予約が空いていない!心療内科の現状と早く受診するためのポイントを解説

監修者紹介
杉本あずさ
千葉大医学部卒業。お茶の水女子大学発達臨床心理学講座学部卒業。 昭和大学病院で研修医、同大学脳神経内科入局。 日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会総合内科専門医。日本精神神経学会会員。
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杉本あずさ
千葉大医学部卒業。お茶の水女子大学発達臨床心理学講座学部卒業。 昭和大学病院で研修医、同大学脳神経内科入局。 日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医、日本内科学会総合内科専門医。日本精神神経学会会員。
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1. はじめに


 「今すぐ受診したいのに、1~2 ヶ月以上も待たないといけない」
「どこの病院に問い合わせても、予約の空きがない」

心療内科の受診を検討している多くの方が、このような不安に直面しているの
ではないでしょうか。

近年、メンタルヘルスに対する認識の高まりとともに、メンタルクリニックへ
の需要が急増
しています。
同時に、新規予約を取ることが難しくなりつつあるのが現状です。

こころの病気は、他の病気と同様、早期に発見し治療をしなければ、重症化するリスクが高まります。

この記事では、精神科での予約が取りづらい理由や、早めに受診するための重要性とポイント、解決策について詳しく解説します。
現時点で早めに診療を受けたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

 

2. なぜ心療内科の新規予約は非常に困難なのか?

なぜ心療内科の新規予約は非常に困難なのか?



①精神科における需要と供給のギャップ

 現在、精神科や心療内科への需要が年々増加しています。

社会全体でメンタルヘルスの認知が高まり、ストレス社会や生活の質の変化に伴い、多くの人が自分のこころの状態を専門家に相談したいと考えるようになりました。

実際、精神疾患は健康損失の原因として、2 割以上の割合を占め、医療領域において極めて重要な位置にあります。しかし、この増え続ける需要に対し、医師や病院の数は圧倒的に足りていません。現在、精神科医は全医師の3%いると言われており、需要と供給のバランスの不均衡を引き起こしています。


さらに、OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、先進国の平均の医師数は、人口1000 人当たり3.5 人なのに対し、日本は2.4 人というかなり少なめの数字です。OECD 加盟国38 か国中、日本の医師数ランキングは32 位と、他の先進国と比較しても低い位置にあります。[1]



メンタルクリニックの受診・診察数に限りがある

  日本のメンタルクリニック数は3000 以上とされていますが、それでも十分な診察を提供するには不十分な状況にあります。
実際、医師一人が質の高い診療を提供するために、診察数の上限が存在します。


メンタルヘルスの問題を抱える多くの患者と向き合いながら、診療を続け、さらに書類作成も行うということは、かなりハードワークな仕事と言えるでしょう。
また、他の病気とは違い、メンタルの病気は、治るまで長い期間通い続けなければいけない傾向にあります。
例えば、うつ病は約6ヶ月から1 年を目安として、気分の上げ下げを繰り返しながら、徐々に回復していきます。
ただ、再発や長期化することも多くあるので、長期間主治医に相談しながら治療をしていく必要があります。

さらに、初診患者には再診の患者数名分の診療時間が必要になるため、すでに多くの患者を抱えているクリニックでは初診を制限せざるを得ない場合があります。



心療内科の新規予約が困難な理由2つまとめ


参考文献

[1]前田由美子, 医療関連データの国際比較- OECD Health Statistics 2019
-,p22, https://www.jmari.med.or.jp/download/RE077.pdf ,(2023/10/5)





3.早く心療内科を受診するための3つの解決策

早く心療内科を受診するための3つの解決策



①混雑時期を把握


・春(4 月頃)
 春は心療内科の診察が最も多い時期と言われています。
この時期は、異動や転勤、新入学、社会人生活のスタート、気候の変化など、多くの「変化」が起きる時期だからです。
新しい環境や新たな生活リズムへの適応を必要とし、その結果、不安や緊張からのストレスが増加します。
このようなストレスは、イライラや集中力低下、やる気が起きないなど、うつ病へのリスクを高める原因となります。


・梅雨時(6 月下旬頃)
 6月下旬の梅雨時期も、心療内科での診察が増える時期となります。
4月ごろの生活環境の変化から約3ヶ月が経過し、この頃になると体と心の疲れがピークに達することが多いです。
また、連日の雨や湿度の高い気候は、気分をさらに落ち込ませる要因ともなります。


・秋(10 月頃)
 10 月ごろも心療内科が混む時期です。
この月は、秋うつと呼ばれる季節性のうつ病のリスクが増加します。
日が短くなる10 月以降、日照時間が減少することで、心身に活力、平常心、安心感を与える神経伝達物質セロトニンの分泌が低下します。
このセロトニンの低下は、気分の低下、無気力を引き起こすため、10 月ごろ精神科を利用し始める人が増えると言われています。



心療内科の混雑時期のグラフ






②軽い症状であれば、まず内科を受診することもできる


 こころの病気は、心理的な症状だけでなく、身体的な症状も伴うことが一般的です。
倦怠感、食欲が湧かない、疲れやすい、吐き気などの身体的不調は、うつ病の兆候として現れることがあります。

・初めての受診先選び
最初は、心療内科か他の診療科、どこの病院に行ったら良いのか悩む人は多いです。
実際、うつ病患者の60%はまず内科を受診しており、最初から精神科を受診する人は6%程度です。[2]
心療内科に行くのが困難な場合は、まず内科で症状を診てもらうのも一つの方法です。



うつ病患者の初診診療所の推移グラフ



・内科での検査と診断
 内科での検査は、主に身体の症状に関する検査になります。
スクリーニングシートや血液検査を行い、うつ病の可能性があるかどうかも判断される場合があります。[3]

うつ病の可能性が高いと判断された場合、医師によっては、そのまま処方をしたり、合併する不眠症等の治療に入ります。
対処できない場合や精神的な要因が強いと判断した場合、他の心療内科や精神科を紹介されます。

転院の際には、今までの診断履歴や、現在の症状、使用している薬などの情報をまとめた紹介状が作成されます。紹介状を持参して心療内科を受診することで、これまでの治療経過をスムーズに引き継ぐことができ、治療を受けることができます。

内科は精神科の専門ではありませんが、身近にある診療科の一つです。
こころの病気だからこそ、先延ばしにせず、まずは症状を医療機関で見てもらうことが大事です。




③オンライン診療なら予約が取りやすい:24時間いつでも可能


 他にも、

「通院や待ち時間がストレス」
「時間も確保できない上に、予約が取れず困っている」

そのような負担を感じている人には、オンライン診療をおすすめしています。

精神疾患は治療を先延ばしにしても、自然治癒するとは限りません。むしろ、放っておくと治りづらくなり、重症化するリスクも高まります。
その上、先ほど説明したように初診の予約がなかなか取りづらいため、より向き合うまで時間がかかってしまいます。

また、心療内科に通院すること自体に大きなストレスを感じたり、仕事やプライベートが忙しく時間を確保できず、通院を中断してしまう方も多くいます。

オンライン診療であれば、一定範囲内で好きな場所や時間に専門家の診察を受けられます。体力がない人や近くに適切なクリニックが見つからない方にも便利なサービスです。

そして、通常の心療内科と比べ、オンライン診療は予約が取りやすいのが大きなメリットです。


「今すぐ予約したかったが、診療時間外で予約ができない」

このような経験から、治療を後回しにしてしまい、「大丈夫だろう」と自分で落ち着かせ、気づかないうちに症状が悪化するケースもあるかもしれません。

クリニックによって異なりますが、基本的にオンライン診療は、ホームページや診療アプリから、受診したい時に24 時間いつでも予約が可能です。

早朝深夜で診療時間外でも、オンラインですぐに予約をすることが可能です。

オンライン診療については、下記の記事で詳しく解説しているため、併せてお読みください。


精神科・心療内科におけるオンライン診療のメリットとその効果


早く心療内科を受診するための解決策3つ



参考文献

[2]三木治, プライマリ・ケアにおけるうつ病の実態と治療,P4, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/42/9/42_KJ00002399419/_pdf/-char/ja,(2023/10/11)
 [3]内科医が知っておきたいメンタルヘルスプロブレムの対応 うつ病:医学書院 https://www.igaku-shoin.co.jp/misc/medicina/mental4401/






4.心療内科の予約を無駄にしてしまう前に!受診前の準備とポイント

心療内科の予約を無駄にしてしまう前に!受診前の準備とポイント

初診でよく聞かれる質問は?

 診療内科の新規予約が取りづらい現状から、診察時間も短く、頻繁に診察を受けることが難しい病院も多くあります。効率的な治療を受けるためには、限られた診察時間で、的確にご自身の状況を伝える必要があります。

ここでは、精神科の初診で聞かれることが多い質問をご紹介します。事前にある程度整理しておくと、当日リラックスして回答ができる場合が多いです。


・現在、何に困っているのか?
・どのような症状があるのか?・いつから発症し始めたのか
・受診に至った経緯は?
・具体的にどのような場面で、どのような症状が出るのか?
・症状の原因として思い当たることはあるのか?


他にも、交友関係、家族関係、出身地、仕事内容、幼少期についてなど、プライベートな質問も聞かれることがあります。あまり言いたくないことに関しては強制ではありませんが、話せる範囲で医師に伝えられると良いでしょう。




心療内科の初診でよく聞かれる質問一覧





5.まとめ:心療内科の予約が取れない!"オンライン心療"が解決

まとめ:心療内科の予約が取れない!"オンライン心療"が解決


 本記事では、心療内科(精神科)の予約が取りにくい理由、予約する際の注意点、ポイントについて説明してきました。

メンタルの病気は、日によって波があることも多く、自分自身では気づきにくいこともあります。
その上、病院も予約が取りづらいこともあるため、多くの患者が受診を後回しにしてしまいます。

精神疾患は、受診が早ければ早いほど、重症化や慢性化を防ぐことができるため、早期治療が欠かせません。
そのため、心療内科(精神科)の予約が取れない時の解決策として、オンライン心療をおすすめします。
オンライン診療は、通常の心療内科よりも予約が取りやすく、仕事や家庭の生活スタイルに合わせて、好きな時間や場所で診察を受けることができます。この手軽さが、早期治療に繋がるのです。

オンライン心療を検討している方はぜひ、レビューや医師の資格などを確認し、最適なクリニックを探してみてください。


自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認してみましょう。

症状チェッカー

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