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うつ病の人にやってはいけない行動とは?接し方のポイントについて解説
- はじめに
- うつ病の人が取りやすい行動とは
- うつ病の人への接し方のポイント
- うつ病の人に対するNGワードとは
- うつ病の人に連絡をするときの注意とは
- 家族がうつ病の時にどのように対応するべきか
- うつ病の人への接し方についてのまとめ
はじめに
うつ病は今や15人に1人が一生のうちにかかると言われているありふれた病気です。*1)
家族や友人など、周りの人にうつ病や、同じ類の傾向を持っている人は少なからずいるかもしれません。
うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質の不足が関与している病気だと言われています。セロトニンやノルアドレナリンは、やる気や元気を保つ時に多く分泌されるホルモンで、不足することで精神的な不調をきたしてしまいます。
このメカニズムから分かるように、うつ病の人は決して怠けているわけではなく、本人たちもその症状に苦しんでいるのです。
気の持ちようで治るものではなく、治療が必要な心の病であり、そのような傾向を人に対する接し方も気をつける必要があります。
うつ病の人が取りやすい行動とは
うつ病の人が取りやすい行動にはどのようなものがあるのでしょうか。
無気力・引きこもり
うつ病の中核症状の1つが、何事にも興味が持てず、楽しみを感じられなくなることです。
そのため、日常生活での行動量が減り、家にこもりがちになります。うつ病になると孤立感や自己肯定感の低下から、家族や友人など、他人との交流を避ける傾向があります。そのような傾向から日常生活の中で興味ややる気を失うため、引きこもりになってしまうのです。
連絡を返せない
基本的に全ての行動に対するやる気が出ないため、連絡を返すのが苦手なことが多くあります。
無気力感による意欲の低下、不安や疲労による集中力の低下、他人とのコミュニケーションが負担に感じられます。他人とのコミュニケーションへの不安を抱いていることが連絡を返す行為を避けさせてしまいます。
睡眠障害
うつ病の人は、睡眠の質や量に問題を抱えることがよくあります。不眠や過眠、睡眠の断続などが見られることがあります。頭痛や胃腸の不調といった、身体的な不調も睡眠を妨げる要因になります。
不規則な食事や運動不足、日中の活動量の低下も、睡眠リズムを乱しやすくなります。そして乱れた睡眠リズムが、さらにうつ病を悪化させてしまうという悪循環をきたしてしまいます。
自傷・自殺企図
うつ病が重症化すると、激しい自己嫌悪や絶望感に襲われ、自らの命を絶とうとする衝動が高まる恐れがあります。自分を責め立て、生きる価値がないと感じてしまうのです。自殺企図の前兆としては、以下のようなサインがあります。
・「死にたい」などの言動
・生き生きとしていた様子がなくなる
・大事な物を処分する
・急にお酒やアルコールに手を染める
自殺に至る背景には、うつ病の症状悪化に加え、対人関係の悩みや経済的な問題など様々な要因が複合的に関わっていることが多くあります。
うつ病の人への接し方のポイント
偏見を持たない
うつ病は、心の病であり、誰もが罹患する可能性があります。偏見を持つことは、その人の苦しみや辛さを理解することを妨げ、より孤立させてしまう可能性があります。うつ病は、見た目では分かりづらい隠れた病気であり、理解を深めることが必要です。
優しさや共感を持って接することで治療の改善にもつながります。批判したり、問答無用で励ましたりするのではなく、まずは話を傾聴し、気持ちを受け止めることが大切です。否定的な言葉は避け、「辛そうだね」など共感を示す言葉がけをしましょう。
自分の経験を相手に投影しない
そもそも感情は人によって異なるものであり、うつ病の症状も個人によって様々です。
「自分がこうだったから相手もこうしたらいいはず」と決めつけないで、話をじっくり聞いていくことが重要です。
相手の感情を否定しない
うつ病の人は、自己肯定感が低い状態にあるので、そういった感情を否定しようとするとさらに自分が否定されたような気持ちになってしまい、より孤独感や無力感を強めてしまうことがあります。感情を無視したり、無理に喜ばせようとすることは、うつ病の患者さんにとって負担となるので注意しましょう。
返事を催促しない
先述の通りうつ病の人は連絡を返すことも難しいことが多くあります。そういった中で、返事を早く求めすぎてしまうと、プレッシャーやストレスをさらに引き起こしてしまいます。そうした性質を優しく理解してあげ、ペースや状況を尊重してあげることが大事です。
うつ病は回復可能な病気です。専門的な治療を受ければ、必ず良くなる可能性があることを伝えましょう。ただし、現状を無視したり、無理強いしたりするのは避けましょう。
自殺を防ぐことも必要です。危険を感じたら、すぐに専門家に相談するなど、適切な対応をとることが重要です。
うつ病の人に対するNGワードとは
「早く治ってね」といった叱咤激励は控えるようにしましょう。相手からの期待がプレッシャーとなり、ますます自分を追いつめることになってしまいます。
「気にしすぎ」といった病気を疑うような言葉も、うつ病の苦しみやつらさが分からないから、そのように気楽に言われているのだと感じてしまいます。
うつ病であることを否定したり、症状を過小評価したりするような言葉は避けましょう。本人の苦しみを無視し、病状を深刻化させかねません。
「自業自得」「自分のせいだ」と言った言葉もよくありません。うつ病は自分の責任ではなく、病気なのです。非難の言葉は自己否定につながり、症状が悪化する恐れがあります。
「私がしてあげる」といった、 過度に世話を焼く言葉も注意が必要です。本人の自尊心を傷つけ、自立を阻害する可能性があります。
希望を与え、不安や絶望をやわらげるような接し方はとても大切です。たとえば、「きっと回復します。」「人間、良いときと悪いときがあって当然です。」「うつは波だから、必ず引いていくものですよ。」といった優しくポジティブな表現を心がけましょう。
うつ病の人に連絡をするときの注意とは
タイミングと頻度
先述の通りうつ状態にある人は、無気力で行動が乏しくなっている傾向があります。そのため連絡のタイミングが悪いと、かえって負担となってしまう恐れがあります。
また、頻度が多すぎても負担が大きくなります。まずは本人の状況を見極め、穏やかなペースで連絡を取るようにしましょう。催促するような行為はNGです。
メッセージの内容
励ましすぎや、批判的な言葉は避けるべきです。「がんばれ」「前向きになれ」といった言葉は、かえって自己嫌悪を深める可能性があります。共感的で暖かいメッセージを心がけましょう。「辛そうだね」「一緒に乗り越えていこう」など、寄り添う言葉がけが大切です。
希望を持つ
うつ病は回復可能な病気です。適切な治療を受ければ、必ず良くなる可能性があることを伝えましょう。ただし、現状を無視したり無理強いしたりはしないよう気をつけます。「きっと良くなる」など、前向きなメッセージを添えるのがよいでしょう。
会話のきっかけ作り
孤立しがちなうつ状態にあるときは、会話のきっかけを作ることも大切です。相手の関心事や趣味について尋ねるなど、コミュニケーションを図るよう心がけましょう。
ただし、質問攻めにならないよう注意が必要です。
状況に合わせて、メールかSNSか電話かなど、適切な連絡手段を選ぶ配慮も求められます。連絡を取る際も思いやりの気持ちを持って接しながら、本人の負担にならないよう細かく気をつけることが大切です。

家族がうつ病の時にどのように対応するべきか
うつ病の患者さんの家族はとても精神的にストレスがかかることが多くあります。
うつ病の治療は、薬を飲みながらじっくり休養をとるという至ってシンプルなのですが、ゆっくり時間をかけないと治っていかないものなので、家族の方も辛抱強く回復を待ってあげる必要があります。
本人の代わりをサポート
家事や子育てなど、本人が家の中でやっていたことをカバーしてあげましょう。また休職手続きや週病手当の手続きなど、職場との連絡もできる範囲で手伝うのも良いです。
さらに、病院周りの意思決定のサポートも大事です。闘病中は、本人の意思決定能力が非常に低下している可能性が高いため、入院するかどうかなどの方針を決めてあげた方が良いこともあります。
本人のケア
自宅で治療を進めていく場合、食事の用意や服薬管理、その他生活のケアをしてあげましょう。
適切な距離感を保ちつつできる範囲でコミュニケーションをとってあげることも大事です。このコミュニケーションは、励まさない方がいいのか、仕事の話をしてもいいのか、明確な正解はなく本人のキャラクターやこれまでの関係性を見て慎重に行う必要があります。
自らでは受診をためらう場合も多いので、家族から専門医への受診を促すことが重要です。受診を続けられるよう、治療費の工面や付き添いなどの支援も欠かせません。
さらにうつ状態が深刻化すれば自殺のリスクも高まります。自殺の危険を察知したら、すぐに専門家に連絡を取る必要があります。見守りを怠らず、細かい変化にも気を配りましょう。
うつ病に対する闘病を支える家族も、非常に精神的にしんどくなることがあります。その時は、気負いすぎず、まずは自分自身が落ち着くようにしましょう。
うつ病の人への接し方についてのまとめ
ここまでの内容をまとめて見ていきましょう。
・うつ病の人は怠けているわけではなく、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質の不足が関与している疾患であり、本人たちもその症状に苦しんでいる。性格や精神的な弱さといったものではなく、治療が必要な心の病であることを知る必要がある。
・家族や友人など、周りのうつ病の人への接し方のポイントは「偏見を持たない」「自分の経験を相手に投影しない」「返事を催促しない」「感情を否定しない」ことが重要である。専門的な治療を受ければ、必ず良くなる可能性があることを伝え、希望を持たせることで進行も防げる。自殺を防ぐことも必要。
・叱咤激励や、プレッシャーを与えるような発言は控え、希望を与え、不安や絶望をやわらげるような接し方をすることでさらなる悪化を防ぐことができる
・家族がうつ病である際は、家事や子育てなど、日常生活の役割を代わりにする、食事の用意や服薬管理を手伝うなど本人のケアを行うとよい
うつ病の方の回復には、周り人たちのサポートが必要不可欠です。
この記事で紹介した接し方のポイントをもとに接することで、うつ病の方が治療に専念できるよう手助けしましょう。うつ病の方の症状がなかなか改善しなかったり、症状が悪化したりするといった場合には、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
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