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依存症の原因や治し方について解説
依存症とは
依存症とは、「分かってはいるけどやめられない」という心の病のことを指します。
代表的なものとして、アルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存、ネット依存、性依存などがあります。
代表的な依存症であるアルコール依存の患者数は10万人を超え、潜在的なアルコール依存症者数は約57万人といわれています。
さらにギャンブル等依存が疑われる人は約70万人に上ると言われています。
「趣味」と「依存症」は違う?
趣味と依存症の違いとして、趣味は気分をリフレッシュできるもので、社会生活に悪影響を及ばさないものであるのに対し、依存症の兆候が出始めると、日常生活に支障をきたすようになります。
依存症になると、自分で自分の思考がコントロールできなくなります。時間やお金を過度に浪費したり、他人を傷つけたり、法を犯したりするようになります。
そして自分が依存している対象以外に喜びや幸せを感じられなくなってしまうのです。この状態にまでなってしまうと、自分の力だけでそれを治すのは極めて困難になってしまいます。
依存症の特徴

以下の特徴が当てはまっている場合は依存症である可能性が非常に高くあります。
強迫性がある
「やめたいと頭では思っているのにやめられない」と、苦しんでしまうことがあります。
その行為を行わないと不安やストレスが増大し、その不快感を軽減するために行動が繰り返されます。
強迫性障害(OCD)は、強迫性の典型的な例であり、個人が不合理な不安や恐れに対処しようとして強制的な行動や儀式を行いますが、依存症でも現れることが知られています。
反復性がある
依存性のある行動や物質の使用を停止したり、制御しようと試みても、再びその行動や物質を取り戻そうとすることがあります。この反復性は、依存症からの完全な回復を難しくする要因の一つです。
衝動的な意欲
依存性がある行動や物質に対する衝動は、即時的な報酬を求めることが特徴的です。
依存性がある行為に対する長期的なリスクやその後の後悔を考慮せずに、衝動に従って行動することがあります。
依存症の衝動性が高まると、判断力が低下し、合理的な意思決定が難しくなります。
そのため、社会的な問題(関係の崩壊、仕事の喪失など)や法的問題(違法行為、逮捕など)が引き起こされることになります。
執拗な執着
その行動に没頭し、他の生活活動を犠牲にしてしまいます。
依存症に関連する問題を秘密にし、他人に知られないようにすることもあります。薬物などに対する依存に対しては、依存物質を入手するために時間や労力を多く費やします。

依存症の原因は?
私たちの脳は、神経細胞の伝達物質のやり取りによって正常に働いています。
その伝達物質の一つであるドパミンは、快楽や報酬を感じると、大脳辺縁系および中脳辺縁系から分泌されます。このドパミンを分泌する回路を、報酬系と呼びます。
報酬系は、大切な脳のメカニズムです。
この部分が刺激をうけると、人は強い満足感、気持ちの良さを感じます。例えば、おいしい食事を食べたときにも報酬系は刺激され、ドパミンは分泌され満足感を得ます。
このように報酬系が刺激されると、人は再び同じような満足感を得たいと思い、そのことをやろうという意欲が出ます。
このような、正常の働きの中では、報酬系により人はより生産的で、良いことを繰り返し、更には工夫を重ねてより良い形で行おうとします。
しかし、この報酬系を努力や工夫によって刺激するのではなく、もっと簡単に刺激できるようになったらどうなるでしょうか。
人は、努力をあきらめて、簡単にドパミンを得る方を求めるようになるでしょう。このように報酬系が乗っ取られてしまうと、依存症が始まっていきます。
努力をせずに、嫌なことを忘れるためにアルコールを飲んだり、覚醒剤などの違法薬物に手を出したりします。
また、物質だけでなく、買い物をしてその場の爽快感を得たり、インターネットゲームによって得られる快感を追い求めたりするようになります。
その結果、報酬系の刺激は簡単に手に入ってしまい、容易に求められる報酬系の刺激をもっと強くしようとなり、次第に正常な努力をしなくなり、それだけでなく生活そのものが障害されてしまうのです。
依存症の種類
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物質依存
アルコール、違法薬物(覚せい剤・コカイン・麻薬・大麻・アヘン・シンナー)、ニコチン、カフェインというように、一時的に伝達物質のドパミンが分泌される物質は、現実の辛い感情などを忘れさせるため、依存症を招きやすいです。
依存性のある物質の摂取を繰り返すことによって、以前と同じ量や回数では満足できなくなり、次第に使う量や回数が増えていき、使い続けなければ気が済まなくなり、自分でもコントロールできなくなってしまいます。
代表的な薬物依存症の特徴として、以下が挙げられます。
・薬物使用によって様々な医学的、社会的な問題を生じていても、薬物使用をやめない。
・逮捕によって社会的な問題となり社会復帰できない可能性があるリスクがわかっていながら、薬物をやめられないでいる。
・処方薬や市販薬などの医薬品を、本来の目的とは異なる目的で、あるいは、本来指示されたより遥かに多い服用量・頻度で使用し、そうした医薬品を入手するために多くの時間と費用を使っている。
行動への依存
代表的なものには、ギャンブル依存症、食事や食べ物に関する摂食障害、性依存症、ゲーム依存症、インターネット依存症などがあります。行為の結果(勝ち負け)などにあまりその後の行為が影響されることはなく、その行為自体を目的としています。行為後は後悔することが多いですが、時間が経つと無意識に欲求が湧いてきます。
代表的なギャンブル依存症の特徴として、以下が挙げられます。
・ギャンブルをするときには予算や時間の制限を決めない、決めても守れない。
・ギャンブルに勝ったときに、「買ったお金を次のギャンブルに使おう」という発想になる。
・ギャンブルをした、していることを友人や家族に隠す。
・ギャンブルに負けたときに、「ここでやめよう」と諦めるのではなく取り返したいと思う。
他人への依存
恋愛関係や友情において、相手からの承認や愛情を過度に求める傾向を指します。この状態にある人は、相手が自分を愛していることを確認し続けるために、自己評価が他人の評価に大きく依存しています。その結果、その相手にしがみつくか、支配しようとするという上下関係で繋がります。
いずれにも共通していることは、繰り返す、より強い刺激を求める、やめようとしてもやめられない、いつも頭から離れないなどの特徴がだんだんと出てくることです。

依存症を治すには

一度依存症を患ってしまうと、報酬系のシステムが異常を起こしてしまっているため、完全に脱却することは不可能であると言われています。
しかし、様々な助けを借りながら、行為を避け続けることで飲酒や薬物使用、ギャンブルなどに頼らない生き方をしていくことは可能です。
依存症は糖尿病や高血圧のような慢性疾患といわれています。そのため、しっかりとした付き合い方が大切です。
依存症を自覚
依存症は否認しやすい病気と言われています。自分は依存症ではないと認めたくない人が多く、まずは自分が依存症になっていることを認識する必要があります。
依存症を1人で治すことは非常に困難なため、精神科や専門家に相談するようにしましょう。自助グループに参加するという方法もあります。
物理的に環境から離れる
依存している行為によって様々ですが、それを行わない環境を整えていきます。例えば、アルコール依存の場合家にお酒を置かない、酒屋の前を通らない、ゲーム依存だと、コントローラーをゴミ箱に捨てて、テレビのケーブルを抜いてしまう、など物理的にその行為ができないようにしてあげます。
時間を制限する
その行為を行う時間を1日に一回、1週間に一回、一ヶ月に一回など、決まった頻度だけに制限することによって行為の量を減らします。
何月何日になれば、や自分の決めたゴールに達したら、自分の好みのものが報酬としてやってくる、と言い聞かせると正常に報酬系のために努力できるようになります。
報酬を得る頻度を徐々に減らしていくと良いでしょう。
認知行動療法
最近だと、精神療法の方法として、思考や行動のパターンを見直し、修正する「認知行動療法」が取り入れられるようになってきました。
患者さんの認知、つまり考え方と行動を同時に見直す治療法です。
認知行動療法では、これまでのお酒に対する認知(見方や考え方、価値観)を患者さん自身で検討し、その認知を変えていくことで、これからの行動や生活を改善するよう目指します。
グループで話し合いながら、患者さん自身に「認知のかたより」を自覚してもらうことで、断酒の意欲を向上させます。
その中で、患者さんは断酒を継続する目的や、飲酒を防ぐ方法などについて考えを深めていくことができるようになります。
依存症は、先述のように「反復性」という性質を持つため、治療の過程の中で、物質の使用や特定の行動をやめたり減らしたりできていたとしても、些細なきっかけで再使用してしまうことがあります。これは本人の意識の問題ではありません。
そのため、もし再発してしまったとしても、あきらめず、再び治療を始めることが非常に重要です。

依存症のまとめ
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ここまでの記事の内容をまとめていきましょう。
・趣味は気分をリフレッシュでき、社会生活に悪影響を及ばさないものであるのに対し、依存症の兆候が出始めると、日常生活に支障をきたすようになる依存症になると、自分で自分の思考がコントロールできなくなり、時間やお金を過度に浪費したり、他人を傷つけたり、法を犯したりするようになる
・依存症の代表的な特徴として、「強迫性」「反復性」「衝動性」「執着性」が挙げられ、これらが当てはまっている場合、要注意である
・快楽を得ると分泌される神経伝達物質をドパミンと呼び、ドパミンを分泌するシステムを報酬系とよぶ。ドパミンを簡単に得られる環境に身を置いてしまうと、報酬系が乗っ取られてしまい、依存症が始まっていく
・依存症の種類には、薬物やアルコールなどの物質に対する依存、ギャンブルや性行為などの行為に対する依存、他者への依存という三つに大きく分けられる
・依存症を治すためには、まず依存症であることを自覚して、物理的にその行為ができない環境へと身の回りを変えていき、頻度や時間を徐々に減らしていくことから始めていく必要がある
依存症の最大の問題は、身体的、精神的、社会的、経済的な安定を失うことにあります。
一刻も早く回復したい病気ですが、何度もいうように1人では中々治しづらいのが現実です。
精神科などの専門医療機関やお近くの保健所、精神保健福祉センターといった行政機関に相談し、専門家から適切なアドバイスを得ながら回復に向かうのが良いでしょう。
また、依存症の問題を抱えた人同士でミーティングや情報交換を行いながら、回復を目指していく自助グループに参加するという方法やリハビリ施設を利用するのも良い方法です。
自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認してみましょう。
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