適応障害の症状とオンライン診療でできる治療法について解説【精神科・メンタルクリニック】

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
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「仕事に行く朝は体が重くて動けない」

「会社に近づくと息が苦しくなる」

「新しい環境に馴染めなくてストレスが溜まる」

このような場合は適応障害かもしれません。

 適応障害とは、あるストレスが原因で心身のバランスが壊れ日常生活に支障をきたす状態を指します。


 本記事では適応障害について、以下の内容を解説します。

・症状と原因
・うつ病との違い
・オンライン診療でできる適応障害の治療法
・治療
・予防
・オンライン診療のメリットとデメリット

ぜひ、最後まで読んでみてください。



 

適応障害とは

適応障害とは

適応障害とは、日常生活の中で、何らかのストレスが原因となり心身のバランスが崩れ、社会生活に支障が生じたものです。具体的な症状と原因を解説していきます。


適応障害の症状

適応障害の症状は、心と体の両面に現れます。以下に主な症状をリストアップしますが、これらの症状が単独で現れるとは限らず、複数の症状が組み合わさって現れることも多いです。

⚫︎心の症状

・憂うつ

・不安感

・焦燥感

・緊張

・恐怖心

 

⚫︎身体の症状

・頭痛

・吐き気

・食欲不振

・不眠または過眠

・胃腸の不快感

・疲労感

・動悸、めまい


これらの症状が、日常生活や仕事、学業に支障をきたすほど強く現れる場合、適応障害の可能性が高いと言えるでしょう。症状の程度や持続期間は個人差が大きいため、自分で判断せずに専門家に相談することが大切です。


 

適応障害の原因

適応障害の主な原因はストレスです。以下に主な原因を挙げますが、これらは単独で作用することもあれば、複合的に影響を与えることもあります。

・仕事や学業のストレス

・人間関係の問題

・経済的困難

・健康上の問題

・大きな生活環境の変化

とくに職場では、上司や同僚との人間関係によるストレスや、仕事量の多さ、異動など仕事内容・環境の変化、責任の重さなどが原因で適応障害を発症する人が多いです。また、個人のストレス耐性や過去の経験、サポート環境なども発症に影響を与える要因となります。



適応障害の症状 まとめ





適応障害とうつ病の違い

適応障害とうつ病の違い

大きな違いは、適応障害は原因がはっきりと特定でき、ストレスが原因であるということです。ここでは適応障害とうつ病の違いについて解説します。


適応障害

・ストレスにより心身に発症する、ストレスの原因となった環境因子を取り除くと症状が改善することが多い

・明確なストレス因子の存在があるので、まずは原因であるストレスの特定・除去をすることが優先される、薬物療法は補助的におこなう

・ストレスを取り除くと6ヶ月以内に回復することもある

・比較的短期間で改善する可能性が高い

 

うつ病

 ・原因がはっきりしない場合もある

・症状が重い場合は薬物療法などで治療

・ストレスが減ってもすぐに改善するわけではない

・症状が長期化する傾向がある

 適応障害のサインを放置してしまうと、うつ病へ診断が変わるケースもあります。早めに病院に相談し、早期治療をおこなうことが重要です。

【関連記事】適応障害とうつ病の違いについて解説


適応障害とうつ病の違い まとめ





オンライン診療でできる適応障害の治療

オンライン診療でできる適応障害の治療

適応障害はストレスの原因がはっきりしているため、まずその原因を特定し休養することから始めます。また、オンライン診療で適応障害治療をおこなう場合、非薬物療法と非薬物治療を受けることができます。

 

薬物治療

適応障害では薬物治療は必要な場合にのみおこないます。

主に以下の薬が使用されますが、症状の種類や程度によって適切な薬が選択されます。

・ 抗うつ薬

・抗不安薬

・睡眠薬

ただし、オンライン診療の場合は、患者のなりすましや虚偽の申告による濫用・転売の防止のため、処方できる薬に制限があります。医師の判断に基づいて、適切な薬物療法が行われます。また、薬物療法を開始する際は、効果や副作用について十分な説明を受け、定期的なフォローアップを受けることが重要です。

 

非薬物治療

非薬物療法の代表的なものとして、認知行動療法などの精神療法があります。オンライン診療で認知行動療法をおこなう場合は、診察時におこなう場合と、カウンセリングとして別途おこなうケースがあります。

認知行動療法では、以下のようなアプローチを取ります。これらのステップを通じて、ストレスへの対処能力を高め、適応障害の症状改善を目指します。

ものの見方や捉え方である認知の歪みを認識する

歪みに基づく行動を修正する

さまざまな問題を上手に解決できるように支援する

オンラインでの認知行動療法は、対面と同様の効果が得られることが研究で示されています。自宅という安心できる環境で治療を受けられるため、より開放的に自分の問題に向き合えるというメリットもあります。

  

【関連記事】精神科・心療内科におけるオンライン診療のメリットとその効果


オンライン診療でできる適応障害の治療 まとめ





 

適応障害の予防とセルフケア

適応障害の予防とセルフケア

ストレスの多い現代社会では、誰もが適応障害に陥るリスクを抱えています。しかし、日常生活の中で適切な予防対策を取ることで、そのリスクを減らすことができます。ここでは、適応障害を予防し、心身のバランスを保つためのセルフケアのポイントについて紹介します。

 

ストレス管理テクニック

ストレス管理は適応障害の予防と改善に欠かせません。以下のテクニックを日常生活に取り入れることで、ストレスへの対処能力を高めることができます。

マインドフルネス瞑想:マインドフルネス瞑想とは、判断することをやめ、今この瞬間に意識を向け、ストレスをコントロールしていく方法です。

深呼吸:不安や緊張を感じると、呼吸が浅くなることもありますが、そのような時は深い呼吸、腹式呼吸が大切です。3秒間息を吐き、3秒間鼻からゆっくり息を吸い込みます。お腹の膨らみ具合に意識を向けることがポイントです。

漸進的筋弛緩法:筋肉の緊張と緩みを繰り返しおこなうことにより身体のリラックスを導く方法です。筋肉を意識的に緊張させた後、その緊張を解くことで、体全体のリラックスを促す方法です。

これらのテクニックは、短時間で実践でき、場所を選ばないため、日常生活の中で気軽に取り入れることができます。定期的に実践することで、ストレス状況下でも冷静に対処できる力が身につきます。


生活習慣の改善

適応障害の予防には、日常生活の見直しも重要です。健康的な生活習慣を身につけることで、心身の健康を維持し、ストレスへの耐性を高めることができます。以下に主な改善ポイントを挙げます。

・規則正しい睡眠リズムの確立

・バランスの取れた食事

・適度な運動習慣

・趣味や余暇活動の充実 

 これらの習慣を一度に全て改善しようとすると負担が大きくなるため、できることから少しずつ始めていくことが大切です。小さな変化から始めて、徐々によい習慣を積み重ねていきましょう。


オンラインツールを活用したセルフモニタリング

近年、スマートフォンやタブレットを使用したセルフモニタリングツールが多く開発されています。これらのツールを活用することで、自分の状態を客観的に把握し、早期に問題を発見することができます。

気分追跡アプリの利用:気分追跡アプリは、毎日の感情を記録・分析し、感情変化のパターンなどを見つけることができるため、自分の感情の動きを客観的にみることができます。

オンライン日記の活用:オンライン日記とは、スマホやタブレットで日記をつけられるアプリです。不安やネガティブな感情を言葉に書き出すことで、客観的に自分の感情と向き合うことができます。

ストレスレベル評価ツールの使用:現在の自分のストレス度合いを測り事前に対策をたてることで、症状悪化の予防に繋がります。

 

これらのツールを使用する際は、データの取り扱いやプライバシーに注意を払うことが大切です。また、ツールの結果に一喜一憂せず、あくまでも自己管理の補助として活用することが重要です。



 

適応障害:ストレス管理チェック まとめ



適応障害におけるオンライン診療のメリット・デメリットとは?

適応障害におけるオンライン診療のメリット・デメリットとは?

 オンライン診療は、適応障害の治療において新たな可能性を開いています。しかし、従来の対面診療と比較して、メリットとデメリットがあります。これらを正しく理解することで、自分に適した治療方法を選択することができます。


オンライン診療のメリット

メリットを4つ以下に挙げます。

予約から診察、会計まですべて自宅でできるため、体調が苦しい時でも受診する負担が比較的軽い

・土日や夜でも受診できるため、なかなか会社を休めず忙しい人は、自分のスケジュールに合わせて受診ができる

自宅でリラックスした環境で受診することができ、知り合いに見られるなど通院がバレることはなく、プライバシーが守られている

・オンライン診療は自宅で受診することができるため、地理的制約がなく、通院時間・待ち時間も節約になる

 これらのメリットにより、適応障害の早期発見・早期治療が促進され、症状の改善や生活の質の向上につながる可能性があるでしょう。


オンライン診療のデメリット

デメリットを以下に4つ挙げます。

・すべてをオンライン上で実施するため、整った通信環境が必要である

・オンラインで治療できる精神疾患には制限がある

・オンライン上で診療内容や個人情報が第三者に漏れることのないよう、セキュリティーとプライバシーの安全性が確保される必要がある

・オンライン上で診察を受けるため、医師と患者の関係構築が難しいことがある 

これらのデメリットを考慮し、必要に応じて対面診療と組み合わせるなど、柔軟な対応が求められます。とくに症状が重い場合や、緊急性が高い場合は、従来の対面診療を選択することも重要です。

 
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適応障害におけるオンライン診療のメリット まとめ





まとめ

適応障害の症状とオンライン診療でできる治療法について

適応障害は日常のストレスによって引き起こされる心身の不調です。オンライン診療は、この治療に有効なツールとなっています。認知行動療法や薬物療法などが自宅で受けられ、プライバシーも守られる一方で、通信環境の整備や対面診療が必要な場合もあるため、状況に応じた選択が重要です。

適応障害の予防には、ストレス管理や生活習慣の改善が効果的です。症状に気づいたら、早めにオンライン診療を利用し、専門家に相談しましょう。適切な治療と自己ケアで、心身の健康を取り戻すことができるはずです。

憂うつ・不安感、頭痛・吐き気など不調がつづく場合は、一度オンライン診療で相談してみましょう。

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参考記事:

・”適応障害”,厚生労働省,(参照2024-08-30)
・”適応障害”,MSDマニュアル,(参照2024-08-30)
・”腹式呼吸をくりかえす”,厚生労働省,(参照2024-08-30)
・”第2章 心のケア 各論”,文部科学省,(参照2024-08-30)

 

 

 

 

 

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