精神科の薬を飲むことへの不安を解消する!理由と対策を解説
「精神科の薬は飲んでも大丈夫?」そんな不安を感じていませんか?精神科の薬には、依存性がありそう、飲んだらやめられなくなりそうなどのイメージがあり、服用をためらう方も多いでしょう。
しかし、薬に対する正しい知識をもつことで、不安を軽減しながら治療を進めることができます。本記事では、精神科の薬を飲むのが不安な理由を解説するとともに、安心して服用するための対策などについて紹介します。
精神科の薬を適切に活用することで、症状を改善し、より安定した日常を目指せます。薬を飲むのが不安な方はぜひ最後まで読んでみてください。
精神科の薬を飲むのが不安な理由
精神科の薬には誤解されがちな点が多く、それが不安を引き起こす原因になっています。ここでは、多くの人が不安になる理由を解説します。
依存性があると誤解されているから
「精神科の薬は依存性がある」というイメージが先行し、不安を感じる方は少なくありません。精神科の薬の中には、確かに依存のリスクがある薬も存在します。しかし、すべての薬が依存性を持つわけではありません。
たとえば、脳内のバランスを改善することで効果を発揮する抗うつ剤は、一般的には依存性が少ないと言われています。ただし、急にやめるとめまいなどの離脱症状が出ることがあります。これは、体が薬の成分に慣れているために起こるもので依存とは異なります。
抗不安薬や睡眠薬の一部には依存性が認められる薬もありますが、医師は必要な量を慎重に調整して処方します。大切なのは、自己判断でやめたり、続けたりするのではなく、医師と相談しながら服用することです。
副作用が怖いから
薬によっては眠気や吐き気、体重増加などの副作用があると言われており「日常生活に支障がでるのでは?」と不安を感じる人は少なくありません。とくに、仕事や家事、育児に影響が出ることを心配し、内服をためらうケースもあります。
しかし、副作用の出方には個人差が大きく、すべての人に強くあらわれるわけではありません。また、飲み続けるうちに体が慣れ、時間の経過とともに軽減される場合もあります。
もし強い副作用が現れたとしても、医師に相談すれば薬の種類や量を調整してもらったり、副作用を軽減する薬を併用してもらったりすることができます。
一生飲み続けないといけないと思われているから
「精神科の薬を飲み始めたら、一生やめられなくなるのではないか」という不安は、多くの方が抱えるものです。しかし、実際には症状が改善すれば、医師の指導のもとで薬の量を徐々に減らし、最終的には服用を終える場合もあります。
また、薬物療法だけでなく、心理療法や生活習慣の見直しなどを組み合わせることで、薬の量を減らしながら、症状の安定を目指せます。
薬を飲むのが不安な気持ちは、恥ずかしいことではありません。不安な気持ちを1人で抱え込まず、医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。
精神科の薬を飲むことへの正しい理解
精神科の薬に対する不安を解消するためには、正しい知識をもつことが必要です。
効果と副作用のバランスがある
精神科の薬には、症状を改善する効果がある一方で、副作用がでることもあります。「どのような効果があるのか」「どんな副作用があるのか」そのバランスを理解することが大切です。
薬の効果が十分に得られなければ意味がありませんし、副作用が強すぎると日常生活に支障をきたす可能性もあります。
多くの薬は、脳の神経伝達物質に作用し、気分の安定や不安の軽減をもたらします。一方で眠気やめまい、体重の変化などが副作用として現れることがあります。
仕事をしている方は、集中力が落ちたり、だるさを感じたりするのは気になるかもしれません。どんな副作用が出る可能性があるのか、事前に医師に確認しておくと安心です。
徐々に効果発現する
精神科の薬の効果が現れるまでの時間は、薬の種類や目的によって異なります。抗うつ薬などは、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで、症状の改善を目指します。
そして、薬が体内で安定した濃度になるまでは時間が必要で、規則正しい服用によって少しずつ効果が表れます。
以下に代表的な薬の効果が現れる期間について説明します。
・抗うつ薬
抗うつ薬は即効性に乏しく、効果が現れるまでには一般的に2週間から1か月程度かかります。また、効果を実感するまでの期間には個人差があり、1~2か月以上かかる方もいます。効果が安定するまでにさらに時間がかかる場合もあります。
・抗不安薬
抗不安薬は服用後1時間以内に効果を感じるものがあります。作用時間は薬の種類によって異なります。
医師・薬剤師へ相談する
精神科の薬は、自己判断での服用や中断がリスクを伴うため、医師や薬剤師と相談しながら服用することが大切です。自己判断で薬をやめると、症状が悪化し、治療が困難になる場合もあります。
「この薬はいつまで飲めばいいのか?」「飲み忘れた場合はどうすればいいのか?」といった不安や疑問は医師、薬剤師に相談することで、適切なアドバイスを受けられます。
医師、薬剤師への積極的な相談が薬への理解へと繋がり、安心と納得のいく形で治療が進められるでしょう。
実践編!精神科の薬を安心して服用するための4つの方法
精神科の薬を安心して服用するために、日常生活で取り入れやすい4つの方法を紹介します。
服薬管理の工夫をする
精神科の薬は決まった時間の服用が安定した効果を発揮します。しかし、仕事や生活のリズムによって飲み忘れてしまう場合もあるでしょう。
以下が服薬管理におすすめの方法です。
・お薬カレンダー
カレンダーにポケットが付いており、服用タイミングごとに薬が収納できる道具です。リビングなど、目につきやすい場所に設置することで視覚的に確認ができ、服薬状況が把握できます。
・お薬ボックス
薬を種類別や飲むタイミングごとに収納するための箱です。さまざまな種類があるため、自分のライフスタイルや、薬の種類、量に合わせて選べます。コンパクトサイズもあり、旅行や外出時にも便利です。
・服薬リマインダーアプリ
指定した時間にアラームや通知で、薬を飲むタイミングを知らせてくれます。飲んだ薬の履歴を確認できるなど、継続的な服薬状況を管理できます。
生活習慣と組み合わせる
精神科の薬の効果を最大限に引き出すためには、規則正しい生活習慣との組み合わせが重要です。
・決まった時間に服用する 毎日同じ時間に薬を飲むことで、血中濃度を安定させ、効果を最大化できます。朝食後や就寝前など、日常の習慣と紐づけることで忘れにくくなります。
・食事との関係を理解する 薬によっては「食後に服用」「食前に服用」「食事と関係なく服用可能」など、指示が異なります。医師や薬剤師の指示に従い、適切なタイミングで服用しましょう。
・アルコールとの相互作用に注意 多くの精神科の薬はアルコールとの併用で副作用が強まったり、薬の効果が弱まったりすることがあります。飲酒については必ず医師に相談しましょう。
家族や周囲のサポートを得る
1人で悩むよりも、家族や信頼できる人のサポートで、精神的な負担が軽減され、治療を前向きに進めやすくなります。
家族や周囲のサポートを得る方法は以下のとおりです。
・病気や薬の情報を共有
症状や薬の役割、副作用について説明し、治療の重要性を理解してもらいましょう。医師や薬剤師からの説明を一緒に受ける機会を作ることで、より深い理解と協力が得られます。
・職場や友人に理解を求める
上司や友人に自分の状態を話しておくことで、急な体調不良時のフォローや気持ちのサポートが受けやすくなります。
・訪問看護師の利用
家族や友人のサポートを得られない場合は訪問看護サービスを利用するのも有効です。訪問看護師による服薬管理や相談サポートを受けることで、安心して治療を継続できます。
自己判断での中止の危険性を理解する
精神科の薬を自己判断で急に中止すると、さまざまなリスクが伴います。
以下に主な危険性をまとめました。
・病状の悪化・再発
脳内の神経伝達物質のバランスを調整して効果を発揮している薬を突然中止すると、このバランスが崩れ、病状が悪化したり、再発したりする可能性が高まります。
・離脱症状
一部の精神科の薬は、急に中止すると離脱症状が現れることがあります。不安、めまい、吐き気などさまざまな症状があり、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な苦痛を増大させることもあります。
・治療の長期化・困難化
自己中断による病状の悪化、再発で治療が長期化したり、より強い薬が必要になったりする場合もあります。また、薬への抵抗性が生じ、治療が困難になってしまう可能性もあります。
まとめ
精神科の薬を飲むのが不安な気持ちを解消するには、薬に対する正しい知識が大切です。薬への誤解をなくし、適切な方法を知ることで、治療への抵抗感が減らせるでしょう。
また、薬物療法だけでなく、心理療法や生活習慣の改善の組み合わせで、より効果的な治療が期待できます。定期的な診察とストレス管理を取り入れることで、薬の効果を高め、長期的な服用を避けることができる場合もあります。
大切なのは、不安を抱えたまま自己判断で薬を飲んだり、飲まなかったりするのではなく、医師や薬剤師と相談しながら治療をすすめることです。
エニキュアでは、医師が薬の相談にのることもできます。薬に対して不安がある方は、エニキュアにご相談いただくことも選択肢となりえるでしょう。
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