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マイナス思考が止まらない原因・改善方法とは?お悩みの方は精神科・心療内科に相談を
「何をやってもうまくいかない」「今度もまた同じミスをするんだ」といった、マイナス思考が浮かんだ経験はありませんか?
マイナス思考の人は、文字どおり物事のマイナス面に囚われる傾向があります。マイナス思考が必ずしも悪いとは限りません。しかし、長期間つづくと精神疾患を発症することもあります。
この記事では、マイナス思考が止まらない原因と改善方法についてご紹介します。マイナス思考でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧いただき、ご参考になさってください。
マイナス思考とは?
マイナス思考とは、物事や状況を悲観的にとらえる思考、またはそのような傾向のある方のことです。「ネガティブ思考」と呼ばれる場合もあります。
マイナス思考が強い方は、自分を否定する考えが現れやすい傾向にあります。たとえば、会社の上司から新しい仕事を任されたときに「絶対に失敗する」「もし失敗したら失望されてしまう」と考えてしまいがちです。
しかし、マイナス思考には、以下のような良い影響もあります。
⚫︎リスク回避ができる
⚫︎自己研鑽ができる
⚫︎人間関係の調和がとれる
つねにマイナス思考が頭に浮かぶ状態だと、不安や焦りを感じてしまい、心身ともに疲れきってしまうことが多くあるため注意しましょう。
マイナス思考を繰り返してしまう原因
マイナス思考を繰り返してしまう原因は、以下の3つです。
⚫︎過去のネガティブな経験
⚫︎認知の歪み
⚫︎ストレスや疲労の蓄積
詳しく見ていきましょう。
過去のネガティブな経験
マイナス思考の原因として、過去のネガティブな経験が挙げられます。とくにトラウマや失敗体験が未解決のまま残っている場合、過去の出来事を過度に一般化し、現在や将来にも当てはめてしまいがちです。
また、幼少期の養育環境や保護者の養育態度が原因で、マイナス思考が浮かびやすくなる方もいます。具体例は以下のとおりです。
⚫︎兄弟姉妹と比較して育てられた
⚫︎保護者から否定的な言葉をかけられた
⚫︎保護者から褒められる機会が少なかった
このような環境下で育つと自己肯定感の低下につながり、自分に対する否定的な信念を形成しやすくなります。
認知の歪み
認知の歪みが原因で、マイナス思考を繰り返す方もいます。認知とは、目の前で起きている物事のとらえ方のことです。
認知に歪みがあると、一般的に見れば大した出来事でなくても、悲観的にとらえてしまう傾向があります。
よくある認知の歪みとして、以下のパターンが挙げられます。
⚫︎物事を白黒思考で捉える傾向(全か無かの思考)
⚫︎過度の一般化(一度の失敗をすべての場面に適用する)
⚫︎根拠のない結論への飛躍(限られた情報から最悪の結果を想像する)
⚫︎肯定的な面を無視し、否定的な面にのみ注目する
たとえば、上司から書類のミスを指摘されたときに、「ミスをするなんて私は最悪の人間だ」「いつ解雇されてもおかしくない」と考える場合、認知の歪みがあるかもしれません。
ストレスや疲労の蓄積
ストレスや疲労が脳に与える影響は、以下のとおりです。
⚫︎慢性的なストレス:脳の前頭前野の機能が低下し、不安を感じやすくさせる
⚫︎疲労:判断力や思考の柔軟性を低下させる
⚫︎睡眠不足・ホルモンバランスの乱れ:感情調整を困難にさせる
普段はあまりマイナス思考の傾向がない人でも、仕事が忙しかったり、なかなか休息が取れていなかったりする場合、マイナス思考になりやすくなります。
マイナス思考が見られる精神疾患
マイナス思考が見られる精神疾患の具体例は、以下の6つです。
⚫︎うつ病
⚫︎双極性障害
⚫︎不安障害
⚫︎強迫性障害
⚫︎発達障害(ADHD・ASD)
⚫︎心的外傷後ストレス障害(PTSD)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
うつ病
うつ病とは、気分の落ち込みによって意欲が低下し、物事への興味・関心が湧かなくなる精神疾患です。うつ病を発症すると、以下のような悪循環が起きやすいです。
⚫︎気分が落ち込み、思考力が低下する
⚫︎マイナス思考が浮かぶ
⚫︎ネガティブな気分になってしまう
うつ病になると思考力が低下し、同じことを繰り返し考えてしまう場合があります。
双極性障害
双極性障害とは、気分が落ち込む抑うつ状態とテンションが異常に上がる躁状態を繰り返す精神疾患です。
躁状態の時は本人は気分が良いことが多いですが、抑うつ状態になると気分の落ち込みやマイナス思考が浮かび生活が困難となることもあります。特に、躁状態から抑うつ状態になると通常の気分の落ち込みよりも落差が激しく、その場合緊急の治療が必要となることも少なくありません。
うつ病とは治療方針が異なるため、病院を受診する際、気分の落ち込みがある方は今まで躁状態になったことがあるかどうかが診断の上でとても大切な情報になります。
不安障害
不安障害は、過度な不安によって日常生活に支障をきたす精神疾患です。未来に起きる不安を先読みして考えてしまう傾向があります。
たとえば、自分の将来に対して「もしかしたら大変なことが起きるのではないか」といった思考から抜け出せずにいることがあります。
強迫性障害
強迫性障害とは、特定の状況や物事に対して極めて強い不安や不快感(強迫観念)を持ち、それらを打ち消すための行為を繰り返してしまう精神疾患です。
具体例として、家の鍵を閉めたかどうか不安で、何度も家に帰って確認してしまうケースが挙げられます。
発達障害(ASD・ADHD)
自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動性障害(ADHD)など、発達障害のある方もマイナス思考になりやすい傾向があります。障害特性の影響で、他者から指摘や叱責を受ける経験が多く、自己肯定感が低くなりやすいためです。
とくにASD傾向のある方は、過去の出来事やマイナス思考を切り替えるのが難しいため、何度も繰り返し考えてしまうことがあります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、事件や事故、災害など、生死にかかわるような出来事にあい、強いショックを受けたあとに生じる精神疾患です。
PTSDの患者さんのなかには、トラウマ体験を思い出して「あのとき〇〇していたら」「自分のせいであんな目にあったのでは」と考えてしまう人もいます。
マイナス思考が止まらないときの改善方法
マイナス思考を改善する方法を6つご紹介します。
注意をそらす
マイナス思考が始まったら、まったく関係のないことを考えたり、別のものに集中したりして、注意をそらすとよいでしょう。自分が楽しいと感じる出来事について考えるとポジティブな気分になり、悩む時間が減ります。考えるだけでなく、実際に行動に移すとより効果が期待できます。
ただし、いくら注意をそらしてもマイナス思考が止まらない場合、無理に注意をそらす必要はありません。「別のことに集中しなければいけない」と思うと、かえって意識してしまいます。
原因から離れる
マイナス思考の原因がわかっている場合、関連する物事から離れることが大切です。たとえば、特定の場所に行くとトラウマ体験を思い出す場合、その場所に行かないようにします。
もし原因がわからなければ、自分がどのようなシチュエーションでマイナス思考になっているか、紙に書き出してみましょう。
運動をする
マイナス思考が頭に浮かんできたら、運動をするのも効果的です。適度に息が切れる程度の運動は、精神症状を改善しやすいとされています。
具体的には、以下のような運動がおすすめです。
⚫︎ウォーキング
⚫︎ランニング
⚫︎筋トレ
⚫︎体操
⚫︎球技などのスポーツ
これらのなかから、実行しやすい運動を始めてみましょう。
自然に触れる
一つの研究では、自然環境のなかで散歩をするとマイナス思考の回数が減少した、という結果が報告されました。
また、別の研究でも、ガーデニングや庭仕事など、自然のなかで20分ほど過ごすだけでも、ストレスホルモンが大幅に減少したと報告されています。
実際に成功例として報告されているので、ぜひ参考にしてみてください。
マインドフルネス瞑想をする
マインドフルネスとは、今の自分に意識を集中させ、ありのままの自分を受け入れる心のあり方です。瞑想によってマインドフルネスの状態に持っていくことを「マインドフルネス瞑想」といいます。
マインドフルネス瞑想を実践すると、マイナス思考に陥っている自分に気づき、過度な心配や不安から距離を置くことができます。マインドフルネス瞑想を繰り返すと、マイナス思考の頻度を減らし、精神的に余裕を持った状態を保てるでしょう。
メンタルクリニックを受診する
マイナス思考が日常生活に支障をきたしている場合は、メンタルクリニックを受診しましょう。
マイナス思考が続くと、精神疾患に発展してしまうケースは少なくありません。早期発見・治療のためにも、早めのクリニック受診がおすすめです。ぜひ本記事に書いてある症状を、受診基準の参考にしてみてください。
まとめ:マイナス思考が止まらない場合はメンタルクリニックを受診してみよう
マイナス思考とは、物事や状況を悲観的にとらえる思考パターンのことです。過去のトラウマ体験や認知の歪み、ストレスや疲労の蓄積が原因で、マイナス思考を繰り返してしまう方もいます。マイナス思考によって生活に支障をきたしている場合は、メンタルクリニックを受診してみましょう。
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