夜勤で眠れないときは病院へ。交代勤務睡眠障害の原因と受診のポイント
- 夜勤で眠れない原因——概日リズムの乱れ
- 夜勤による不眠が続くとどうなるか
- 何科を受診すればいい?
- 夜勤による不眠の治療と対処
- 受診のタイミング——こんな状態なら早めに
- オンライン診療での受診も可能です
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:夜勤と健康を両立させるために、正しく知り、適切に頼る睡眠ケア

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「夜勤明けに帰宅しても眠れない」「日中に布団に入っても全く寝付けない」「夜勤と日勤が混在して体内時計がバラバラになった」——夜勤や交代制勤務をしている方のこうした悩みは、単なる寝不足ではなく、医療的な対処が必要な状態である場合があります。
本記事では、夜勤による不眠の医学的な背景・何科に行けばいいか・治療の選択肢を解説します。
夜勤で眠れない原因——概日リズムの乱れ
人間の体には、約24時間周期で繰り返される「概日リズム(サーカディアンリズム)」が備わっています。このリズムは光・体温・ホルモン分泌によって調整され、日中に活動し夜間に眠るという生体の基本的なサイクルを作っています。
夜勤や交代制勤務では、このリズムに反した時間帯に活動・睡眠をとることになるため、体内時計と実際の行動が乖離し、「眠りたいのに眠れない」「眠る必要がない時間帯に強い眠気が来る」という状態が起こります。
交代勤務睡眠障害(SWSD:Shift Work Sleep Disorder)
夜勤・早朝勤務・不規則なシフトによって概日リズムが乱れ、不眠または過度の眠気が生じる睡眠障害です。国際睡眠障害分類(ICSD)に収載された正式な診断名であり、「慣れれば何とかなる」という問題ではありません。
交代勤務睡眠障害の分類
・不眠型
・過眠型
・上記の両方が現れる
夜勤による不眠が続くとどうなるか
交代勤務に伴う慢性的な不眠(交代勤務睡眠障害など)の放置は、長期的・中長期的な健康リスクの増大につながります。
睡眠不足が引き起こす認知面・精神面・身体疾患に関するリスクと、早期ケアの必要性を整理して解説します。
・慢性的な睡眠不足による認知機能の低下:集中力・判断力・記憶力が著しく低下し、医療・交通・製造など安全に関わる職場では重大なリスクになる
・うつ病・不安障害のリスク増加:慢性的な睡眠不足は、抑うつ・不安などの精神疾患と関連することが報告されている
・生活習慣病リスク:概日リズムの乱れはインスリン分泌・血圧調節にも影響し、糖尿病・高血圧などのリスクが高いことが報告されている
症状が続いている、または日中の生活や仕事に支障がある場合は、期間に関わらず医療機関への受診を検討しましょう。
何科を受診すればいい?
交代勤務睡眠障害(SWSD)をはじめとする夜勤にともなう不眠症状は、症状の特性や併発している不調に応じた適切な診療科の選択が重要です。
夜勤による不眠・交代勤務睡眠障害の診断・治療は、以下の科で対応できます。
受診先 | 特徴 |
|---|---|
精神科・心療内科 | 睡眠障害全般の診断と薬物療法に対応。不眠に加えてうつ・不安症状がある場合は特に適している |
睡眠専門外来・睡眠クリニック | 睡眠障害に特化した専門的評価が受けられる。睡眠ポリグラフ検査(PSG)なども実施 |
内科(かかりつけ医) | まず相談する窓口として。不眠が軽度の場合は内科で睡眠薬を処方してもらえることもある |
不眠に加えて「気分が落ち込む」「不安が強い」「意欲がわかない」などの精神症状がある場合は、精神科・心療内科への受診が適しています。
夜勤による不眠の治療と対処
交代勤務睡眠障害(SWSD)をはじめとする夜勤由来の不眠に対しては、環境調整を中心とした行動療法と、必要に応じた薬物療法の併用が効果的なケースが多く見られます。
睡眠の質を高める日中のセルフケア・睡眠環境の整備・医療機関での専門的アプローチの3つの軸から対処法を解説します。
生活上の工夫(睡眠衛生)
・夜勤明けの帰宅時はサングラスを着用し光刺激を減らす(運転時の視認性には十分注意が必要)
・帰宅後すぐに眠れる環境を整える(遮光カーテン・耳栓・スマートフォンの通知オフ)
・夜勤前に短時間の仮眠(90〜120分)を取る
・カフェインは夜勤終了の4〜6時間前までに控える
・後回し(夜勤→夕勤→日勤)より前回し(日勤→夕勤→夜勤)のほうが適応しやすいとされている。ただし勤務・形態や個人差などによって影響は異なる
薬物療法
医師が必要と判断した場合、以下の薬が使われることがあります。
・メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン):体内時計の調整作用。
・オレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント・レンボレキサント):覚醒を維持するオレキシンの働きを抑え、自然な眠りを促す。
・ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬:即効性はあるが、耐性、依存性などのリスクがある
市販の睡眠改善薬(ジフェンヒドラミン系)は一時的な使用には対応できますが、依存性・翌日の眠気(持ち越し効果)の問題から、夜勤労働者の長期使用には向いていません。不眠が続く場合は医師に相談することをおすすめします。
受診のタイミング——こんな状態なら早めに
「病院に行くほどでもないかもしれない」「もう少し様子を見ればよくなるかも」と受診をためらっていませんか。睡眠の乱れや体調の変化は、目に見えにくいため判断に迷うのも当然のことです。
しかし、睡眠不足や心身の不調を限界まで抱え込んでしまうと、回復までに時間がかかってしまうことがあります。専門機関への相談を検討すべき具体的なチェックポイントをまとめましたので、ご自身の「今」の状態を確かめる目安にしてみてください。
・夜勤明けに帰宅しても2〜3時間以上眠れない日が続いている
・睡眠が取れずに次の夜勤に入る状態が繰り返されている
・不眠に加えて気分の落ち込み・強い不安・意欲低下が出てきた
・仕事中に危険なほどの眠気が生じている
・市販薬・アルコールで眠ろうとしているが効果が薄れてきた
オンライン診療での受診も可能です
夜勤明けの疲弊した状態で通院することが難しい場合でも、精神科のオンライン診療であれば自宅から受診・処方を受けることができます。
エニキュアは、精神科専門医によるオンライン診療サービスです。
「夜勤で眠れない状態が続いている」「不眠に加えて気分も落ち込んでいる」という方のご相談を受け付けています。
スマートフォンから予約・受診が完結します。
よくある質問(FAQ)
夜勤による不眠について、ご相談の多い疑問をまとめました。ご自身の状況に近いものがあれば、受診を検討する際の参考にしてみてください。
Q1:夜勤に慣れれば眠れるようになりますか?
A. 個人差があります。完全に適応できる人もいますが、多くの場合、概日リズムは夜間に眠るよう設定されており、長期間の夜勤でも完全には適応しないことが多いとされています。改善しない場合は医師に相談してください。
Q2:睡眠薬を飲みながら夜勤を続けられますか?
A. 薬の種類・タイミングによります。翌日の夜勤に影響しない薬の選択・使用タイミングについて医師と相談することが重要です。自己判断で服用量を増やすことは避けてください。
Q3:夜勤をやめれば不眠は改善しますか?
A. 夜勤から離れることで概日リズムが整い、多くの場合改善します。ただし、長期間夜勤を続けていた場合は体内時計が戻るまでに時間がかかることがあります。改善までの期間には個人差があります。
Q4:アルコールで眠っていますが問題ありますか?
A. アルコールは睡眠の後半に覚醒をうながし、睡眠の質を低下させます。依存症のリスクもあるため、お酒がないと眠れない状態になっている場合は医師に相談することをおすすめします。
まとめ:夜勤と健康を両立させるために、正しく知り、適切に頼る睡眠ケア
夜勤による不眠の原因の一つとして、交代勤務睡眠障害(SWSD)があります。根性や慣れで解決しようとせず、専門的なアプローチを試みることが重要です。
光の遮断や仮眠といった睡眠衛生の改善を基本としつつ、アルコールや市販薬への過度な依存を避け、精神科・心療内科・睡眠外来といった医療機関で適切な助言や治療を受けることが推奨されます。
日中の通院が身体的な負担になる場合は、自宅から受診可能なオンライン診療を利用することで、無理なく継続的に心身のサポートを受けることも可能です。
本記事は医療情報の提供を目的としており、診断・治療を行うものではありません。症状が気になる場合は、必ず医師にご相談ください。
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