過食症の症状・治療法とは?悩んでいる方は医師へご相談を【精神科オンライン診療】

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
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「ストレスが溜まると過食してしまう」「食べたり吐いたりを繰り返してしまう」といった悩みはありませんか?

もしこのような症状で悩んでいる場合、過食症の可能性があります。過食症はさまざまな要因が重なって発症し、身体と心に悪影響をおよぼします。過食症の早期発見・治療には、精神科オンライン診療が有効です。


この記事では、過食症の症状、原因、オンライン診療での治療法について解説します。



過食症とは

過食症とは

過食症の定義や症状、ほかの摂食障害との違い、身体と心に与える影響について解説します。


どんな症状?

過食症(神経性過食症)は、繰り返される過食エピソードと、それにともなう不適切な代償行為を特徴とする摂食障害です。主な症状には以下があります。

⚫︎短時間で大量の食事を摂取する

⚫︎食べることをコントロールできない

⚫︎体重増加を防ぐための不適切な代償行為(自己誘発性嘔吐、下剤の乱用、過度の運動など)を繰り返す

⚫︎体型や体重に対する過度に懸念する

過食症の患者さんは、これらの行動を定期的に(週に1回以上)繰り返し、少なくとも3ヶ月以上続けることが診断基準となっています。



ほかの摂食障害との違い

過食症と神経性無食欲症(拒食症)の主な違いは以下のとおりです。

⚫︎神経性無食欲症(拒食症):極端な食事制限や拒食が特徴で、過食エピソードはありません。

過食症は過食エピソードと不適切な代償行為の両方が存在するのが特徴です。



身体と心へ与える影響

過食症は、身体的にも精神的にも深刻な影響を及ぼします。具体的には以下のとおりです。

⚫︎身体的影響

・電解質バランスの乱れ(とくに自己誘発性嘔吐による)

・歯のエナメル質の損傷

・消化器系の問題(胃酸逆流、胃潰瘍など)

・栄養不足や脱水

・月経不順や不妊

⚫︎精神的影響

・低い自尊心と自己評価

・抑うつ症状

・不安障害

・物質乱用のリスク増加

・対人関係の困難

過食症の治療では、身体と心の両方の症状に対してアプローチします。




身体と心に与える影響




過食症の原因と発症しやすい人

過食症の原因と発症しやすい人

過食症の原因と発症しやすい人について見ていきましょう。



心理的要因

過食症の発症には、以下のような心理的要因が関与していると考えられています。

⚫︎完璧主義傾向

⚫︎低い自尊心

⚫︎ボディイメージの歪み

⚫︎感情調整の困難

⚫︎トラウマ体験・虐待の経験

⚫︎兄弟姉妹・友人間での葛藤

⚫︎ストレス耐性の不足

これらの要因が複合的に作用し、食行動の異常につながります。




社会文化的要因

社会や文化的背景も過食症の発症に影響を与える可能性があります。

⚫︎メディアによる痩身理想の強調

⚫︎ダイエット文化の浸透

⚫︎外見至上主義的な価値観

⚫︎家族や友人からのプレッシャー

とくに10〜20代の若い女性が影響を受けやすいとされていますが、近年は男性や中高年の患者さまも増加傾向にあります。




生物学的要因

過食症には遺伝的な要因や脳の機能異常が関与している可能性も指摘されています。

⚫︎摂食中枢と満腹中枢の機能異常

⚫︎ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の不均衡

⚫︎報酬系の機能異常

⚫︎遺伝的素因(双子研究などから示唆)

これらの生物学的要因が、環境要因と相互作用して発症リスクを高める可能性があります。




発症しやすい人の特徴

過食症の高リスク群(過食症になりやすい因子を持つ人)の特徴は、以下のとおりです。

⚫︎若年女性(とくに思春期から青年期)

⚫︎ダイエット歴がある人

⚫︎スポーツ選手や舞台芸術家など、体型管理が求められる職業の人

⚫︎完璧主義的な性格傾向を持つ人

⚫︎過去に摂食障害の既往がある人

⚫︎摂食障害の家族歴がある人

これらの特徴を持つ人々は、過食症の発症リスクが高いため、早期の介入や予防的アプローチが重要です。




過食症になりやすい因子を持つ人の特徴




過食症に対するオンライン診療の実際

過食症に対するオンライン診療の実際

過食症の患者さんに対して、実際に行っているオンライン診療の内容について見ていきましょう。



初診と評価プロセス

オンラインでの過食症の初診と評価は、以下のプロセスでおこなわれます。

⚫︎オンライン問診票の記入

⚫︎ビデオ通話による医師との初回面談

⚫︎標準化された評価尺度の実施(オンラインフォーム)

⚫︎必要に応じて、身体的検査のための対面診療の手配

⚫︎診断結果と治療計画の説明

初診では、患者さんの症状の重症度、併存疾患の有無、治療への動機づけなどを総合的に評価します。

オンライン診療の初診は、対面診療と比べて予約が取りやすいのが特徴です。土日祝日や夜間診療にも対応している場合が多いため、通院する時間が取れない方も受診しやすいでしょう。


初診と評価のプロセス




認知行動療法

オンラインでの認知行動療法(CBT)は、以下のような方法で実施されます。

⚫︎定期的なビデオセッション(週1回、45~60分程度)

⚫︎オンラインワークブックやエクササイズの活用

⚫︎デジタル食事日記アプリの使用

⚫︎チャットやメールによる日々のサポート

⚫︎グループセッションのためのビデオ会議ツールの活用


オンラインCBTでは、対面療法と同様の内容をカバーしつつ、デジタルツールを活用して効果的に進めます。




栄養指導と食事療法

オンラインでの栄養指導と食事記録は、以下のような方法でおこなわれます。

⚫︎ビデオ通話による栄養士との定期的な面談

⚫︎デジタル食事記録アプリの活用

⚫︎写真による食事内容の共有

⚫︎オンラインでの食事計画の作成と調整

⚫︎栄養教育のためのオンラインセミナーや動画コンテンツの提供


栄養指導や食事療法は、患者さんに継続してもらい、少しずつ生活習慣を改善するのが目的です。継続が重要であり、たとえばオンラインでの指導は自宅にいながら受講できるので継続しやすいかもしれません。自分にあった方法で継続することが大切です。




心理療法

心理療法では、過食の引き金となっているものは何か、自分を見つめなおすことから始めます。主治医との面談やカウンセリングなどを通して、治療者と一緒におこないます。

過食の引き金は人によってさまざまです。具体例として、以下のケースが挙げられます。

⚫︎仕事や日常生活でストレスが溜まったとき

⚫︎トラウマ体験を思い出させる場面にあったとき

⚫︎過食症以外の精神疾患や発達障害による生きづらさを感じたとき


過食の引き金を見つけたら、それらに対処する方法を身につけていくことが大切です。




薬物療法

過食症の患者さんに対して、抗うつ薬や抗精神病薬、気分安定薬などを使うこともあります。とくにうつ状態がひどいときや衝動性が強いときなどに処方する場合が多いです。過食症のほかに精神疾患や身体疾患がある場合は、その病気に対する薬を処方します。

一つの研究によると、抗うつ薬の一種であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、過食嘔吐を減らす効果があると報告されています。

しかし、長期的な効果があるかどうかは不明で、薬物だけでの治療は難しいと考えられているのが現状です。



認知行動療法・栄養指導と食事療法・心理療法・薬物療法




オンライン診療で過食症治療を受けるときの注意点

オンライン診療で過食症治療を受けるときの注意点

オンライン診療で過食症治療を受けるときの注意点を紹介します。


対面診療をすすめられることがある

問診や診察で、医師から対面診療をすすめられる場合があります。対面診療をすすめられた場合、どのような病院やクリニックに行けばよいかを医師に相談しましょう。



緊急時の対応計画をしておく

過食症の治療中に緊急事態が発生する可能性も考慮し、以下のような対応計画を立てておくことが重要です。

⚫︎緊急連絡先の共有:主治医の緊急連絡先や、地域の救急医療機関の情報を手元に用意しておきましょう。

⚫︎信頼できる人の同席:可能であれば、緊急時に対応できる信頼できる人に近くにいてもらうことを検討してください。

⚫︎症状悪化時の対応手順:急激な症状悪化時の対応について、事前に主治医と相談し、手順を確認しておきましょう。

⚫︎代替通信手段の確保:インターネット接続が不安定な場合に備え、電話など代替の通信手段を用意しておきましょう。

緊急時の対応計画を立てておくことで、不測の事態にも冷静に対処できます。




対面診療をすすめられることがある、緊急時の対応計画をしておく




まとめ:過食症で悩んでいる方は精神科受診を

まとめ:過食症で悩んでいる方は精神科受診を

過食症は、過食エピソードと不適切な代償行為を繰り返す精神疾患です。身体と心に深刻な影響を与える病気のため、可能な限り早い段階での治療が求められます。

オンライン診療も治療選択肢になり得ますが、対面での対応が必要な場合も多く、よく医師に相談しましょう。

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