パニックが起きたときは何科へ?パニック発作・パニック障害の診断と治療を解説

監修者紹介
反町佳穂子
都立病院精神科、精神科病院、心療内科クリニック、企業産業医、大学校医などで精神科医師として従事。日本精神神経学会 精神科専門医。
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「突然、激しい動悸と息苦しさが起きて、大きな不安を感じた」「電車の中で急に体が震えて、次の駅で降りてしまった」——こうした体験は、パニック発作の可能性があります。

パニック発作は非常に苦しい体験ですが、適切な診断と治療で大幅に改善できる状態です。何科に行けばいいか・どんな検査や治療を受けるのかをくわしく解説します。


パニック発作とパニック障害——何が違うのか

パニック発作とパニック障害——何が違うのか

「パニック発作」と「パニック障害」は混同されやすい言葉ですが、両者は明確に異なるものです。ここでは、それぞれの特徴を整理してご紹介します。 


パニック発作とは

パニック発作とは、突然始まる強烈な恐怖感・不快感の波で、以下の症状のうち複数が同時に現れ、数分以内にピークに達するものです。


・激しい動悸・心拍数の増加

・発汗・手足の震え

・息苦しさ・窒息感

・胸の痛みや不快感

・吐き気・腹部の不快感

・めまい・ふらつき・気が遠くなる感覚

・「このまま倒れてしまうのではないか」「自分をコントロールできなくなるのではないか」という強い恐怖


発作自体は通常10〜30分以内に自然に治まります。


パニック障害とは

パニック発作を繰り返し、「また発作が起きるのでは」という予期不安が続き、発作が起きた場所や状況を避けるようになった状態がパニック障害です(DSM-5診断基準)。有病率は約1〜2%で、20〜30代の女性に多く見られます。

パニック発作(一度きりの発作)≠ パニック障害(繰り返す発作+予期不安+回避行動)

発作を一度経験しただけでは必ずしもパニック障害とは診断されません。


パニックが起きたときは何科へ?

パニックが起きたときは何科へ?

以下の症状がある場合、または初めてこのような症状が出た場合は、心疾患や内科的疾患の可能性を否定するためにもまずは救急・循環器科・内科を受診してください。


・胸の圧迫感・締め付けられるような胸痛

・安静にしても治まらない激しい動悸

・失神・意識を失った

・脈が非常に速い・乱れている状態が続く


精神科・心療内科が適している場合

・心電図などの検査や身体所見に異常が見つからなかった

・複数回の発作を経験している

・発作は数分〜30分で治まる

・「また起きるのでは」と常に不安を感じている

・発作が起きた場所(電車・スーパー・職場など)を避けるようになった


循環器系や身体的疾患の異常が認められず、こういった症状がおこっているようであれば、パニック障害の疑いが高まります。

パニック障害の診断・治療は精神科が専門です。「パニックで精神科に行くのは大げさでは」と感じる方も多いですが、パニック障害は明確な診断基準と有効な治療法がある疾患であり、早期受診が回復を早めます。


受診の流れの目安

Step 1:初めての発作で胸痛・失神がある場合 → 救急・循環器科などで身体的疾患を除外

Step 2:検査で異常なし・または発作が繰り返す → 精神科・心療内科へ

Step 3:「精神科に行くのが不安」という場合 → 心療内科を最初の窓口に


パニックで精神科・心療内科を受診する目安




初診でできること——診断の流れ

初診でできること——診断の流れ

初めての受診では、症状の経過をていねいに聞き取り、身体の病気が隠れていないかを確認していく流れが一般的です。ここでは、初診でどのようなことが行われるのかを順に見ていきましょう。 


問診で確認されること

・最初に発作が起きた時期・状況

・発作の頻度・持続時間・症状の内容

・発作後の予期不安・回避行動の有無

・これまでに受けた検査結果(心電図・血液検査など)

・内服薬・既往歴・家族歴


鑑別診断

パニック発作に似た症状は、不整脈・甲状腺機能亢進症・低血糖・褐色細胞腫などの身体疾患でも起こります。医師はこれらの可能性を除外しながら診断を進めます。すでに内科・循環器科での検査を受けている場合は、その結果を持参すると診察がスムーズです。


初診で診断が確定するとは限らない

1回の診察だけでは判断が難しいケースもあります。複数回の診察を経て診断が固まることも珍しくありません。「初診で診断されなくても通い続けるべきか」という不安がある場合は、医師に率直に伝えてください。


パニック障害の治療——薬と生活改善

パニック障害の治療——薬と生活改善

パニック障害の治療は、薬物療法と生活習慣の見直しを組み合わせて進めることが一般的です。主な治療法と日常生活で意識したいポイントについて解説します。


薬物療法

パニック障害の第一選択薬はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。

薬の種類

主な特徴

SSRI(エスシタロプラム・セルトラリンなど)

予期不安・発作頻度を減らす。効果発現まで2〜4週間

SNRI(サインバルタ・イフェクサーなど)

SSRIと同様に使われる。不安・身体症状・意欲低下の両面に有効

抗不安薬(ベンゾジアゼピン系など)

発作時の頓服として短期使用。依存性があるため長期使用は避ける

薬の飲み始めは一時的に症状が強くなったと感じることがあります(賦活症候群)。自己判断でやめず、医師に相談することが大切です。


生活習慣の改善

・カフェイン・アルコールを控える(発作を誘発しやすい)

・睡眠を規則的に確保する

・腹式呼吸の練習(発作時の対処法として有効)

・過度な回避行動を少しずつ減らしていく


回避行動への対処

「発作が怖いから電車に乗れない」「人混みを避ける」という回避行動は短期的には楽になりますが、長期的には行動範囲が狭まり生活の質が低下します。医師の指導のもと、段階的に回避していた場面に慣れていく取り組みが回復に有効です。


オンライン診療でパニック障害を相談できる

オンライン診療でパニック障害を相談できる

パニック障害では「電車に乗れない」「外出が怖い」という状態が続き、通院自体が大きな壁になることがあります。

精神科のオンライン診療であれば、自宅から受診・処方が可能です。とくに治療初期の「まず医師に相談したい」「発作が起きて外に出られない」という段階で有効な選択肢です。継続的な処方・経過観察もオンラインで対応できます。

「パニック発作は気の持ちようでは?」と思っている方もいますが、パニック障害は脳内の神経回路の過敏性が関わる疾患であり、意志の力だけで改善することは困難です。適切な治療で多くの方が日常生活を取り戻しています。


エニキュアのオンライン精神科に相談できます

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「パニック発作が繰り返している」「外出が怖くて通院できない」という方でも、自宅から受診・処方が可能です。スマートフォンから予約・受診が完結します。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

パニック障害の治療や受診について、多くの方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。ご自身の状況と照らし合わせながら、参考にしていただければと思います。


Q1:パニック発作を一度経験しただけで精神科に行くべきですか?

一度きりの発作であれば、必ずしもすぐに受診が必要ではありません。ただし「また起きるのでは」という不安が強い・特定の場所を避けるようになった・日常生活に支障が出ている場合は受診を検討してください。


Q2:パニック障害は完治しますか?

適切な治療(SSRI・生活改善・段階的な行動の回復)を続けることで、多くの方が発作のない状態を維持できるようになります。「完治」という表現よりも「コントロールできる状態」を目標に治療を進めるのが一般的です。


Q3:SSRIを飲み始めると眠くなりますか?

眠気は一番多い副作用ではありません。SSRIで多い初期副作用は吐き気・頭痛などで、通常2週間以内に落ち着くことが多いです。副作用が強い場合は医師に相談し、薬の種類や量を調整します。


Q4:パニック障害で休職は必要ですか?

症状の重さによります。発作が頻繁で日常業務が困難な場合は、診断書を取得して休職・業務調整を検討することがあります。医師と相談しながらすすめていきましょう。


Q5:子どもでもパニック障害になりますか?

思春期以降に発症するケースが多く、大人と同様の症状が現れます。子ども(18歳未満)の場合は小児科・児童精神科への受診が望ましいです。


まとめ:パニック発作の理解と早めの受診が、回復への近道になる

まとめ:パニック発作の理解と早めの受診が、回復への近道になる

パニック発作は、突然の強い恐怖とともに動悸や息苦しさが生じるもので、多くの場合10〜30分以内に自然と治まります。この発作を繰り返し、予期不安や回避行動が続く状態がパニック障害です。胸痛や失神をともなう場合は、まず循環器科などの内科を受診しましょう。

治療では薬物療法の第一選択としてSSRIが用いられます。症状が落ち着いてきたら、回避行動を少しずつ減らしていくことが長期的な回復につながるでしょう。外出が難しい場合は、オンライン診療という選択肢もあります。

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