「上司と合わない」が引き起こす意外な体調不良とは?精神科でサポートできることについて解説

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事 精神保健指定医、精神科専門医、臨床精神神経薬理学専門医、老年精神医学会専門医、公認心理師、スポーツドクター
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事 精神保健指定医、精神科専門医、臨床精神神経薬理学専門医、老年精神医学会専門医、公認心理師、スポーツドクター

職場で合わない上司や苦手な上司がいると、仕事に行くのが辛くなりますよね。「上司と合わない」と感じることは珍しくありませんが、ストレスが強すぎると心身の健康に不調が出てしまうかもしれません。この記事では、上司との関係による体調不良のサインや関連する精神疾患、精神科でのサポート体制について詳しく解説します。ぜひ参考にして、あなたの健康を守るヒントにしてくださいね。



「上司と合わない」ことによる心身への影響

「上司と合わない」ことによる心身への影響

上司と合わないことでストレスが強くなり、心身の健康にさまざまな影響を与えます。ここでは、上司との関係によるストレスによる影響について説明します。


自律神経が乱れる

上司と合わないことで、長期的なストレスがかかってしまいます。このストレスは、交感神経と副交感神経のバランスを乱し、あらゆる症状を引き起こすのです。

たとえば動悸や息切れといった心臓や呼吸器系の不調・腹痛や下痢・便秘などの消化器系の不調が起こります。さらに、睡眠障害や疲労感、めまいなども起こるかもしれません。

このような症状は、日常生活に影響を与えるものですが、適切なストレス管理と生活習慣の改善によって改善が期待されます。


肩こりや肌荒れにつながることも

長期的にストレスがかかることで筋肉がこわばり、頭痛や肩こり・腰痛などの症状が現れやすくなります。また、緊張した状態が続くことで、胃酸の過剰な分泌や消化機能の低下などが起こるかもしれません。

さらに、ストレスは内臓だけでなく皮膚にも影響します。アトピー性皮膚炎の人は肌の調子が悪くなったり、にきびや吹き出ものが増えたりするのです。これらはどれも生活に大きく関係しますが、適切なストレス管理によって症状の軽減が期待できます。


「上司と合わない」ことによる心身への影響 まとめ




心の不調が身体に現れる

心の不調が身体に現れる

心の不調と身体の健康にはつながりがあります。たとえば、ストレスによる不安や憂うつな気持ちにより夜間の睡眠が浅くなり、疲れがとれず仕事に集中できない可能性があるのです。

また、精神的な不調は免疫を弱め、風邪や感染症にかかりやすくなったり、持病が悪化したりする可能性があります。体調不良が続くことで精神的な不調が悪化し、不安や抑うつ感が強くなる場合もあるでしょう。

このように、上司と合わないことによるストレスは、心身の健康に大きな影響を与えます。早めに問題を認識し、適切な対策をおこなうことが重要です。



見逃しがちな体調不良のサイン

見逃しがちな体調不良のサイン

上司と合わないことによるストレスは、さまざまな体調不良として現れますが、日常生活の中で見逃しがちです。ここでは、とくに注意すべき体調不良のサインについて詳しく説明します。


夜眠れない

夜、十分に眠れないことは、体調不良の重要なサインの1つです。ストレスにより寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりすることがあります。また、朝早く目が覚めてしまい、睡眠時間が短くなってしまうかもしれません。これらの状態が続くと、日中の疲労感が増し、集中力や判断力が低下する可能性があるのです。

そして、睡眠不足は体内時計のリズムを乱し、ホルモンバランスにも影響を与える可能性があります。さらなるストレスや体調不良を引き起こすことがあるため、注意が必要です。


食欲がなくなる、または食べすぎる

食欲がなくなったり食べ過ぎたりしてしまうのは、ストレスが原因かもしれません。

一部の人はストレスを感じると、食べることで気分を紛らわそうとします。これは「ストレス性過食」と呼ばれ、とくに高カロリーの食品や甘いものを食べ過ぎてしまう傾向があるのです。

一方で、ストレスにより食欲がなくなり、食事量が極端に減ってしまう人もいます。この状態が続くと必要な栄養素が不足し、体力や免疫力の低下につながる可能性があるため、適切なケアが必要です。

どちらの場合も、長期的には健康に悪影響をおよぼす可能性があると言えます。食欲の変化に気づいたら、原因を探り、対策を取ることが重要です。


疲れがとれず集中できない

上司との関係によるストレスが続くと、慢性的な疲労感や集中力の低下を感じることがあります。単なる疲れや寝不足のように思えるかもしれませんが、実は強すぎるストレスがかかっているという重要なサインです。

慢性的な疲労感は、十分な休息を取っても改善されないことが特徴です。朝起きても疲れが取れていない感覚や、日中でもだるさが続く状態が続きます。

休息を十分に取ることはもちろん、ストレスの原因を特定し、対処法を考えることが必要です。状況に応じて、信頼できる上司や人事部門に相談したり、専門家にみてもらうとよいでしょう。精神科オンライン診療のエニキュアではいつでも相談をお待ちしております。

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夜眠れない・食欲がなくなる、または食べすぎる・疲れが取れず集中できない




こんなことはありませんか?ストレスによる行動の変化

こんなことはありませんか?ストレスによる行動の変化

上司と合わないことによるストレスは、単に心身の不調だけでなく、職場での行動にも変化が現れます。行動の変化は、精神的な不調が深刻になってしまう前の重要なサインです。ここでは、とくに注意すべき行動の変化について詳しく説明します。


遅刻や欠勤が増える

上司と合わず関係が悪化してしまうと、職場に行くこと自体がストレスとなり、遅刻や欠勤が増える傾向があります。これは、無意識のうちに職場を避けようとする心理が働いているためです。ささいな体調不良を理由に休むことが多くなったり、通勤途中で気分が悪くなって引き返すことが増えたりします。

このような遅刻や欠勤が続けば今後のキャリアにも影響を及ぼす可能性があるため、早めの対処が必要です。


普段しないようなミスを起こす

上司との関係によるストレスは、集中力や判断力の低下を引き起こし、いつもはしないようなミスを起こしてしまうかもしれません。

たとえば、普段はしないような計算ミスや書類の提出忘れ・会議の日程を間違えるなど、いつもはしない失敗が増えることがあります。これらの原因として考えられるのは、ストレスにより集中力や記憶力の低下です。本人の評価を下げるだけでなく、チーム全体の仕事にも支障をきたす可能性があります。


コミュニケーションの変化と孤立

上司と合わないのは、職場での人間関係にも大きな変化をもたらします。

たとえば、これまで活発に意見を述べていた会議で発言が減ったり、チームでの雑談や休憩時間の交流を避けるようになったりすることがあります。また、メールやチャットでのコミュニケーションが減ったり、返信が遅くなったりすることも。これらの行動は、ストレスから身を守るための防衛反応かもしれず、注意が必要です。


ストレスによる行動の変化 まとめ




上司との関係悪化で起こりうる精神疾患

上司との関係悪化で起こりうる精神疾患

上司と合わないことによるストレスが長期間続くと、単なるストレスを超えて精神疾患に発展する可能性があります。ここでは、上司との関係悪化によって起こりうる主な精神疾患について説明します。精神疾患ときくと不安に思うかもしれませんが、どれも適切なケアをおこなえば改善が期待できる疾患です。少しでも気になる方は、まずはご相談ください。

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適応障害

適応障害は、ある特定のストレスに対して起こる精神的な不調です。上司との関係がきっかけとなり、適応障害を引き起こす可能性があります。

主な症状は、抑うつ気分・強すぎる不安・不眠です。これらの症状は原因となるストレスが解消されれば通常は改善します。

しかし、上司との関係悪化が継続する場合、症状が長引く可能性があります。適応障害は、生活の質を低下させる可能性があるため、早めに相談してくださいね。


うつ病

上司との関係悪化による慢性的なストレスは、うつ病発症のリスクを高める可能性があります。うつ病は、継続的な抑うつ気分や、興味や喜びがなくなることを主症状とする精神疾患です。

ほかにも疲れやすい・不眠・寝過ぎてしまう・自分には価値がないと思ってしまうなどの症状が見られます。これらは徐々に現れる可能性があり、なるべく早めに気づくことが大切です。一度ご自身の生活を振り返ってみましょう。


 不安障害

不安障害とは、強すぎる不安や恐怖を特徴とする精神的な不調です。

上司との関係悪化により、常に批判されることへの恐怖や、失敗することへの不安が生じる可能性があります。これらの不安が強くなり、日常生活に支障をきたすようになると、不安障害と診断される可能性があるのです。

上司と合わないことで起こるリスクを理解し、早めに対応することが重要です。少しでも気になる方は、まずはご相談することをおすすめします。


適応障害、うつ病、不安障害 まとめ




精神科の診断書でできること

精神科の診断書でできること

上司との関係がストレスとなり心や体の不調が続く場合は、精神科に相談することがベストです。ここでは、精神科で発行する診断書について説明します。


診断書発行の必要性がわかる

精神科の診断書は、患者さまの心身の状態が書かれた、医師が発行する正式な証明書です。会社を休職するときや、傷病手当金を申請するときなどに必要となります。

診断書を発行してもらうには、医師による診察が欠かせません。患者さまの状態を正しく理解し診断を確定するためには、数回の診察をおこなうことが多くみられます。

医師の問診により、診断書を発行する必要があるかどうかを診断してもらうことができます。



精神科でのサポート

精神科でのサポート

精神科では、職場で受けるストレスや心身の不調に対して、さまざまなサポートを提供しています。専門家による適切なケアは、症状を改善し快適な生活を送ることや職場復帰に向けて非常に重要です。


医師の診察によるストレス軽減

医師による診察は、ストレスを軽減し問題を解決するスキルを身につけるうえで、とても効果的な方法です。ストレスの原因を特定し対処法を見つけたり、自己理解を深め自信を回復したりするのに有効な治療だと言えます。


薬での治療

必要に応じて、薬での治療が選択肢の1つとして挙げられます。抗うつ薬や抗不安薬などによる治療は、辛い症状を和らげるでしょう。

薬での治療では、医師と十分な相談のうえで決定し、副作用の理解や定期的な経過観察も必要です。エニキュアでは患者さまの希望によりそった治療をすすめてまいりますので、ご安心ください。


医師による診察・薬での治療 まとめ




今すぐできる改善方法

今すぐできる改善方法

上司との関係改善には、ストレスの適切な管理と職場環境の改善が重要です。ここでは、具体的なアプローチ方法を紹介します。合わない上司と仕事をするのは苦痛ですが、以下の方法を参考にし、あなたの心を守るためのヒントにしてくださいね。


ストレス発散

ストレス管理は、上司との関係改善に向けた重要なステップです。深呼吸法や瞑想などのリラックス法、定期的な運動や趣味の時間確保、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事をとるなどの方法を実践しましょう。

これらのテクニックを日常生活に取り入れることで、ストレス耐性を高め、上司との関係に対してより冷静に対処できるようになるでしょう。


上司とのコミュニケーション改善策

上司との関係を改善するには、コミュニケーションの質を向上させることも必要となります。

上司のコミュニケーションスタイルを理解する、仕事の進捗や課題を積極的に報告し、透明性を高めるなどの対策が効果的です。これらの取り組みにより上司との信頼関係を構築し、より快適な関係性に近づくことができます。


いますぐできる改善方法




まとめ 辛いときはためらわずに相談を

まとめ 辛いときはためらわずに相談を

合わない上司がいると、仕事に行くのが辛くなりますよね。精神科では今感じている辛い症状を和らげ、ストレスを正しく管理し快適な生活を送るサポートができます。あなたの心と体を守るために、ぜひお早めにご相談くださいね。エニキュアではあなたに寄りそう治療をおこなってまいります。

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