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感情ノートの書き方を解説!ネガティブ感情の整理とストレス軽減
1.はじめに
「不安や悩みが頭の中でぐるぐるしている」 「ストレスの対処法がわからない」 などと思ったことはありませんか?
そこで効果的なものが、「感情日記」「感情ノート」です。
つまり、「感情を自由に書き出す日記」のことです。 毎日数分で良いので、出来事と自分の感情を書き出すことで、ストレスが軽減され、幸せを感じやすくなったり、ストレスへの対処法を発見することができます。
感情日記の効果、書き方、効果的に書くポイントについて徹底解説します。
2.感情日記の効果は?ノートに感情を自由に書いてみよう

感情日記とは
感情日記とは、思っていることをノートに書き出し、頭の中を整理し、ストレスを減らし、心を落ち着かせるセルフケアの方法です。
①自分の感情を客観的に見る
感情日記を書くことで、自分の感情を第三者の目で客観的にみることが出来ます。
特に失敗した経験や、ひどく落ち込んだ経験等、ネガティブな感情が生まれやすいものは、心の中に閉じ込めて長く残ってしまう傾向があります。
ネガティブな感情は特にしっかり言葉にして書き出すことで、冷静に感情を分析できるようになります。
他にも、自分の考え方や行動の「癖」を発見することができるので、自分の行動・考え方とそれに伴う感情パターンを知ることが出来ます。
また、自分では辛い悩みだと思っていることが、冷静になって分析してみると、「意外と対して大きな悩みではないかもしれない」と思う可能性もあります。
②ストレスの対処法を発見することができる
自分の感情や考えを言語化することで、ストレスへの対処法を見つけることができます。
感情を数値化したり、深掘りをすることで、「自分はこのような環境だとストレスを感じやすいんだな」など感情とストレスのコントロールを身につけることが出来ます。
例えば、「人と関わる用事をこの週はたくさん入れすぎたから、この週はイライラ度が高いな。人と関わる用事の次の日は一人の時間を作ろう」などと、ご自身に合ったストレス管理法を発見できます。
③自分と向き合う習慣を身につけることができる
普段の日常生活は、常に周囲のことや仕事のことを考えるので、自分自身について考える時間がなかなか確保できず、頭がいっぱいになることが多いと思います。
感情日記を続けることで、一日に数分は自分自身と向き合うことができ、自分の感情を振り返ることができるのは、とても効果があります。
毎日書けなくても、週に2回など心が落ち着いた時に書いてみましょう。
④ワーキングメモリが向上・心の安定
感情日記の継続は、ワーキングメモリの向上に影響することが、ノースカロライナ州立大学と北テキサス大学の研究結果で分かっています。*1)
ワーキングメモリとは作業に必要な情報を一時的に記憶し処理をする能力です。
実験では、被験者の学生たちに学校についての感情を毎日書かせた結果、1週間後他のトピックを書かせた学生よりも、ワーキングメモリが向上しているという研究結果が出ました。
ワーキングメモリが向上することで、ストレスに強くなり、心が安定し、感情をコントロールするのが上手になると言われています。
⑤幸せを感じやすくなる
毎日感情を書き出すことで、身体の不調が減ったり、健康的な生活が送れるようになり、幸せを感じやすくなるという研究結果もあります。*2)
例えば、「自分が今日頑張ったこと、素敵だと思ったこと」などを書き出し、ポジティブな感情を書き出します。毎日起こったポジティブな出来事、感情を言葉にすることで、毎日の些細な幸せに目がいき、幸福度が高まります。
⑥カタルシス効果を得られる
普段あまり人に自分の感情や不満を伝えるのが苦手だったり、周囲の気持ちを優先しすぎて自分の感情を後回しにしてしまう、などという人にとっては、自分の感情を吐き出す感情が必要です。
感情日記に、ご自身が感じた感情をありのまま書き出すことで、気持ちが軽くなり、ストレスが軽減されます。

参考文献
1)堀田秀吾,世界最先端の研究が導き出した、「すぐやる」超習慣, クロスメディア・パブリッシング出版,2022,(参照2024-3-5)
2)下田真由美.平井正三郎,”ほめ日記が主観的幸福感などのウェルビーイングに与える影響”,2017-10-23,https://core.ac.uk/download/pdf/234067391.pdf, (参照2024-3-5)
3.感情日記の書き方:感情を数値化してみよう

毎日感情日記を書くことで、自分の考え方の癖を把握できるようになります。
ここでは、感情日記の書き方について解説します。
①感情が動かされた出来事を1つ書く
ポジティブな感情をもった出来事でもいいですし、ネガティブな出来事でも構いません。
怒り、悲しみを感じたこと、喜び、驚きを感じたことを書いてみましょう。
②その出来事に対して、感じた感情を言葉にする
①で書いた出来事に対して、感じたこと、思ったことを書き出しましょう。
周りの意見は気にせず、ご自身が思ったことをありのままに書いてみることが大事です。
その出来事を体験した時に、どう感じたのか、どう考えたのか、感情をたくさん書き出してみましょう。ネガティブなことをたくさん書いても大丈夫です。
感じたことを長い文章にして書いても良いですし、一言でも問題ありません。
書き方は自由です。
③感情をパーセンテージで数値化する
感情がどれだけ動いたかパーセンテージで数値化してみましょう。
数字を決めるのは、ご自身の感覚で大丈夫です。
例えば「怒り40% 悲しさ30% 驚き30%」など、感情の種類ごとに数値を出してみることもできます。
感情の書き方は、ご自身で自由に決めても構いません。
数値化することで、ご自身がどのような出来事で、どの感情が、どれだけ動くのか、パターンを認識することができます。

効果的に感情日誌を書くためのポイント
①出来事を詳細にたくさん書くのではなく、動いた気持ちをできるだけたくさん書く
出来事を詳しく書きがちになりますが、出来事よりも、その経験を目の前にした時に、どう考えたのか、どんな感情になったのか、を思い返して感情をたくさん書いてみましょう。
出来事は1つで大丈夫です。
②他人の気持ちを考えすぎず、自分の思うままに書く
ノートに記入していると、「見やすく綺麗に書かないといけない」「文章が綺麗じゃない」などと思うかもしれませんが、ご自身だけのノートですので、完璧さや綺麗さは求めなくて大丈夫です。
ノートに必ずしも書く必要はなく、パソコンやスマホに書いても問題ありません。
③毎日書く必要はない
毎日書かないといけない!とプレッシャーを感じて、継続自体がなかなかできない経験はありませんか?
毎日書くことに縛られすぎずに、週1回でも長く書き続けることが重要です。
気持ちが落ち着いた時にノートを再開することもできます。
④感情の原因を掘り下げて考えてみる
余裕がある時で構わないのですが、書き出した感情がどこからやってくるのか、原因は何かを深掘りして考えてみることも効果があります。
自分では気がつかない感情の正体に気がつくことができるかもしれません。

まとめ:感情日誌の書き方と効果

感情日誌の効果と書き方が分かったところで、実際に今日からぜひ書いてみましょう。
初めのうちは、今まで避けていた感情に触れたり、新しい考え方と向き合うことになり、戸惑うこともあるかもしれません。
書き続けていると、感情を客観的に見れるようになり、小さな悩みはスルーできるようになったりと、感情と向き合うことに慣れるようになります。
また、感情を書き出しているうちに、余計に感情が重くなってしまったり、書くことが辛くなってしまう場合もあるかもしれません。
そのような時は、無理に書く必要はありません。
誰かに相談したいという気持ちが生まれたら、心療内科や精神科を受診し、今の悩みや辛さを相談してみることをおすすめします。
自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認してみましょう。
あなたの気になる症状から該当する心の病気を調べます。