのが、夫婦間でのモラハラと職場でのモラハラです。

夫婦間のモラハラ: 相手の人格を否定するような言動を繰り返したり、行動を過度に制限したり、無視を続けるなどの行為を指します。経済的DV(金銭的な暴力)や精神的DV(精神的な暴力)として認識されることもあります。

職場でのモラハラ: 上司や同僚が、業務の妨害、能力の否定、嫌がらせ、無視などをおこない、精神的な苦痛を与える行為です。パワーハラスメント(職場の立場を利用した嫌がらせ)と重なる部分も多く、被害者の仕事への意欲やパフォーマンスを著しく低下させます。


適応障害とは

適応障害とは、特定のストレス要因が原因で、精神面や身体面にさまざまな症状があらわれ、日常生活や社会生活に支障をきたす精神の不調です。ストレスの原因から離れると症状が改善するという特徴があります。ストレス要因がはっきりしているため、適切な対処をすれば回復しやすいと思われがちですが、放置するとうつ病などのより重い精神疾患に移行するリスクもあります。


モラハラが適応障害を引き起こす原因・メカニズム

モラハラなどのストレスを受けると、常に相手の言動に神経をすり減らし、いつ攻撃されるかわからないという緊張状態に置かれます。そうしたストレスが慢性的に継続することにより、心理的な安全が脅かされ、心身が常にストレスに晒されることになることで適応障害が引き起こされることがあります。

このような慢性的なストレスは、脳の扁桃体(感情の動きに関わる部分)や海馬(記憶に関わる部分)といった部位に影響をおよぼし、自律神経のバランスを乱します。その結果、気分の落ち込みや不安感、不眠、身体的な不調などがあらわれます。

これって適応障害?気になる方はこちらからチェック


適応障害の具体的な症状

適応障害の具体的な症状

モラハラによる精神的ストレスは、さまざまな症状となって現れます。ここでは、精神面、身体面、行動面に分けて具体的な症状を解説します。


精神面に現れる症状

精神面では、以下のような症状が現れることがあります。

気分の落ち込み・抑うつ気分:憂うつな気持ちが続き、何事にも興味が持てなくなる。
不安感・焦燥感::常に漠然とした不安を感じ、落ち着きがなくなる。
イライラ・怒り:些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったりする。
集中力の低下:仕事や勉強に集中できず、ミスが増える。
思考力の低下:物事を深く考えられなくなり、判断力が鈍る。
自信の喪失:自己肯定感が低下し、自らを責めるようになる。


身体面に現れる症状

精神的なストレスが身体に影響をおよぼし、以下のような症状が現れることがあります。

不眠::寝つきが悪くなる、夜中に何度も目が覚める、熟睡できない。
倦怠感・疲労感: 身体がだるく、常に疲労感が抜けない。
頭痛・肩こり::緊張状態が続くことで、頭痛や肩こりが慢性化する。
胃腸の不調:吐き気、下痢、便秘など、胃腸のトラブルが増える。
めまい・動悸:自律神経の乱れから、めまいや動悸を感じることがある。
食欲不振または過食:ストレスから食欲がなくなったり、逆に過食に走ったりすることがある。


行動面で見られる変化

行動面では、以下のような変化が見られることがあります。

引きこもり・孤立: 人との交流を避け、外出を控えるようになる。
欠勤・遅刻の増加: 仕事や学校に行けなくなる、または遅刻が増える。
趣味や楽しみへの無関心: これまで楽しんでいたことへの興味を失う。
飲酒・喫煙量の増加: ストレス解消のために飲酒や喫煙が増える。
能動的な行動の減少: 何かをしようとする意欲が低下し、活動量が減る。


重症化すると現れやすい症状にも注意

適応障害の症状を放置すると、うつ病などの精神疾患へ移行することがあります。精神的な苦痛により、引きこもりやコミュニケーションの障害から社会的孤立を招くこともあります。このような深刻な状況を避けるためには、早期に適切な対処とサポートを受けることが重要だといわれています。


適応障害から回復するための対処法

適応障害から回復するための対処法

適応障害から回復するためには、ストレスの原因から距離を置き、心身の健康を取り戻すための対処が必要です。


医療機関へ相談する

心身の不調が続く場合は、精神科や心療内科といった専門の医療機関を受診することが重要です。医師に症状をくわしく伝え、適切な診断と治療を受けることで、回復への道筋が見えてきます。尚、診断書内にモラハラと適応障害の明確な因果関係を示すことは困難です(他科の病気と異なり明確な基準や画像検索がないため)。


家族や友人などにサポートしてもらう

信頼できる家族や友人に状況を話し、精神的なサポートを求めることも大切です。1人で抱え込まず、身近な人に支えてもらうことで、孤立感を防ぎ、精神的な負担を軽減できるかもしれません。


環境を変える

可能であれば、モラハラの原因となっている環境から離れることを検討しましょう。仕事が原因であれば休職、家庭の問題であれば一時的に距離を取るなども必要かもしれません。転職、離婚などの重大な決断については、適応障害になっているときには選択しないほうがよいでしょう。後から後悔してしまうことがないように、まずはストレス原因から一時的に離れ、その上で今後のことを考えていくことが重要です。


被害の内容によっては弁護士にも相談を

モラハラの被害が深刻で、精神的苦痛だけでなく、慰謝料請求や離婚、職場での法的な手続きを検討する必要がある場合は、弁護士に問い合わせすることもご検討ください。


適応障害から回復するための対処法



モラハラによる適応障害|精神科・心療内科での治療

モラハラによる適応障害 精神科・心療内科での治療

精神科や心療内科では、適応障害に対し、主に精神療法や薬物療法を組み合わせて治療をおこないます。


精神療法|心理士によるカウンセリング・認知行動療法など

精神療法は、適応障害の根本的な原因であるストレスへの対処法を身につけ、考え方や行動を変えていくことを目的とします。

カウンセリング: 心理士との対話を通じて、自らの感情や状況を整理し、問題への対処法を見つけていきます。
認知行動療法: ストレスに対するネガティブな考え方のパターンを特定し、より現実的で前向きな考え方に変えていくことで、精神的な負担を軽減することを目指します。


薬物療法

症状が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、医師の判断で薬物療法が用いられることがあります。主に、不安や不眠、抑うつ気分などの症状を和らげるために、抗不安薬や睡眠導入剤、抗うつ薬などが処方されます。薬は症状に対しての対症療法であり、精神療法や環境調整と並行しておこなわれます。


セルフケアのアドバイスを実践

医療機関では、セルフケアに関する具体的なアドバイスもおこなわれます。自宅でできるリラックス法やストレスマネジメントの方法などを学び、日々の生活に取り入れることで、治療効果を高め、再発防止にもつながるでしょう。

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適応障害で使える支援制度について

適応障害で使える支援制度について

適応障害で生活に支障が出ている場合、利用できる公的な支援制度があります。これらの制度を活用することで、治療に専念できる環境を整えたり、経済的な負担を軽減したりすることが可能です。


利用可能な公的支援制度

適応障害と診断された場合に利用できる公的支援制度には、以下のものがあります。

傷病手当金: 病気やケガで会社を休んだ際、給与が支払われない期間に標準報酬月額の3分の2の金額が健康保険から支払われる制度です。

自立支援医療制度(精神通院医療): 精神疾患の治療にかかる医療費の自己負担額を軽減する制度です。通常3割負担の医療費が1割負担程度になります。

各種相談窓口: 精神保健福祉センター、地域包括支援センター、ハローワークの専門窓口など、問い合わせできる公的機関があります。


申請には医師に診断書が必要な場合がある

これらの公的支援制度を利用する際には、多くの場合、医師の診断書が必要となります。 診断書には、病名や症状の程度、就労の可否などが記載され、制度の利用可否を判断する重要な書類となります。診断書作成が可能かどうかは医師に相談しましょう。

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モラハラによる適応障害でよくある質問(Q&A)

モラハラによる適応障害でよくある質問

適応障害は、決して特別な人だけがなるものではありません。ここでは、モラハラによる適応障害に関するよくある質問についてお答えします。


モラハラを受けているかもしれない…回避する方法はありますか?

モラハラを回避するためには、できる限り関わる時間を減らす、2人きりになる状況を避ける、会話を録音するなどの対策がよいでしょう。また、相手の言葉を真に受けすぎず、自らを責めないようにすることも大切です。


モラハラを受けやすいのはどんなタイプの人ですか?

一般的に、真面目で責任感が強い人、共感性が高く優しい人、自ら主張が苦手な人などがモラハラのターゲットになりやすい傾向があります。完璧主義であったり、ほかの人からの評価を気にしすぎる人も、加害者にとって利用しやすいものとなることがあります。


適応障害の人をサポートするときに注意すべき点や言葉などはありますか?

適応障害の人をサポートする際は、まずその人の話を傾聴し、共感を示すことが重要です。安易な「がんばれ」や「気の持ちようだ」といった言葉は避け、本人の辛さを理解しようとする姿勢を見せることが大事です。無理に外出させたり、特定の行動を強制したりせず、本人のペースを尊重することが大切です。


適応障害か判断が付かないが辛い…そういう場合はどこに相談すればいい?

適応障害かどうかの判断がつかなくても、心身の不調が続いて辛い場合は、1人で抱え込まず、早めに専門家へ問い合わせしましょう。精神科や心療内科のほか、地域の精神保健福祉センター、こころの健康相談ダイヤル、職場の産業医などが問い合わせ先として挙げられます。


モラハラによる適応障害は治りますか?

適応障害は、ストレスの原因から離れ、適切な治療とサポートをうけることで回復が見込まれる精神疾患です。状況が改善され、心身が回復する環境が整えば、元の生活に戻ることも十分に可能です。しかし、症状が重症化するまえに早期に対応することが重要だといわれています。


モラハラによる適応障害はエニキュアに相談を!

モラハラによる適応障害はエニキュアに相談を!

適応障害は、放置すると心身の健康を著しく損ない、日常生活にも大きな影響をおよぼします。もしあなたが、今まさにモラハラの被害にあい、精神的な不調を感じているのであれば、1人で悩まず、精神科クリニックへの問い合わせを検討しましょう。

エニキュアでは、モラハラによる適応障害に苦しむ患者さまに適切な診断と治療を提供しています。オンライン診療も活用できるため、場所や時間の制約にとらわれずに医師の診察をうけることが可能です。あなたの精神と身体を守るために、今日から歩み出しましょう。

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