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思考のクセに気づく~メンタルクリニックが教えるセルフケアと受診のはじめ方~
- 思考のクセとは?~あなたの心にかかるフィルターを知る~
- 代表的な思考のクセの種類
- 精神科・心療内科ではどう扱われる?~思考のクセへの診療アプローチ~
- 自分でできるセルフケア~思考のクセにやさしく向き合う習慣~
- 思考のクセで受診したほうがよいサイン
- エニキュアのオンライン診療~思考のクセを相談するメリット~
- 思考のクセに関するよくある質問
- まとめ:思考のクセは精神科や心療内科で改善できる場合もある
「ミスをしてしまった……もう私はダメだ」
「相手の一言が、どうしても気になって眠れない」
「また同じ失敗を繰り返す気がする」
最近、こんな考えが頭に浮かぶことはありませんか?
これらは単なる性格のせいではなく、思考のクセが関わっているかもしれません。思考のクセは誰にでもありますが、放置すると気分や行動、人間関係に影響をおよぼします。
この記事では、精神科・心療内科でのアプローチ、自分でできるケア、受診の目安、そしてオンライン診療の活用方法までを解説します。次の1歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
思考のクセとは?~あなたの心にかかるフィルターを知る~
思考のクセとは、自動的に浮かぶ考え方の傾向です。時に現実をゆがめて受け止めるため、感情や行動に大きく影響し、知らず知らずのうちにストレスや落ち込みを悪化させる場合もあります。まずは自分のクセを知ることが、改善の第1歩です。
思考のクセが感情や行動に与える影響
偏った思考は、ネガティブな感情を強め、行動の選択肢を狭めます。たとえば、「どうせ嫌われる」と思えば、人に声をかけることを避けて孤独感が増すかもしれません。
逆に、「もしかしたらそこまで嫌われていないかもしれない」と考えると、気持ちが軽くなり、友達を遊びに誘う連絡するといった前向きな行動につながるでしょう。
なぜ思考のクセは形成されるのか
思考のクセは、幼少期の経験や過去の出来事が積み重なって作られます。思考のクセは1度定着すると無意識に繰り返されやすく、自分では気づきにくいのです。
代表的な思考のクセの種類
心理学で知られる10種類の思考パターンを紹介します。それぞれ例をあげていますので、自分に当てはまる思考パターンがないか探してみましょう。
白黒思考
白黒思考は、物事を成功か失敗か・よいか悪いかのように極端な2パターンで判断するクセです。たとえば、友達との約束に5分遅れただけで、「私はだらしない人間だ」と思い込み、自分を否定してしまうことがあります。
過剰一般化
過剰一般化は、たった1回の出来事を「いつもそうだ」と決めつけるクセです。たとえば、カレーを1度焦がしただけで、「私は料理がまったくできないんだ」と思い込み、それ以降1度も料理をしなくなるケースが当てはまります。
心のフィルター
心のフィルターは、悪い面だけに注目し、よい面を無視するクセです。例を挙げると、旅行で多くの楽しい体験をしても、電車に乗り遅れたことばかりを思い出して落ち込むようなケースが該当します。そして、旅行は疲れると感じてしまい、旅行に行く意欲がなくなることがあります。
マイナス思考
マイナス思考は、ポジティブな出来事を過少評価してしまうクセです。友達に褒められたけれど、「きっとお世辞に違いない」と受け取り、自分を認められないケースが挙げられます。その結果、自信が育たず人前に出ることを避けてしまうことがあります。
マイナス思考については、以下の記事もご覧ください。
【関連記事】マイナス思考が止まらない原因・改善方法とは?お悩みの方は精神科・心療内科に相談を
結論の飛躍(先読みの誤り)
結論の飛躍とは、根拠なく悪い結論を出してしまうクセです。たとえば、友達のLINEの返信が遅いだけで「嫌われた」と決めつけ、不安になってしまうケースがあります。「嫌われた」という決めつけから友達に連絡することを控えてしまい、人間関係がぎくしゃくすることにつながる場合もあります。
拡大解釈・過少評価
拡大解釈とはささいなミスを大きな問題のように考えてしまうことです。たとえば、英会話でスムーズに話せたのに単語を1つ間違えただけで「自分にはもう無理だ」と落ち込み、勉強を続けられなくなるケースがあります。
過少評価とは、自分の成果やよい出来事を実際よりも小さく見積もってしまうことです。例をあげると、職場で「よく頑張ったね」と評価されても「たまたま運がよかっただけ」と受け止め、自信につなげられず挑戦の機会を逃すこともあります。
感情の決めつけ
感情の決めつけは、自分が感じた不安や怒りなどの感情を根拠にして判断をするクセです。たとえば、「緊張しているから、きっと失敗するに決まっている」と考え、挑戦を避けてしまい、本来得られる経験や成長の機会を逃してしまうことがあります。
すべき思考
すべき思考は、「~すべき」「~しなければ」と、自分を追い込むクセです。たとえば、「休日は掃除を完璧に終わらせるべきだ」と思い、できないことに罪悪感を抱くケースがあります。
レッテル貼り
レッテル貼りは、1度の出来事から自分や他人を決めつけ、枠や型に当てはめるクセです。たとえば、会話に詰まっただけで「私は話せない人間だ」と思い込むことです。
また、レッテル貼りは自分だけでなく他者に対しても起こります。たとえば、失敗が多い同僚を「だらしない人」と決めつけてしまうのもレッテル貼りです。人や場所を1面だけで判断すると本来のよさや可能性を見失ってしまうこともあります。
個人化
個人化は、自分ではどうしようもない出来事に対して、「自分のせいで他人や状況が悪化した」と考えるクセです。たとえば、友達が疲れているのをみて「私が誘ったから迷惑をかけた」と思い込み、人との交流を避け、孤独感を強めてしまうかもしれません。
精神科・心療内科ではどう扱われる?~思考のクセへの診療アプローチ~
精神科や心療内科では、思考のクセを認知行動療法などの心理療法で改善を図ります。必要に応じて薬物療法も併用するケースもあります。また、しっかり時間を取りたい方にはカウンセリングをお勧めすることもあります。それぞれくわしく見てみましょう。
初診の内容
初診では、症状や生活背景を聞き取り、思考のクセを把握します。問診票や会話を通して、医師や心理士が思考パターンを整理し、どの場面で思考のクセが出やすいかを一緒に確認します。自分でも気づかなかったクセに初めて気づくことも少なくありません。
認知行動療法(CBT)の実際
認知行動療法(CBT)では、日常の出来事から生まれる思考や感情をノートに記録し、振り返りながら、現実的でバランスの取れた見方に置き換えます。
例として、仕事の流れで1つだけ指摘されたときに、「全部失敗だ」と考えるのではなく、「失敗は学びの機会になる」と思考パターンを変えると、気分の落ち込みを軽くすることができます。
CBTを繰り返すうちに、偏った考え方を変えていく力が身につくでしょう。
薬物療法と併用するケース
不安や抑うつが強い場合、薬で症状を安定させながら心理療法を進めることもあります。薬は治療の補助的な役割を担い、考え方の改善をサポートする手段の1つです。
自分でできるセルフケア~思考のクセにやさしく向き合う習慣~
軽度のストレスや落ち込みなら、セルフケアで思考のクセにアプローチできます。以下のような、思考のクセに向き合う習慣を取り入れるのもおすすめです。
・思考日記
・根拠と反証
・リフレーミング
毎日の生活に無理なく取り入れられる工夫や方法を解説しましょう。
思考日記のつけ方
思考日記では、出来事・考え・感情をノートやスマートフォンに記録します。記入例は以下をご覧ください。
記入例
出来事:同僚に挨拶したが返事がなかった
考え:嫌われているのかもしれない
感情:不安や落ち込み
上記のように日記を残すことで、不安なときに悲観的になりやすいなど、自分の思考傾向を把握できます。
根拠と反証
根拠と反証は、自分の考えに対して「どうしてそう思ったのか?」と自分自身に問いかけ、自分の考えと逆になる事実や証拠がないか探す方法です。
たとえば、友達が自分の誘いを断ったときに「あの人は私のことが嫌いなんだ」と思ったとします。このときに、「どうしてそう考えたのか?」と自分自身に問いかけてみましょう。問いかけた結果、「私の誘いを断ったから」などの答え(根拠)が出てくるはずです。
次に、逆の立場から事実や根拠を探してみましょう。たとえば、友達が1週間前に「最近仕事が忙しい」と言っていた事実があれば、これが反証になります。
根拠と反証をつないでみると、1つの出来事を別の視点から見られるようになります。このケースだと、「友達は私の誘いを断ったが、1週間前に『最近仕事が忙しい』と言っていたので、都合が悪かっただけかもしれない」と考え直すことができるのです。
根拠と反証を意識することで、ネガティブな思考にとらわれにくくなり、気持ちを落ち着けやすくなる場合があります。
リフレーミング
リフレーミングとは、同じ出来事を別の視点で見直すことです。例として、仕事でミスをしてしまった場合、「ミスをしたからこそ改善点に気づけた」と考えると、前向きにとらえられることがあります。
日常生活に取り入れられるセルフケア
日常生活にセルフケアを取り入れると、無理なく続けることができます。たとえば、「空がきれいだった」「同僚と楽しく会話ができた」「好きな音楽を聞いて疲れが少し取れた」など、よかったことを3つ探してみましょう。よかった出来事を感じられると少し前向きになれます。
大切なのは考えすぎず、短い時間でもできる工夫を続けることです。
思考のクセで受診したほうがよいサイン
誰にでも思考のクセはありますが、日常生活や健康に支障が出る場合は、医師の診断が必要です。ここからは、受診を検討すべきサインや状況の具体例を挙げ、早めに相談する重要性を説明します。
日常生活に支障が出ている場合
思考のクセによって、日常生活で集中力が落ちてしまい、仕事・学業・家事などが思うように進まなくなることがあります。また、今まで好きだったことを楽しめず、気持ちが沈む状態が続くと、生活全体の満足度が下がってしまいます。「ただ疲れているだけ」と放置せず、医師に相談してみましょう。
感情の起伏が激しい・気分の落ち込みが長く続く場合
思考のクセが原因で、ささいなことでイライラしたり、気分が落ち込んだりする症状が2週間以上続く場合は、注意が必要です。感情の起伏が大きいと自分も疲れ、家族や友達との関係に悪影響が出ることもあります。
さらに、気分の落ち込みが長く続くと集中力や判断力が低下し、仕事や勉強のパフォーマンスが落ちやすくなります。睡眠や食欲にも影響がおよぶことがあり、心身の不調につながる点もデメリットです。
人間関係で繰り返しトラブルが起きる場合
思考のクセが強いと、相手の言葉を悪意として受け止めたり、決めつけたりして衝突を繰り返すことがあります。似たようなトラブルが何度も起きる場合は、思考のクセが関係している可能性があります。
人間関係が負担になっているときは、精神科や心療内科に相談してみましょう。
体調不良が続く場合
頭痛や胃痛、慢性的なだるさが続くときは、精神的なストレスが身体に影響していることがあります。検査で異常が見つからなくても、ストレスが症状を悪化させているケースがあります。
頭痛や胃痛、休んでも取れない疲れが続く場合は、専門的なケアを受けることが大切です。
エニキュアのオンライン診療~思考のクセを相談するメリット~
エニキュアは、自宅や職場からオンラインで精神科・心療内科を受診できるサービスです。思考のクセに関する悩みも相談でき、場所や時間に縛られず精神科・心療内科の専門医にアクセスできます。
エニキュアの特徴とメリット
エニキュアは通院が不要で、柔軟な予約ができるのが特徴です。忙しくてなかなか受診する時間が取れない方や、近くに医療機関がない方でも利用しやすく、安心して相談ができます。
受診の流れ
エニキュアの受診の流れは以下のとおりです。
1.会員登録
2.問診票の入力
3.診療予約
4.ビデオ通話による診療
5.治療方針の提案
6.継続的なフォロー
まず、エニキュア公式サイトから会員登録をおこないましょう。必要な情報を入力すれば会員登録完了です。
初めて診察を受ける場合は、体調や悩みを問診票に記入します。気分が落ち込みやすい・人間関係で同じトラブルを繰り返すなど、思考のクセに関係する内容を書いてください。
問診票を記入したら、自分の予定に合わせて診療日時を予約します。予約はライフスタイルに合わせて調整可能です。
予約当日はスマートフォンやパソコンを使って、医師とビデオ通話で診療を受けます。必要に応じて薬が処方される場合もあります。
診療後も経過に応じたサポートが続き、思考のクセの改善に向けて安心して取り組むことができるでしょう。
利用時のポイント
エニキュアを利用するときのポイントとして、相談内容をあらかじめ整理しておくことがおすすめです。いつから・どんな場面で・どんな気持ちになったのかを書き出しておくと、短い診療時間でもスムーズに相談できます。
精神科や心療内科の初診で準備すべきことについては、以下の記事もご参照ください。
【関連記事】精神科の初診で準備すべきことは?初診を安心して受けるためのポイントについて詳しく解説
思考のクセに関するよくある質問
思考のクセや精神科の受診に関して、よくある質問をまとめました。受診前の不安や誤解を解消し行動の後押しになれば幸いです。
思考のクセとは何か?
思考のクセとは、無意識に繰り返してしまう考え方のパターンのことです。代表例として、白黒思考や過剰一般化などが挙げられます。
・白黒思考:成功か失敗か・よいか悪いかのように極端な2パターンに分けて考える
・過剰一般化:1回の出来事を「いつもそうだ」と、ほかのことにも当てはめてしまう
思考のクセは誰にでも多少はありますが、クセが強すぎると人間関係や日常生活に影響をおよぼします。自分の思考のクセを理解することが改善の第1歩になるでしょう。
精神科・心療内科で思考のクセを見てもらえるの?
精神科や心療内科では、認知行動療法を通じて、偏った考え方を違う角度からとらえる練習をしたり、必要に応じて薬物療法を併用したりします。
「この性格だから仕方ない」と考えていたことでも、専門家のサポートで改善できる可能性もあるため、気になる症状がある場合は、精神科や心療内科への相談も視野に入れてみましょう。
まとめ:思考のクセは精神科や心療内科で改善できる場合もある
偏った思考のクセを放置すると気分や行動に悪影響を与えますが、自分のクセに気づいて向き合うことで、改善が可能です。セルフケアで整えるのも大切ですが、日常生活や健康に支障が出ていると感じたら、早めに精神科・心療内科に相談しましょう。
エニキュアのオンライン診療を活用すれば、場所や時間に縛られず、気軽に専門医とつながることができます。1人で悩みを抱え込む必要はありません。小さな不安でも相談してみることで、気持ちが少し楽になることがあります。
エニキュアでは、あなたの思いに寄り添いながら安心できるサポートを提供しています。思考のクセでお悩みの方は、エニキュアの医師に相談してみませんか?
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