感情の起伏が激しいのは病気?原因・対処法を解説【精神科オンライン診療】

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別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
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「感情の起伏が激しい」と感じることはありませんか?

ささいなことで怒りや悲しみを感じたり、気分の浮き沈みが激しかったりすると、日常生活や人間関係に影響をおよぼすこともあります。

感情の起伏が一時的なものであれば問題ありませんが、頻繁に続く場合はストレスや体調の影響だけでなく、精神疾患が関係している可能性もあります。

この記事では、感情の起伏が激しくなる原因や考えられる病気、対処法について詳しく解説します。


感情の起伏が激しいとはどんな状態?

感情の起伏が激しいとはどんな状態?

「感情の起伏が激しい」とは、気分や感情が短時間で大きく変動しやすい状態を指します。たとえば、ささいな出来事で強い怒りや悲しみを感じたり、突然テンションが上がって興奮したりすることが特徴です。こうした状態が続くと、自分の感情をコントロールすることが難しくなり、人間関係にも影響をおよぼすことがあります。

一時的な感情の波であれば問題ありませんが、日常生活に支障をきたす場合は注意が必要です。ストレスやホルモンバランスの影響で一時的に起こることもありますが、精神疾患の一症状として現れるケースもあるため、必要に応じて専門医の診察を受けましょう。


感情の起伏が激しい人の特徴

感情の起伏が激しい人の特徴

感情の起伏が激しい人には、いくつかの特徴があります。具体的には、ささいな出来事で気分が大きく変わったり、感情をコントロールするのが難しかったりすることが多いです。

感情の起伏が激しい人の具体的な特徴について、詳しく見てみましょう。


自分の感情をコントロールしにくい

感情の起伏が激しい人は、自分の感情を抑えることが難しく、突発的な怒りや悲しみに流されやすい傾向があります。「冷静になりたい」と思っても、一度高ぶった感情をなかなか抑えられず、後から後悔することも少なくありません。

また、衝動的な発言や行動をとってしまい、人間関係にトラブルを招くこともあります。感情をうまくコントロールできないと、ストレスが溜まりやすく、精神的な負担が大きくなることもあります。


小さなことでも感情が動きやすい

感情の起伏が激しい人は、ささいな出来事にも大きく反応しやすく、ちょっとした言葉や態度で気持ちが揺れ動くこともあるでしょう。たとえば、友人の何気ない一言に深く傷ついたり、仕事での小さなミスを必要以上に引きずったりする場合もあります。

反対に、ちょっとした嬉しい出来事で気分が急に高まり、周囲が驚くこともあります。日常のストレスや刺激に対して敏感であり、安定した精神状態を維持するのが難しいかもしれません。


環境や人間関係の影響を受けやすい

感情の起伏が激しい人は、周囲の雰囲気や人の態度に強く影響を受ける傾向があります。たとえば、職場や家庭の雰囲気が悪いと気分が沈み、逆に周囲が明るいと自分も元気になるなど、環境に敏感に反応するでしょう。

また、人の評価や言動を気にしすぎる傾向があり、否定的な言葉を受けると落ち込みやすい特徴があります。とくに、自分に対する批判や無視されることに過剰に反応し、不安や怒りを感じることもあります。


思い込みが激しい

感情の起伏が激しい人は、一度ネガティブな考えにとらわれてしまうことが多いです。たとえば「自分は嫌われている」と思い込むと、相手の何気ない態度や言葉も悪い方向に解釈してしまいます。

また、過去の経験をもとに「また同じことが起こるに違いない」と決めつけてしまい、不安や怒りを自ら増幅させ、ストレスや対人関係の悪化を招く場合もあります。


感情の起伏が激しい人の特徴 まとめ




感情の起伏が激しい原因は?

感情の起伏が激しい原因は?

感情の起伏が激しくなる原因はさまざまですが、主に精神的なストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化などが影響します。また、もともとの性格や特性が関係することもあるでしょう。

感情の起伏が激しい原因について詳しく解説します。


精神的なストレス

過度なストレスを抱えると、自律神経のバランスが崩れ、感情の起伏が激しくなることがあります。とくに仕事や人間関係のプレッシャーが続くと、些細なことでも怒りや悲しみを感じやすくなるでしょう。

ストレスがたまると、脳内のセロトニン(幸せホルモン)の分泌が低下し、気持ちを安定させる力が弱まります。慢性的なストレスは不安やイライラを引き起こすため、適切なストレス発散方法を見つけることが大切です。


生活習慣の乱れ

睡眠不足や食生活の偏りは、脳の働きに影響を与え、感情のコントロールを難しくします。たとえば、十分な睡眠がとれていないと、脳の疲労が蓄積し、ささいなことで怒りやすくなります。

また、糖分やカフェインの過剰摂取は、血糖値の急激な変動を引き起こし、気分の浮き沈みを激しくする可能性があるでしょう。さらに、運動不足もストレス発散の機会を減らし、気分の不安定さを助長することがあります。


ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスは感情の起伏に大きく影響を与えることがあります。とくに女性は生理周期や妊娠、更年期などでホルモンバランスが大きく変動するため、男性よりも気分が不安定になりやすいです。

また、ストレスが増えると、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が過剰になり、感情のコントロールが難しくなることもあります。


本人の特性

生まれつき感受性が強い人は、周囲の刺激に敏感で、感情の起伏が激しくなりやすい傾向があります。たとえば、他人の言葉や態度に過剰に反応し、必要以上に落ち込んだり、怒ったりすることもあるでしょう。

また、完璧主義や他人の評価を気にしすぎる性格の人は、思い通りにいかないと強く落ち込んだり、イライラしたりする方もいます。


感情の起伏が激しい原因は?




感情の起伏が激しい場合に考えられる6つの病気

感情の起伏が激しい場合に考えられる6つの病気

感情の起伏が激しい状態が続く場合は、性格や一時的なストレスだけでなく、精神疾患が関係しているかもしれません。とくに気分の浮き沈みが極端な場合は注意が必要です。

感情の起伏が激しい場合に考えられる6つの病気について解説します。「自分の症状についてもっと詳しく知りたい」という方は、症状チェッカーもご利用ください。
症状チェッカー


双極性障害

双極性障害は、気分が極端に高くなる「躁状態」と、強い落ち込みが続く「うつ状態」を繰り返す病気です。躁状態では、異常にハイテンションになり、衝動的な行動をとることが多くなります。一方で、うつ状態では何もやる気が起きず、自己否定的な思考が強まることが特徴です。

双極性障害は感情の起伏が大きいため、仕事や人間関係に影響をおよぼしやすく、適切な治療を受けることが重要です。


うつ病

うつ病は、強い悲しみや無気力が続き、日常生活に支障をきたす精神疾患です。気分の落ち込みが長期間続き、普段なら気にならないことでも強く落ち込んだり、涙が出たりイライラしたりすることがあります。

また、集中力の低下や疲労感が強まり、仕事や家事をこなすのが難しくなるでしょう。感情の起伏が激しいと感じる場合、うつ病の可能性を考え、早めに専門医に相談することが大切です。


月経前症候群(PMS)

PMSは、生理前にホルモンバランスが変化することで、感情のコントロールが難しくなる症状です。イライラや抑うつ、不安感が強まり、些細なことで怒ったり落ち込んだりすることがあります。集中力の低下や倦怠感を感じることもあり、日常生活に影響をおよぼすことがあります。

PMSの症状には個人差があり、とくに症状が重い場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」と診断されることもあります。


更年期障害

更年期障害は、女性の閉経前後に起こるホルモンバランスの変化によって引き起こされる症状です。感情の起伏が激しくなり、突然イライラしたり、わけもなく落ち込んだりすることがあるでしょう。

また、更年期障害では、ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れ、不眠や動悸、発汗などの身体的な症状をともなうこともあります。


注意欠如・多動性障害(ADHD)

ADHDの人は、衝動的な行動をとりやすく、感情のコントロールが苦手な傾向があります。思ったことをすぐに口に出したり、興味のあることに夢中になったりする一方で、飽きやすく、気分が急に変わることもあるでしょう。

また、ストレスに対する耐性が低く、ささいなことでイライラしたり、感情が爆発したりすることもあります。


境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の方は、感情が極端に不安定で、対人関係において激しい怒りや不安を感じやすい傾向にあります。とくに見捨てられることへの恐怖が強く、関係が悪化すると極端な反応を示すことがあります。

また、自己評価が揺れ動きやすく、短期間で気分が大きく変化するのも特徴です。


感情の起伏が激しい場合に考えられる6つの病気




感情の起伏を抑えるための7つの対処法

感情の起伏を抑えるための7つの対処法

感情の起伏が激しい状態が続くと、ストレスがたまりやすく、人間関係にも影響をおよぼすことがあります。

しかし、適切な対処法を取り入れることで、感情のコントロールは可能です。以下に、感情の起伏を抑えるための具体的な方法を7つご紹介します。


深呼吸をする

感情が高ぶったときに深呼吸をすることで、自律神経が整い、気持ちを落ち着かせることができます。ゆっくりと息を吸い込み、数秒間止めてからゆっくりと吐き出す呼吸法が効果的です。

腹式呼吸を意識すると、副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。怒りや不安を感じたときは「4秒吸って、4秒止めて、8秒かけて吐く」呼吸法がおすすめです。

ストレスを感じたときや感情が爆発しそうになったときは、深呼吸を取り入れてみましょう。


マインドフルネスを取り入れる

マインドフルネスとは「今、この瞬間」に意識を集中する瞑想法です。感情の起伏が激しい人は、過去の失敗や未来の不安にとらわれがちですが、マインドフルネスを実践することで、感情を客観的に受け止めやすくなります。

簡単なマインドフルネスの方法として、深呼吸をしながら呼吸に意識を向けたり、周囲の音や感覚を丁寧に観察することから始めるとよいでしょう。毎日の生活の中で数分でも取り入れることで、感情の波を落ち着かせ、ストレスを軽減できます。


生活リズムを整える

規則正しい生活を送ると、感情の安定につながるでしょう。とくに食事の時間を一定にすることで、血糖値の乱高下を防ぎ、イライラしにくくなります。

また、朝起きる時間と寝る時間を一定にすることで、自律神経のバランスが整いやすくなるでしょう。

生活リズムが乱れるとストレスがたまりやすくなるため、まずは毎日の習慣を見直してみることが大切です。


睡眠の質を上げる

睡眠不足は、感情のコントロールを難しくし、イライラや不安を引き起こしやすくなります。寝る前にスマホやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えることが大切です。

また、就寝前にカフェインを摂取せず、適度な運動を取り入れるなど、睡眠の質を向上させる工夫をするとよいでしょう。


適度な運動でストレスを発散する

軽い運動をすることで、ストレスを軽減し、気分を安定させる効果があります。とくにウォーキングやヨガなどの運動は、副交感神経を刺激し、リラックスしやすくなるためおすすめです。

運動をすると、脳内のセロトニン(幸福ホルモン)の分泌が促され、感情のコントロールがしやすくなります。また、運動によって血流が改善され、脳の働きが活性化するため、ストレス耐性も上がります。


感情を書き出して整理する

自分の気持ちをノートに書き出すことで、感情を整理し、冷静に受け止めることができます。怒りや悲しみをそのまま抱え込むのではなく、文字にして客観的に見つめることで、感情のコントロールがしやすくなるためです。

何が原因で感情が揺れ動いたのか、そのときの考え方や感じたことを記録すると、自分の感情のパターンを把握し、対処法を見つけられるでしょう。


精神科オンライン診療を受診する

感情の起伏が激しく、日常生活に支障をきたす場合は、医師の診察を受けるのも1つの方法です。オンライン診療を活用すれば、自宅にいながら気軽に相談でき、適切なアドバイスや治療を受けられます。

とくに地理的な制約があって対面での受診が難しい方や、忙しくて時間が取れない方にとって、オンライン診療はとても便利でしょう。また、精神科への通院に抵抗がある方や「受診しているところを誰かに見られたくない」という方にもおすすめです。

感情の起伏が激しい状態が長引く場合は、専門家の意見を参考にしながら、適切な対策を講じましょう。必要に応じて、薬物療法やカウンセリングが提案されることもあります。

感情の起伏を抑えるための7つの対処法


まとめ:感情の起伏が激しい人は精神科オンライン診療に相談してみよう

まとめ:感情の起伏が激しい人は精神科オンライン診療に相談してみよう

感情の起伏が激しい原因には、精神的なストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化などが関係しています。また、双極性障害やうつ病などの精神疾患が影響している可能性もあるため、感情の浮き沈みが長く続く場合は注意が必要です。


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