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認知症の種類、症状について解説
認知症とは
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「認知症」とは、さまざまな脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下したり死滅したりすることで、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたしている状態と定義されています。
65歳以上の約五分の一が認知症
認知症の有病率は年齢とともに急峻に高まることが知られています。
現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています。
日本は世界一の長寿国であり、認知症と共に生きる高齢者の人口は今後も増加し、2025年には高齢者の5人に1人、国民の17人に1人が認知症になると予測されています。
このように、近年認知症は誰にもなりうる病気であると考えられています。
認知症の主な症状

認知症の症状は種類によって異なりますが、代表的な症状について解説していきます。
記憶障害
認知症の最も一般的な症状の一つは、短期記憶および長期記憶の障害です。
患者さんは過去の出来事や日常の情報を思い出すのが難しくなります。
さっき話したことを忘れて、何度も同じ話を繰り返したり、物をしまった場所や約束を忘れたりします。
火の消し忘れ、薬の飲み忘れなどのリスクもあります。
注意障害
注意力や集中力が低下し、同時に二つのことがしづらくなります。さらに外部の刺激や情報に対する注意を維持できなくなります。
これにより、日常のタスクや活動が困難になることがあります。判断力に影響を及ぼすこともあります。
見当識障害
当たり前のことがわからなくなります。今日が何月何日か、ここがどこかなどを聞いても答えられません。
見当識障害は患者のケアや治療を難しくする要因の一つであり、しばしば家族や介護者にとっても課題となります。
患者が自身の病状を認識しづらいため、治療やリハビリテーションへの協力が得られないことがあります。
人格の変化
突然怒りっぽくなったり、不安、興奮、怒り、抑うつなどの情緒の波が現れ、短期間で急激な感情の変化が見られたりすることがあります。
認知症の人格変化については、患者の家族や介護者にとって理解しやすいように支援や情報提供が行われることが重要です。

知っておきたい認知症の初期症状

早期発見のために、特に知っておきたい変化を挙げていきます。
怒りっぽくなる
家庭や会社の中で優しかったのに、人の意見を全く聞かなくなったり、とても怒りっぽくなったりするなど、急に性格が変わったように思えたら要注意です。
こうした場合は、ピック病(前頭側頭型認知症)の可能性が高いです。ピック病は40〜50代の比較的若い状態でも発症するのが特徴です。
自分のものを盗まれたと思い込む
認知症の症状の中で、妄想という症状は非常に特徴的で、様々な形で妄想が現れてきます。
よくある妄想が、自分の財布や宝石が見つからない時に、息子や娘がそれを盗んだと疑ってしまうことです。
これを医学用語で「物盗られ妄想」と呼びます。認知症の人の多くの人は、その自覚がありません。
一方で、認知症のせいで自分のものを置いた記憶が全くないので、「ここにあったものがないわけがない」と、頭の中で辻褄が合わなくなります。
その辻褄を合わせるために、誰かが盗んだんだと、脳が勝手に思い込んでしまうのです。
他にも、いつかひとりぼっちになってしまうのではないか、という孤独に対する不安がある女性は、旦那さんがヘルパーさんと話しているだけで、浮気しているに違いないと思い込んでしまう「嫉妬妄想」などの例もあります。
見えないものが見える
実際にはありもしない幻が見えてしまうことがあります。
これを医学用語で「幻視」と呼びます。
「幽霊がいた」と思ってしまうこともあります。これはレビー小体型認知症の特徴です。
幻覚にしてはあまりにも鮮明に見えてしまうため、幻覚であることに自覚はあっても、かえって混乱してしまうことも多いです。
家族が幻が見える、と訴えていたら、幽霊のせいにせずに、認知症の可能性を考えましょう。
やったこと自体を忘れる
もの忘れ自体は、年をとるにつれて老化現象として誰にでも起こることです。
しかし、認知症による記憶障害は、「ご飯を食べたこと」「友人と会ったこと」など、その行為自体を忘れてしまうのです。
そのため、ご飯を食べたのにご飯はまだか?と何度も聞きに行ったり、郵便局に行ったのにもう一度出かけに行ったりなど、同じ行動をとってしまいます。
料理の味が不味くなる
認知症の人は事前に順番を決めて順序立てて作業を行うことができないことがあります。
これを医学用語で「遂行機能障害」と呼びます。
これにより、家事をする順番が分からなくなり部屋がめちゃくちゃになったり、料理の順番が分からなくなってしまい、食事が美味しくなくなることがあります。

四大認知症の種類とその特徴

認知症の原因となる脳の病気はさまざまですが、その中でも代表的な四つの認知症が、アルツハイマー型・脳血管性・レビー小体型・前頭側頭型認知症です。
これらを四大認知症とよび、これらは全認知症患者全体の90%以上を占めていると言われています。
アルツハイマー型認知症が最も多く、血管性認知症とレビー小体型認知症がこれに次ぐことが知られています。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳の中に不要なタンパク質が溜まってしまうことで発症します。
それによって、神経細胞が変性し死滅して、脳の海馬や頭頂葉などの部分に萎縮が起こってきます。
具体的な症状としては、記憶障害から始まり、見当識障害などが出てきます。一般的にイメージされる認知症の症状です。
アルツハイマー型は、認知症の種類の中で最も多い対応であり、一般的に女性に多いと言われています。初期段階に治療することで、進行のスピードを遅らせることができます。
血管性認知症
脳梗塞や、脳卒中、くも膜下出血など、血管性の疾患が原因で発症します。
病気によって脳の血管が詰まってしまい、十分な酸素を供給できなくなることで、脳細胞が死滅してしまいます。主な症状としては、記憶障害や判断力障害が挙げられます。
レビー小体型認知症
男性の発症率が高く、女性の二倍と言われています。
レビー小体と呼ばれるタンパク質が、脳の重要な場所に集まることで発症します。
レビー小体は、脳の神経細胞に集める特殊なタンパク質で、集積することで神経細胞を破壊してしまいます。
アルツハイマー型や脳血管性認知症と違い、初期段階では、物忘れよりも、現実にはないものが見えてしまう幻視や誤認妄想などの症状が先に出てきます。
前頭側頭型認知症(ピック病)
前頭側頭型認知症は、前頭葉と側頭葉が萎縮し、血液の流れが滞ることで発症し、難病指定されている認知症です。
前頭葉は思考や感情のコントロール、側頭葉は言葉の理解や聴覚、味覚などの働きを持ち、どちらも人格を形成するうえで重要な役割を担っています。
そのため、初期症状として認知症の一般的な症状である物忘れよりも、性格の変化や異常行動が先に出てきます。
情緒不安定になったり、身なりが不潔になってきたりします。
本人に人格が変わった自覚がないことも多く、病院に行ってもらうのも一苦労です。
もしご家族がピック病かもしれない時、「認知症かもしれないから病院に行こう」とはっきりというのではなく、「私と一緒に脳の健康診断を受けてほしい」と言って、自然な形で病院に行くのを誘うことが重要です。
本人のせいではなく、ピック病という認知症のせいで人格に影響が出たということを、周りの人に知ってもらうようにすると、本人にも周りにとっても良いでしょう。

認知症の治療法

主な治療として、症状の進行を遅らせたり、併発するうつ症状や、睡眠障害といった症状を治療したりするのが一般的です。
もの忘れは認知症以外でももの忘れは起きますし、治療によって良くなる認知症というものもあるため、医師による相談は重要です。
抗認知症薬
厚生労働省は日本とアメリカの製薬会社が共同で開発したアルツハイマー病の原因物質に直接働きかける新薬について、2023年9月に、正式に承認しました。
承認されたのは、日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した認知症の原因の1つアルツハイマー病の新しい治療薬である「レカネマブ」です。
アルツハイマー病の患者の脳にたまる「アミロイドβ」という異常なタンパク質を取り除くことができ、症状の進行を抑えることが期待されています。
「エーザイ」が厚生労働省に承認申請を行い、8月開かれた専門家部会で使用が了承されたことを受けて、厚生労働省が25日正式に承認しました。
アルツハイマー病の原因物質に直接働きかけ取り除くための薬が国内で承認されるのは初めてです。
薬が使われる対象は認知症を発症する前の「軽度認知障害」の人や、アルツハイマー病の発症後、早い段階の人となっています。
一方、現在保険適用されている抗認知症薬として、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬があります。
これらは、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の中核症状を抑制することがわかっています。
併発症状の治療
睡眠導入剤や、抗不安剤、抗精神病剤、抗てんかん剤といった薬剤を用いて、認知症に併発する精神疾患の治療を行うことがあります。
手術
慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・脳腫瘍といった病気による認知症は、手術を行い原因となる疾患を取り除くことにより、治療することができます。
脳外科手術による根本的な病気の治療により、認知症も回復することが多く見られます。
非薬物療法
薬を使わない非薬物療法は、認知症の進行や根本的な治療を目的に行うものではありません。
ただし、脳の活性化による不安・無気力・うつ症状といった周辺症状に対する大きな効果が期待されています。
回想法や認知リハビリテーション、認知トレーニングなどの療法が行われます。

認知症についてのまとめ
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ここまでの記事で特に重要なポイントをまとめていきます。
- 「認知症」とは、さまざまな脳の病気により、社会生活に支障をきたしている状態で、65歳以上の17%以上が発症すると言われている
- 大事な初期症状としては、「怒りっぽくなる」「自分のものを盗まれたと思い込む」「見えないものが見える」「料理の味が不味くなる」「やったことを忘れる」などがある
- 4大認知症として、「アルツハイマー病」「脳血管型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」が重要な認知症である
- 主な治療として、症状の進行を遅らせたり、併発するうつ症状や、睡眠障害といった症状を治療するのが一般的
認知症の診察を受ける場合には、認知症の診断を行っている脳神経外科・脳神経内科・精神科・心療内科などを受診するのが一般的です。
また、診察を行っている医療機関が見つからない場合には、自宅の近くにある地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
一部を除いて、認知症は完治する病気ではないと言われていますが、進行を遅らせることが可能です。
認知症の初期症状を知っておくことで、早期から適切な対策を行なっていくことで、10年後、20年後まで一緒に過ごせるようになるのです。
自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認してみましょう。
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