パニック障害ってどんな病気?症状や治療法について徹底解説

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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ある日突然、息が苦しくなったり、心臓がドキドキしたりして「このまま死んでしまうのではないか」と感じたたりしたことはありませんか?それは、パニック発作と呼ばれるものです。そして、それが何度も繰り返されるようになると、パニック障害という病気の可能性があります。

この記事では、パニック障害の症状や原因・ほかの病気との違い・治療方法、そして最近注目されているオンライン診療という選択肢まで、詳しく解説していきます。「自分にも当てはまるかも」と思った方は、ぜひ最後まで読んでみてください。


パニック障害とは

パニック障害とは

パニック障害とは、突然強い不安や恐怖に襲われるパニック発作が何度も起こる病気です。電車に乗っているときや、人が多い場所にいるとき、あるいはとくに理由もなく、急に体が苦しくなり「このまま気を失ってしまうかも」と感じるような発作が繰り返されるのが特徴です。

この発作は命に関わるものではありませんが、とてもつらく、本人には「死んでしまうのでは」というほどの恐怖を感じることがあります。しかも一度経験すると「またあの発作が起きたらどうしよう」という不安が強くなり、次第に外出や人との関わりを避けるようになる方もいます。


パニック障害にはどんな症状がある?

パニック障害にはどんな症状がある?

パニック障害には、いくつかの特徴的な症状があります。以下では、パニック障害の症状について解説していきます。


パニック発作

パニック発作では、体と心にさまざまな症状が同時に現れます。たとえば、急に心臓がドキドキして苦しくなったり、息がしづらくなったり、めまいがして体の力が抜けるような感じがしたりします。また、人によっては吐き気を感じたり、手足が震えたり、冷や汗が出たりすることもあります。

このような発作が起きたとき、多くの人は「心臓に異常があるのでは?」「救急車を呼ばないと」と思うほどの強い不安に襲われます。でも、実際には検査をしても体に特別な異常は見つからないことが多く、それがまた本人を混乱させてしまいます。

さらに、発作のときには「現実じゃない感じがする」「自分の体なのに自分ではないような感覚になる」など、不思議な感覚になる人もいます。これを、現実感の消失や離人感と呼びます。


「また起きたらどうしよう」という予期不安

一度パニック発作を経験すると、「またあんな発作が起きたらどうしよう」と考えるようになってしまいます。このような気持ちは予期不安と呼ばれ、発作がないときでもずっと不安な気持ちを引きずってしまうことがあります。

予期不安が強くなると、人との約束や外出に対しても不安を感じやすくなり、だんだんと生活の自由が制限されてしまいます。最初は気軽に外出できていた人でも、発作が起きるかもしれないと思って外に出るのが怖くなってしまうのです。


行動範囲が狭くなる広場恐怖

予期不安が続くと、人が多い場所やすぐに逃げられない場所を避けるようになってしまうことがあります。たとえば、電車やバス・映画館・スーパーのレジの列など、「発作が起きてもすぐに逃げられない」と感じる場所がどんどん怖くなってしまうのです。

このように、特定の場所や状況に対して強い不安を感じ、避けるようになる症状を広場恐怖といいます。実際には広場に限った話ではなく、「逃げ場がない」と感じるあらゆる場所が対象になることがあります。

この状態が続くと、外出するのも怖くなり、家の中にこもりがちになったり、仕事や学校にも行けなくなったりする場合もあります。日常生活に大きな影響を与えてしまうのが、パニック障害の辛いところです。


無意識のうちに避けてしまう回避行動

予期不安や広場恐怖の影響で、人は自分でも気づかないうちに、発作が起きそうな場所や状況を避けるようになります。これを回避行動といいます。

たとえば、電車に乗ることが怖くなって、無理をして長い距離を歩いたり、タクシーを使ったりする。人が多いイベントには誘われても断る。仕事の打ち合わせや学校の授業を理由なく休んでしまう。そういった行動が日常生活に積み重なることで、少しずつ人とのつながりや自信を失ってしまうことがあります。

この回避行動は、短期的には安心感を与えてくれるかもしれませんが、長い目で見ると、不安の原因と向き合う機会を失ってしまうため、回復を遅らせてしまうことがあります。


パニック障害にはどんな症状がある? まとめ




パニック発作に似ているほかの病気もある?

パニック発作に似ているほかの病気もある?

パニック障害と似たような症状を引き起こす病気もあります。そのため、自己判断せずに、きちんと医師の診断を受けることがとても大切です。

たとえば、以下のような病気でも、パニック発作に似た症状が出ることがあります。


甲状腺機能亢進症

首の前側にある甲状腺という臓器のはたらきが亢進することで起きる不調です。動悸や息切れ、めまいなどが起きやすくなります。


喘息

喘息とは、呼吸の通り道である気道が炎症を起こし、狭くなってしまう病気です。呼吸が苦しくなるときに不安感が強まり、パニックに似た状態になることがあります。


低血糖

血液中の糖分が足りなくなってしまった状態を指します。血糖値が急に下がると、強い不安や動悸・手の震えが起きることがあります。


心筋梗塞

心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液が届かなくなり、心筋が壊れてしまう病気です。胸が痛くなり、呼吸がしづらくなることで不安が高まります。


更年期障害

閉経の前後に、ホルモンバランスが急激に変化することで起きる不調のことです。ホルモンの変化によって、動悸やめまい・汗などの症状が出ることがあります。


パニック発作に似ている他の病気 まとめ




パニック障害の原因は?

パニック障害の原因は?

パニック障害の原因はひとつではありません。いくつかの要因が重なり合って起こると考えられています。

まず、脳の中にある扁桃核という部分が関係しています。扁桃核は、危険を察知して体に警告を出す働きを持っていますが、パニック障害の人ではこの部分が過剰に反応してしまい、自律神経のバランスが崩れやすくなると言われています。

また、過去に大きなストレスやトラウマを経験したことがある人は、発作を起こしやすくなる傾向があります。たとえば、交通事故や災害・家庭内の問題など、心に強い衝撃を受けた出来事が引き金になることもあります。

つまり、体と心の両方が関係しているため、単に「気持ちの問題」として片づけてしまうのは正しくありません。



パニック障害の治療法は?

パニック障害の治療法は?

パニック障害は、きちんと治療を受ければよくなる病気です。症状が出たときに楽になるための対処法と、長期的に再発を防ぐ治療の両方が大切です。


症状を安定させる

発作が起きたときに症状を和らげるために、医師が抗不安薬や抗うつ薬などを処方することがあります。これらの薬は、脳の働きを落ち着かせる役割を持っており、不安をやわらげてくれます。


発作を起きにくくする

薬だけでなく、認知行動療法という心のトレーニングもとても効果的です。これは、発作が起きたときに「またパニックになったらどうしよう」と考えるクセを見直して、冷静に対処できるようにする方法です。

また、苦手な状況に少しずつ慣れていく「曝露療法(ばくろりょうほう)」も取り入れられることがあります。これは、自分の安心できるペースで少しずつ外に出てみたり、人の多い場所に挑戦したりする練習です。

治療はすぐに結果が出るものではありませんが、時間をかけて少しずつ不安を減らしていくことができます。

パニック障害の治療法 まとめ




エニキュアでは少ない負担で治療が受けられます

エニキュアでは少ない負担で治療が受けられます

パニック障害の治療には、薬を使った治療や、少しずつ不安と向き合っていく練習が効果的だと言われています。ただ、そのためには心療内科や精神科のクリニックに通う必要があります。しかし、実際には「通うこと自体がとてもつらい」と感じる人も少なくありません。

たとえば、電車に乗るのが怖い・待合室で人と一緒にいると不安になる・病院の場所まで行く気力が出ない。そんな状態では、治療を受けたくても、クリニックのドアを開けること自体が大きなハードルになってしまうのです。

そこでおすすめなのが、精神科オンライン診療のエニキュアです。


オンラインのため電車や人混みに行く必要がない

エニキュアでは、スマートフォンと通信環境さえそろっていれば医師の診察を受けることができます。ビデオ通話のような感覚で、自宅にいながら診察を受けることができるのです。画面越しではありますが、医師に症状を伝えたり、薬の相談をしたり、必要な処方を受けたりすることができます。

とくにパニック障害の方にとっては、オンライン診療は心強い味方になります。病院に行くという行動自体が、不安を引き起こす原因になってしまうからです。オンラインなら、家という安心できる場所で、落ち着いた気持ちで医師と話すことができます。

調子が悪くてベッドから出られないときでも、スマートフォンを手に取るだけで受診できるというのは、これまでの「通うしかない治療」とは大きく異なる点です。


無理のないペースで進められる安心感がある

エニキュアのよいところは、今の自分にちょうどいい距離感で治療をはじめられることです。はじめから対面で話すのが不安な方でも、画面越しであれば少し緊張が和らぐかもしれません。

また、エニキュアは完全予約制のため、待ち時間もほとんどありませんし、ほかの患者さまと顔を合わせることも通院のための移動時間もなく、治療に必要なエネルギーをぐっと少なくできます。こうした小さな負担の少なさが、継続的な治療を続けるうえでとても大切になるのです。

オンライン診療を活用することで、これまで「治療したいけど、どうしても通えない」と悩んでいた方も、治療の1歩を踏み出すことができるかもしれません。


こんな人におすすめです

エニキュアでのサービスは、以下のような方にはとくにおすすめできます。

・症状は重いわけではないが、不安を感じやすく、外出がこわい

・過去に通院を試みたが、途中で挫折してしまった

・仕事や育児で時間がとれず、定期的な通院がむずかしい

・病院まで遠く、通院のために時間や体力を使ってしまう

・人の目が気になって、待合室にいるだけで緊張してしまう

こうした悩みを抱えている方こそ、エニキュアでの治療という選択肢があることを知っておいてほしいのです。


エニキュアでは少ない負担で治療が受けられます まとめ




まとめ 1人で抱え込まないで

まとめ 1人で抱え込まないで

パニック障害は、決して珍しい病気ではありません。多くの人が似たような不安や苦しさを経験しています。だからこそ、「自分だけだ」と思わず、早めに医師に相談することが大切です。

症状がつらいときには、無理をせず、できる範囲で助けを求めてください。オンライン診療のような新しい方法も増えてきており、自宅にいながら安心して治療が受けられる環境も整いつつあります。

どんな方法でも、あなたが少しでも楽になることがいちばん大切です。一歩を踏み出すことで、未来はきっと変わっていきます。

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