予防医学におけるメンタルクリニックの重要性【精神科オンライン診療】

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
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ストレスやメンタル不調を感じている方のなかには「この程度で病院に行ってもよいのだろうか」と悩んでいる方もいるかもしれません。

しかし、メンタル不調も体の不調と同じように、軽症のうちにメンタルクリニックを受診したほうが早く回復できるでしょう。また、近年の流れとして、精神疾患を発症する前にストレス要因を把握し、軽減することが求められています。

この記事では、予防医学におけるメンタルクリニックの重要性やメンタルクリニックが実施している予防的ケアなどについて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。



予防医学としてメンタルクリニックが重要な理由

予防医学としてメンタルクリニックが重要な理由

予防医学として、メンタルクリニックが重要な理由は3つです。

くわしく見てみましょう。



精神疾患は日本の5疾病に指定されている

精神疾患は、厚生労働省が指定する「5疾病」の一つに指定されています。5疾病とは、患者数が多く、継続的な医療が求められる疾病のことです。精神疾患のほかにも、ガンや脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病が含まれています。

精神疾患は5疾病のうち、有病率が糖尿病に次いで2位となっています。現役世代のうつ病、高齢化による認知症が増加しているためです。

このように、精神疾患は日本国民の健康を考えるうえで重要な課題となっているため、予防としてのメンタルヘルス対策が求められています。


一次予防のメンタルヘルス対策が重要視されている

厚生労働省は、職場におけるメンタルヘルス対策として、次の3段階の予防を位置付けています。

⚫︎一次予防:精神疾患の発症を防ぐ

・ストレス要因を把握し、軽減することで精神疾患の発症リスクを下げる

⚫︎二次予防:早期発見・早期対応

・定期的なセルフチェックで検診精神疾患を早期発見し、症状が軽いうちに適切な対応をとって重症化を防ぐ

⚫︎三次予防:再発防止

・症状が改善したあとも定期的な通院やケアを継続し、再発を防ぐ


上記のうち、厚生労働省がとくに重視しているのが一次予防です。具体的な取り組みとして、ストレスチェックやセルフケア研修、パワハラ対策などが挙げられます。

一次予防の効果を上げるには、従業員本人や職場、社内の産業保健スタッフだけでなく、民間のメンタルクリニックを含めた外部の関係機関とも連携する必要があるでしょう。


早期発見・治療によって回復が早まる

身体疾患と同様に、精神疾患も早期発見と適切な治療によって回復が早まる場合があります。

精神疾患の発病から治療開始までの期間をDUP(精神病未治療期間)といいます。このDUPが短いほど症状の回復が早くなり、長いほど症状が重症化する可能性があるのです。

少しでも「調子が悪い」と感じたら、できるだけ早い段階でメンタルクリニックを受診しましょう。



①精神疾患は日本の5疾病に指定されている②一次予防のメンタルヘルス対策が重要視されている③早期発表・治療によって回復する




メンタルクリニックが実施する予防的ケア

メンタルクリニックが実施する予防的ケア

メンタルクリニックでは、以下のような予防的なケアを受けられます。

それぞれについてくわしく見てみましょう。


定期的な状態確認

医師との定期的な面談により、心の健康状態を客観的に評価できます。わずかな変化も見逃さず、早期の対応が可能です。

メンタルクリニック通院の頻度は重症度によって異なりますが、週1回の通院から始める場合が多いです。


ストレスチェック

ストレスチェック制度とは、労働安全衛生法第66条の10に基づく検査を指します。2015年12月より、従業員が50人以上の事業所では、すべての労働者に対して年1回のストレスチェック実施が必須となりました。パート・アルバイトの従業員も実施対象となっています。

(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

第六十六条の十 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

引用:労働安全衛生法第66条の10|e-Gov

ストレスチェックでは、専門的な問診やチェックシートにより、ストレス度を数値化して評価します。継続的にモニタリングすることで、変化の兆候をとらえやすくなるでしょう


予防的カウンセリング

カウンセリングを受けると、症状が重くなる前に専門家に相談できます。カウンセリングによって自分の感情や思考を整理し、正しい対処法を見つけられるでしょう。

問題が小さいうちに対処し、深刻化を食い止めるためにカウンセリングを利用します。


生活習慣の改善指導

生活習慣とうつ病発症リスクは、密接に関係しています。

国立精神・神経医療研究センターの研究では、甘味飲料や炭酸飲料を多く飲む人はうつ病リスクが高くなることが報告されました。

また、生活習慣病とうつ病の併発率も高く、とくに心筋梗塞との併発率は42〜45%にものぼります。

メンタルクリニックでは、睡眠や運動、食事など、メンタルヘルスに影響を与える生活習慣について、専門的なアドバイスを受けられます。


メンタルクリニックが実施する予防的ケア まとめ




予防的なセルフケア方法

予防的なセルフケア方法

日常生活では、以下のようなセルフケアを心がけることが大切です。

日常生活に取り入れてみましょう。


睡眠の質を高める

質の良い睡眠は精神疾患の予防に重要な役割を果たします。理想的な睡眠とは、毎日同じ時間に就寝・起床し、十分な睡眠時間を確保することで日中の眠気を感じない状態を指します。また、夜中に目が覚めることなく朝までぐっすり眠れ、目覚めてからスムーズに行動を開始でき、寝床に入ってから時間をかけずに眠りにつけることも質の良い睡眠の特徴です。

睡眠の質を向上させるためには、就寝2~3時間前に40度前後のお湯で入浴することをおすすめします。入浴により一時的に上昇した体温が下がる過程で自然な眠気を誘うため、深い睡眠が得られやすくなります。

さらに、寝室環境の整備も重要です。明るすぎない照明、適切な温度と湿度を保ち、必要に応じて耳栓を使用するなど、快適な睡眠環境を整えることで、睡眠の質を高めることができます。



決まった時間に就寝・起床する

規則正しい生活リズムは、メンタルヘルスの基盤です。毎朝決まった時間に就寝・起床しないと体内時計が狂ってしまい、心身の症状が出やすくなります。起きたら朝日を浴びられるように、日照時間に合わせて生活しましょう。

また、夜間のパソコンやスマートフォンの使用は、睡眠を妨げます。画面から出るブルーライトが刺激となるため、寝る前の使用は避けましょう。



運動習慣を取り入れる

運動習慣を取り入れることは、メンタルヘルス対策としても効果的です。

ある調査では、1週間に2時間以上の運動をしているグループは、運動をまったくしないグループに比べて、1年後に抑うつ状態になるリスクが約半分だったことが判明しました。

運動習慣の具体例として、1回30分程度、週2~3回の有酸素運動がおすすめです。散歩やストレッチなど、無理のない運動から始めてみましょう。過度な運動はかえって疲れてしまうため、継続することを目標につづけてみてください。



リラックス法を取り入れる

メンタルヘルス対策として、リラックス法を取り入れてみるのもよいでしょう。主なリラックス方法として、以下の3つが挙げられます。

・深呼吸

・マインドフルネス瞑想

・趣味

イライラしているときや不安なときは、深呼吸をして脳に酸素を取り込む必要があります。

呼吸が浅いと脳に酸素が行き渡らないため、心身ともに不調を引き起こす場合があるためです。深呼吸は、以下の方法でおこないます。

・背筋を伸ばしてお腹に手を当てる

・3秒間口から息をゆっくり吐き出す

・3秒間鼻から息を吸い込む

・2~3を5~10分繰り返す

マインドフルネス瞑想では、呼吸に意識を集中させます。瞑想中に雑念が浮かぶこともありますが、雑念を否定せず、ありのままを受け入れましょう。雑念から今に戻ることを繰り返すうちに、不安やストレスが軽減されたり、頭の中が整理されたりします。

趣味でストレスを解消するのも、メンタルヘルス対策の一つです。ストレス解消だけでなく、趣味を通じて知り合いができたり、新たな感動を体験できたりします。


睡眠の質を高める・決まった時間に就寝・起床する・運動習慣を取り入れる・リラックス法をと入り入れる




予防医学の観点から見たメンタルクリニックを受診するタイミング

予防医学の観点から見たメンタルクリニックを受診するタイミング

メンタルクリニックを受診するタイミングを予防医学の観点から解説します。受診すべきか迷ったときは、ぜひご参考にしてください。


心身に不調がつづく場合は受診しよう

メンタルクリニックを受診するタイミングは、心身の不調がつづいているときです。具体的にいうと、精神症状と身体症状が2週間以上つづいている場合は、メンタル不調かもしれません。

代表的な精神疾患である「うつ病」は、気分の落ち込みや意欲の低下といった精神症状に加えて、不眠や食欲不振などの身体症状も現れます。症状が軽い場合は、十分な休養と適切な服薬治療で回復する場合もありますが、重症化すると仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。

「最近調子が悪いな」と感じる方は、メンタルクリニックを受診してみましょう。



受診しやすいオンライン診療は疾患予防の選択肢

精神疾患は早期発見・治療が重要ですが、通院に抵抗がある方もいるかもしれません。また、近くにメンタルクリニックがない場合や、初診はなかなか予約が取れないケースも考えられます。そのような方におすすめなのが、精神科オンライン診療です。

オンライン診療ではビデオ通話で医師の診察を受けられるため、自宅からクリニックへ通院する必要がありません。さらに、夜間や土日・祝日も予約を受け付けている場合が多いため、予約が取りやすく、忙しい方でも受診しやすいメリットがあります。


心身の不調が続く場合は受診しよう・受診しやすいオンライン診療は疾患予防の選択肢




まとめ:メンタルクリニックは予防医学としても重要な役割を果たす

まとめ:メンタルクリニックは予防医学としても重要な役割を果たす

メンタルクリニックは予防医学としても重要な役割を果たします。その理由として、精神疾患は日本の5疾病に指定されており、一次予防のメンタルヘルス対策が重要視されているためです。また、メンタル不調の早期発見・治療は、精神疾患の早期回復につながるでしょう。

メンタルクリニックでは、定期的な状態確認やストレスチェック、予防的カウンセリング、生活習慣の改善指導をおこなっています。予防的なセルフケアの実施も大切ですが、心身の不調がつづくようであれば、メンタルクリニックを受診しましょう。

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