双極性障害は精神科オンライン診療を受けられるの?メリットも解説!

監修者紹介
別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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別府拓紀
大学病院、精神科病院、専属産業医などを経て現在精神科病院で地域の精神科医療に従事
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そのような人にとって、オンライン診療は1つの選択肢です。本記事では、双極性障害のオンライン診療が受けられるのか、そのメリットや注意点について詳しく解説します。忙しい日々を送る中で、少しでも心の負担を減らしたいと考えている人は、ぜひご覧ください。

精神科オンライン診療でできる双極性障害の治療法

精神科のオンライン診療では、双極性障害の治療も可能です。双極性障害は、躁状態(気分が高揚し、活動的になる状態)とうつ状態(気分が落ち込み、意欲がなくなる状態)を繰り返す精神疾患です。

対面診療と同様、さまざまな治療法を組み合わせながら、1人ひとりの状態に合わせて治療を進めていきます。精神科オンライン診療でできる双極性障害の治療法には、以下の治療法が挙げられます。

● 医師による精神科オンライン診察
● 薬物療法
● 心理教育
● 家族療法

患者さまの安全を第一に考え、必要に応じて対面での診察や入院治療が必要になる場合があります。とくに、躁状態が激しく休養の取れない場合や自殺の恐れがある場合などは、ご自身の判断で我慢せずすみやかに医療機関を受診しましょう。以下、医療機関を受診するべきサインをいくつかご紹介します。

● 睡眠がほとんど取れない・過度の興奮状態が続く・衝動的な行動が増えるなど状態が激しく日常生活に支障が出る場合
● 強い絶望感・無気力感・食欲不振・不眠などうつ状態が深く日常生活を送ることが困難な場合
● 実際にはいないものが見える、聞こえる、または不当な信念を持つなど幻覚や妄想などの症状が現れる場合
● 吐き気やめまい、眠気など日常生活に支障をきたす副作用が現れる場合。

これらのサインに心当たりのある人は、1人で悩まず必ず医師にご相談ください。

医師による精神科オンライン診察

医師による精神科オンライン診察とは、Zoomなどを用いて医師と患者さまがビデオ通話を行い、診察を受けられる医療サービスです。従来の対面診療と同様に、症状の聞き取りや診断、治療法の提案などが行われます。

オンライン診察の流れは以下のとおりです。
1. まず、 気分の落ち込みや不安感、不眠など現在悩んでいる症状を医師に相談する。
2. 医師が症状や問診内容から、うつ病や双極性障害、不安障害などの精神疾患の診断をおこなう。
3. これまでの治療経過や内服状況などを含め、薬物療法や心理療法など一人ひとりに合った適切な治療法を提案する。
4. 定期的にオンラインで診察を受け、治療の効果や副作用などを確認する。


薬物療法

双極性障害の治療において、薬物療法は非常に重要な役割を果たしますが、患者さまの中には症状が落ち着いてきたと感じ、自己判断で薬の服用を中断してしまう人がいます。この「自己中断」は、非常に危険な行為であり、再発のリスクを大幅に高めてしまうため注意が必要です。

双極性障害に用いられる主な薬剤は、以下のとおりです。

薬物療法は、副作用が生じる可能性があります。主な副作用として、体重増加や眠気、震え、口渇などが挙げられます。副作用が出た場合は、すみやかに医師へ相談しましょう。気分安定薬の多くの薬で血中濃度の測定が必要となりますので、血液検査の可能な医療機関の受診をおすすめします。


心理教育

精神科における心理教育とは、精神疾患を持つ人やそのご家族に対して病気に関する正しい知識や情報を提供し、治療への理解を深め、自己管理能力を高めるための教育プログラムです。

双極性障害は、自覚が乏しく受け入れにくい疾患です。まずは自分自身で症状をしっかりと理解し、病状のコントロールを行っていく必要があります。自分の病気について正しく理解することで、不安や混乱を軽減し、治療へのモチベーションを高めることが可能です。さらに、治療の必要性や重要性を理解することで、治療計画への協力意欲も高められるでしょう。

心理教育をおこなうことで、以下の4つの項目が獲得可能です。

● 気分の波をコントロール
● 服薬アドヒアランスの向上
● ストレスコーピングを身につける
● セルフケアの重要性を理解


獲得することで生活の質が向上し、より豊かな生活が送れます。さらに、社会復帰に必要な知識やスキルを身につけることで、社会復帰をスムーズに進められるでしょう。

エニキュアでは服薬や体調管理、悩みを医師に相談できます。予約から薬の受け取りまで、すべて自宅から1歩も出ずに完結します。公式 LINE から最短1分で予約ができるため、まずは登録からはじめてみましょう。

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家族療法

双極性障害は、患者さま本人だけでなく、ご家族にとっても大きな負担となる病気です。激しい躁状態や深い抑うつ状態といった症状は、家族関係に大きな影響を与え、介護負担も少なくはありません。

オンライン診療を通して、 家族全員が同時に診察を受けることで、医師から直接病状の説明を受けられ、共通の理解を深められます。また、通院にかかる時間や労力を削減できるため、家族全体の負担を軽減できるでしょう。

家族全員が病気について正しく理解することで、サポートする方法を学べます。さらには、家族間のコミュニケーションを円滑にし、お互いを理解し合えるでしょう。






双極性障害とは一定期間内に躁状態とうつ状態を繰り返す気分障害

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患です。日本での有病率は人口の約0.1〜0.4%程度であり、発症は10代後半から20代前半に多いといわれています。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因や環境的な要因、たとえばインフルエンザの母子感染や胎生期の母親の喫煙、小児期の逆境体験などが考えられています。

双極性障害の症状

双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患です。それぞれの状態では、特徴的な症状が現れます。双極性障害の躁状態では、気分が高揚し、エネルギーに満ち溢れた状態が特徴です。


これらの症状のうち、3つ以上が1週間以上続いている場合、双極性障害の躁状態が疑われるでしょう。うつ状態では、気分が落ち込み、意欲が低下します。このうつ状態のことを「抑うつエピソード」と呼びます。



抑うつエピソードでは、以下のような症状が2週間以上続くことが特徴です。


もし、ご自身がこのような症状に悩んでいると感じたら、1人で悩まずに、かかりつけの医師もしくはエニキュアにご相談ください。

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精神科オンライン診療のメリット

精神科オンライン診療は、患者さまの生活スタイルに合わせて、より柔軟な医療サービスを提供できます。従来の対面診療にはない精神科オンライン診療のメリットは以下が挙げられます。

● プライバシーが保護されているため周囲に気を使う必要がない
● 病状が悪化した場合にすぐに受診できる
● 通院の負担が軽減される


プライバシーが保護されているため周囲に気を使う必要がない

プライバシーが保護されているため周囲に気を使う必要がない精神科を受診することに対して、「周囲にバレたくない」「対人恐怖やパニック障害で病院へ行くのが怖い」といったように、抵抗を感じる人も少なくはありません。

オンライン診療は、自宅にいながらでもパソコンやスマートフォンを使って医師とビデオ通話で相談できるため、周囲の目を気にすることなくプライバシーを守って診察を受けられます。さらに、対人恐怖やパニック障害の人でも通いやすく、病院へ行く際に感じる不安や緊張を軽減できます。自宅からでも気軽に相談できるため、治療を継続しやすいです。

病状が悪化した場合にすぐに受診できる

精神科の需要は高まっている一方で、医師や診療科の数が十分とは言えない現状にあります。そのため、従来の対面診療では、予約が1か月以上先になることも少なくありません。

対してオンライン診療では、自宅にいながらでも予約できるため、具合が悪くなった際にもすぐに対応してもらえます。

また、対面診療のように長時間待つ必要がなく、比較的スムーズに診察を受けられます。

通院の負担が軽減される

精神科に通院することは、さまざまな負担が伴います。病院までの移動時間、待ち時間、体調が悪い中での外出など、これらの負担は治療の継続を難しくする要因の1つです。オンライン診療では、通院の負担を大幅に軽減できます。病院への移動が不要になるため、交通費がかかりません。また、家族の付き添いが不要な場合も多く、家族の負担も軽減されます。

さらに、予約から診察、処方箋発行、薬の受け取りまですべてを自宅で完結できるケースがあります。 通院が難しい人や、忙しくてなかなか病院に行けない人でも、継続的に治療を受けることが可能です。

精神科オンライン診療のデメリット

精神科オンライン診療を受ける上でのデメリットは、以下の3つが挙げられます。

● 双極性障害の診察内容に制限がある
● 検査ができない
● スマートフォンやパソコンで操作するため慣れる必要がある

双極性障害の診察内容に制限がある

双極性障害の診察内容の制限として、患者さまに直接触れられないため、脈拍や呼吸数、体重の変化などの確認が困難です。身体的な要因が気分変動に影響している可能性がある場合、対面での診察が望ましいでしょう。また、表情や身振り手振りなど、非言語的なコミュニケーションを観察することが対面診療と比較して、難しくなります。

処方に関して、なりすましや薬の転売を防ぐため処方できる薬の種類や量に制限がある場合があります。

とくに、依存性の高い薬物や副作用が強い薬物は、慎重に処方されるため注意してください。オンライン診療の初診時に処方できない薬について詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。
【関連記事】診療の初診時に処方できない薬とは?薬の受け取り方法についても解説


検査ができない

双極性障害の治療において、綿密に血中濃度を測定する必要がある薬が存在します。それらの薬を用いる場合、血液検査が必須となります。以上の理由から、オンライン診療では対応が困難な場合があります。

スマートフォンやパソコンで操作するため慣れる必要がある

スマートフォンやパソコンの操作に慣れていない人にとって、オンライン診療の利用はハードルが高く感じるかもしれません。普段からこれらの機器を使い慣れている人であれば問題ありませんが、操作に不慣れな場合は家族や友人など、操作に詳しい人にご協力をお願いすることも1つの方法です。



双極性障害かと感じたら1人で抱え込まずに相談を

オンライン診療は、双極性障害の治療における新たな選択肢の1つです。 しかし、全ての患者さまにとって最適な治療法ではありません。対面診療と比較して、できることとできないことがあります。ご自身の状態や治療の目的に合わせて、医師と相談しながら、最適な治療法を選択することが大切です。もし、双極性障害でお悩みでしたら、お気軽にエニキュアにご相談ください。

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