精神科オンライン診療は顔を見せたくない場合でも受診できる?

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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オンライン診療は、自宅や職場から受診できる便利な医療サービスです。しかし、患者さまの中には「顔を見せたくない」と感じる方も少なくありません。とくに精神科診療では、緊張やプライバシー面での不安から、ビデオ通話に抵抗を感じる患者さまもいるでしょう。

現在の制度では、顔を完全に隠したままの受診は難しく、チャットのみでの診察は認められていません。この記事では、精神科オンライン診療における顔出しの必要性や、顔を見せたくない場合の対処法について詳しく解説します。



精神科オンライン診療は顔を見せずに受診できる?

精神科オンライン診療は顔を見せずに受診できる?

精神科オンライン診療では、基本的にビデオ通話を利用して診察が行われます。顔を完全に隠したままの受診は難しく、現行の制度ではチャットのみでの診察は認められていません。

顔を見せたくない場合は、事前に医療機関へ相談し、可能な対応について確認することが大切です。



精神科オンライン診療で顔を見せたくない理由

精神科オンライン診療で顔を見せたくない理由

精神科オンライン診療では、顔を見せたくないと感じる人も少なくありません。主な理由として、以下の3つが挙げられます。

・医師との対話に緊張するため

・周囲の人に見られたくないため

・ビデオ通話に慣れていないため

それぞれの理由について詳しく解説します。


医師との対話に緊張するため

オンライン診療では、対面診療と同様に医師と直接コミュニケーションを取る必要があります。しかし、カメラ越しの会話に慣れていない場合、対面よりも緊張を感じるかもしれません。とくに精神科では、自身の悩みや症状を言葉で説明する場面が多く、表情や身振りが制限され「思うように気持ちを伝えられない」と不安に感じることもあるでしょう。

また、医師の表情やリアクションが画面越しでは分かりにくいことが、余計に緊張を高める要因になる場合もあります。


周りの人に見られたくないため

自宅や職場でオンライン診療を受ける際「家族や同僚に診察を受けているとを知られたくない」と考える方もいます。とくに精神科診療は相談内容がデリケートな場合が多いため、周囲の人に聞かれることに強い抵抗を感じる方もいるでしょう。

また、家の中で静かな環境を確保できなかったり、同居人がいたりすると、プライバシーの面で不安を感じる場合もあります。そのため「顔を映さずに診療を受けたい」と考える方も少なくありません。


ビデオ通話に慣れていないため

オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使用したビデオ通話が必要です。しかし、普段あまりビデオ通話を利用しない方にとっては、操作が難しく感じられることがあります。たとえば、診療中に通信環境が不安定になったり、カメラやマイクの設定ミスが起こったりすると、診察がスムーズに進まず、焦りやストレスを感じる原因になります。

また、ビデオ通話に苦手意識があると、診療そのものに集中できなくなる場合もあるため「顔を見せたくない」と考える方もいるでしょう。


精神科オンライン診療で顔を見せたくない理由




精神科オンライン診療で顔出しが必要な理由

精神科オンライン診療で顔出しが必要な理由

精神科オンライン診療では、患者さまの顔を見せることが求められます。顔出しは本人確認や診察の正確性を確保するために重要です。

患者さまの表情や話し方から心の状態を判断し、適切な治療を行うためにも、顔出しでの診察が必要になります。


本人かどうかを確認するため

オンライン診療では、医師と患者さまの本人確認が義務付けられています。とくに精神科診療では、なりすましや代理受診を防ぐために、顔写真付きの身分証明書(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)を提示する必要があります。

医師は患者さまの身分証明書をもとに本人確認を行い、適切な診療を提供します。本人確認が不十分な場合、処方箋の発行や医療上の判断に支障をきたす可能性があるため、オンライン診療でも本人確認が重要です。

このような仕組みにより、医療の安全性が確保され、患者さまが適切な治療を受けられる環境が整えられています。


表情・様子を観察するため

精神科では、患者さまの表情や仕草、話し方などの視覚的な情報が診断において重要な役割を果たします。オンライン診療でも、医師は患者さまの顔を見ながら、抑うつや不安、緊張といった精神状態を把握し、適切な治療方針を決定します。

たとえば、表情が乏しくなっている場合はうつ病の可能性が考えられ、話し方に変化がある場合は双極性障害の兆候を見極める手がかりになります。

オンライン診療で質の高い診察を行うためには、患者さまの顔を見せてもらうことが必要です。視覚的な情報が不足すると、誤診や適切な治療計画の立案が難しくなるため、オンライン診療でも顔出しが求められます。


医師との信頼性を築くため

精神科診療では、医師と患者さまの信頼関係が治療の効果に大きく影響します。顔を見せて対話すると、医師に対する安心感を高め、スムーズに治療を進められるでしょう。

精神的な悩みを抱えている場合、表情を交えた会話をすることで、患者さまは医師の反応を見ながら安心感を得られます。医師も患者さまの細かい表情の変化や態度から、心の状態を読み取れるため、より正確な診察が可能になります。

オンライン診療であっても、顔を見せることで信頼関係が築きやすくなり、診療の質や治療の満足度が向上するでしょう。


精神科オンライン診療で顔出しが必要な理由




顔出しに抵抗がある場合の4つの対処法

顔出しに抵抗がある場合の4つの対処法

オンライン診療で顔を見せることに抵抗がある場合、少しの工夫で心理的負担を和らげることができます。以下より、顔出しに不安を感じる方のために、プライバシーを守りながら診療を受けるための4つの対処法を紹介します。


背景をぼかす・調整する

自宅の様子がカメラに映ることに抵抗がある場合は、背景を工夫すると安心して診療を受けられます。たとえば、カーテンを閉めてその前で話したり、白い壁の前に座ったりすると、部屋の様子がカメラに映りません。

また、多くのビデオ通話アプリには背景をぼかす機能や仮想背景を設定する機能が搭載されています。これらの機能を活用すれば、患者さまのプライバシーを守れるでしょう。背景を工夫すると、生活感を抑えながら医師との診療に集中しやすくなります。


プライバシーが守られる環境で受診する

家族や同居人にオンライン診療を受けていることを知られたくない場合、できるだけプライバシーを確保できる環境で受診しましょう。静かな個室で受診したり、診療中はイヤホンを使用したりすると、周囲に相談内容を聞かれる心配が減ります。また、診療時間を家族の外出中に設定したり、車の中など一人になれる場所を選んだりしてもよいでしょう。

これらの工夫をすれば、周囲の目を気にせずリラックスして診療を受けられます。


カメラのアングルを調節する

画面に映る自分の姿に不安を感じる場合、カメラのアングルを調整することで、映したくない部分を避けながら受診可能です。自分がリラックスできるアングルを見つけましょう。

ただし、医師が診察に必要な情報を得られるよう、診療に影響のない範囲で調整することが望ましいです。また、カメラ自体の位置を変更すると、より自然な対話がしやすくなることもあります。


ビデオ通話のテストをする

ビデオ通話に慣れていない方は、事前にテストを行うことで不安を軽減できます。家族や友人と練習したり、使用するデバイスやアプリの操作方法を事前に確認したりすると、診療当日に焦らずに済むでしょう。

また、通信環境が不安定だと診療がスムーズに進まない可能性があるため、Wi-Fiの接続状況やマイク・カメラの動作を事前にチェックしておくことも大切です。事前準備をすることで技術的なトラブルを防ぎ、安心してオンライン診療を受けられます。


顔出しに抵抗がある場合の4つの対処法




顔出し以外でオンライン診療を受けるときに大事なポイント

顔出し以外でオンライン診療を受けるときに大事なポイント

オンライン診療では、顔出し以外でも診察をスムーズに進めるために大事なポイントがあります。以下より、オンライン診療を受けるために押さえておきたいポイントを4つご紹介します。受診を検討されている方は、ぜひご参考にしてください。


事前に話す内容を整理する

オンライン診療を受診する前に、医師に話したい内容を整理しておきましょう。たとえば、最近の症状の変化や困っていることをメモに書いておくと、診療中にスムーズに説明しやすくなります。また、医師に聞きたいことや相談したい内容をリストアップしておくと、緊張して伝え忘れるリスクを減らせます。

オンライン診療は対面診療と違い、会話のテンポが取りづらいこともあるため、相談内容を簡潔に伝えられるよう準備しておきましょう。精神科の初診で医師に伝えておきたいポイントに関しては、関連記事もご参照ください。

【関連記事】精神科の初診が不安な人必見!初診の内容、流れ、医師に伝える際のポイントなどについて解説


できるだけマスクをしないで受診する

精神科診療では、患者の表情や口の動きが診断の重要な材料となります。そのため、できるだけマスクを外して受診することをおすすめします。顔の一部が隠れていると、医師が患者さまの感情の変化を読み取ることが難しくなる可能性があるからです。


表情・ジェスチャーを利用する

オンライン診療では、音声だけでなく、表情やジェスチャーを活用することで、より円滑なコミュニケーションが取れます。たとえば、手の動きやうなずき、首をかしげる仕草を加えることで、自分の感情や考えをより分かりやすく伝えられるでしょう。

また、言葉で説明しにくい不安や違和感がある場合も、表情や動作を交えることで、医師が患者の状態を把握しやすくなります。顔を見せることに抵抗がある場合でも、伝え方を工夫すれば、質の高い診療を受けられるでしょう。


診察中の通信環境を安定させる

オンライン診療をスムーズに受けるためには、通信環境を安定させることが重要です。Wi-Fiを利用する場合は、ルーターの近くで診察を受けるか、有線接続を使用すると、通信が安定しやすくなります。また、モバイル回線を使用する場合は、診察前に通信が途切れないか確認しておくと安心です。

通信環境が不安定だと、映像や音声が途切れてしまい、診察に支障が出る可能性があるため、事前に環境を整えておきましょう。


顔出し以外でオンライン診療を受けるときに大事なポイント




まとめ:オンライン診療は顔出しが必要だが、工夫すれば精神的な負担を減らせる

まとめ:オンライン診療は顔出しが必要だが、工夫すれば精神的な負担を減らせる

精神科オンライン診療では、本人確認や診察の正確性を確保するため、顔出しが求められます。しかし、患者さまの精神的負担を減らすために、医療機関によっては背景をぼかしたり、カメラの角度を調整したりなどの工夫を認めている場合もあります。事前に医療機関に相談し、可能な対応を確認しましょう。

エニキュアでは、夜間・休日も精神科オンライン診療を提供しており、予約から薬の受け取りまでをすべて自宅で完結できます。公式LINEを利用すれば、最短1分で診療予約が可能です。安心して受診できる環境を整えているため、まずはお気軽にご相談ください。

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