バルプロ酸ナトリウム(デパケン)の効果と副作用・注意点【精神科・心療内科】
- バルプロ酸ナトリウムはどんな薬?
- バルプロ酸ナトリウムの効果|何に効く?
- バルプロ酸ナトリウムの剤形(徐放錠・シロップも)
- バルプロ酸ナトリウムはオンライン診療で処方される?
- バルプロ酸ナトリウムの副作用
- バルプロ酸ナトリウムを急にやめるとどうなる?
- つらい症状はオンライン診療で相談できる
- バルプロ酸ナトリウムでよくある質問
- まとめ|バルプロ酸ナトリウムを正しく使って健康を守ろう
バルプロ酸ナトリウム(先発品:デパケン)は、てんかんの発作を抑えたり、双極性障害の躁状態の改善に使われたりする薬です。発作の予防や気分の安定をサポートする一方で、副作用や薬の飲み合わせなどに注意が必要です。
今回は、バルプロ酸ナトリウムの効果や副作用・効果の現れ方などをお伝えします。服用を検討している人や現在服用中の人は、ご参考にしてください。
バルプロ酸ナトリウムはどんな薬?
バルプロ酸ナトリウムは、脳や神経に働きかけることで効果を発揮する、抗てんかん薬・気分安定薬の1つです。ここからは、バルプロ酸ナトリウムの作用についてみていきましょう。
中枢神経との関係
私たちの脳では、神経細胞が電気信号をやり取りすることで情報が伝えられています。躁状態では、この信号のやり取りが必要以上に活発になったり、乱れたりすることがあります。バルプロ酸ナトリウムは、こうした神経の過剰な活動を落ち着かせる方向に働く薬です。
具体的には、神経細胞の興奮しやすさを安定させたり、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸の放出を抑えたりすると考えられています。これらの作用が重なり合うことで、脳内のバランスが整い、発作や気分の高ぶりが落ち着いていくとされています。
GABAに働きかける
脳のなかには、神経の働きを鎮める役割をもつGABAが存在します。GABAの働きが低下すると、神経の興奮を抑えにくくなり、気分の高ぶりや落ち着きのなさなどに関係すると考えられています。
バルプロ酸ナトリウムは、GABAの分解を抑えたり産生を助けたりすることで、脳内の抑制バランスを整える薬です。この作用により、過剰な興奮が落ち着き、気分を安定させる効果につながると考えられています。
バルプロ酸ナトリウムの効果|何に効く?
バルプロ酸ナトリウムは、脳の興奮を落ち着かせることで、特定の症状の改善を助ける薬です。ここからは、バルプロ酸ナトリウムの効果や、どのような場面で処方されるのかを説明します。
バルプロ酸ナトリウムと躁病・躁状態
バルプロ酸ナトリウムは、双極性障害(躁うつ病)の躁状態に用いられる気分安定薬です。
躁状態では、以下のような症状がみられます。
・気分が高ぶる
・活動量が増えすぎる
・話し続けてしまう
・考えが次々と浮かんで止まらない
・怒りっぽくなる
・睡眠欲求の低下
バルプロ酸ナトリウムは、こうした脳の過剰な興奮を抑え、気分の波を落ち着かせて躁状態の改善を助けます。
強い躁状態を落ち着かせる急性期の治療だけでなく、症状が安定したあとも、再発予防の目的で長期的に使用されることがある薬です。
バルプロ酸ナトリウムと抗てんかん
バルプロ酸ナトリウムは、以下のようなてんかん発作や、てんかんに伴う性格行動障害(不機嫌、怒りっぽくなるなど)の治療に使用されることがあります。
・欠神発作
・ミオクロニー発作
・全般性強直間代発作
全般性発作に幅広く効果があり、複数の発作タイプをもつ人にも対応しやすい薬と考えられています。
バルプロ酸ナトリウムと片頭痛
バルプロ酸ナトリウムは、脳の過剰な興奮を抑える作用を活かし、片頭痛発作を予防する目的で用いられることがあります。ただし、すでに起きている頭痛発作を和らげる薬ではありません。
バルプロ酸ナトリウムの剤形(徐放錠・シロップも)
バルプロ酸ナトリウムは、主に速放錠(普通錠)・徐放錠(SR製剤)・シロップの3つの剤形で使用されます。それぞれの特徴は、以下のとおりです。
【速放錠(普通錠)】
胃腸で溶けて比較的早く吸収されるため、効果が現れやすい剤形です。一方で、副作用が出ることがあります。
【徐放錠(SR製剤)】
時間をかけてゆっくり溶けることで、血中濃度が安定しやすい剤形です。副作用が比較的出にくい反面、即効性は穏やかで、かまずに服用する必要があります。
【シロップ】
液体タイプで吸収が比較的早く、小児や錠剤が苦手な人、飲み込みにくい人でも服用しやすい剤形です。
それぞれの特徴やメリットを理解して、自分に合った剤形を医師と相談して選ぶことが大切です。
バルプロ酸ナトリウムはオンライン診療で処方される?
バルプロ酸ナトリウムのような処方薬も、オンライン診療で受けられる場合があります。自宅や職場から医師の診察を受け、処方された薬は自宅に届くため、通院や待ち時間の負担を減らせることが特長です。
「体調がすぐれず外出がつらい」「通院が難しいけど薬を切らしたくない」という人も、無理なく治療を続けられます。早めに受診することで、適切な治療を開始でき、心身の回復にもつながるでしょう。
ご自身のライフスタイルや体調に合わせて、受診方法を選んでみてくださいね。
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バルプロ酸ナトリウムの副作用
ここからは、バルプロ酸ナトリウムの副作用について説明します。とくに気になることが多い眠気や体重増加・重大な副作用についてみていきましょう。
バルプロ酸ナトリウムと傾眠(眠気)
バルプロ酸ナトリウムは脳の働きを抑える作用があるため、服用中は眠気が起こることがあります。これらの症状がある場合は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないよう注意が必要です。
強く症状が出る場合は、医師に相談してください。医師は必要に応じて服用量を調整したり、ほかの薬への切り替えを検討したりすることがあります。
バルプロ酸ナトリウムは太る?
バルプロ酸ナトリウムを長期間服用すると、頻度は不明ですが、体重が増えることがあります。原因は、はっきりわかっていませんが、代謝や食欲が関係している可能性があります。
体重増加が気になる場合は、バランスのよい食事や適度な運動を心がけ、急激な変化があれば医師に相談してください。医師は適切な管理法を提案するでしょう。
バルプロ酸ナトリウムの重大な副作用
バルプロ酸ナトリウムの重大な副作用(頻度不明)は、以下のとおりです。
【肝臓・代謝関連】
・劇症肝炎・黄疸・脂肪肝
・高アンモニア血症による意識障害
【血液・骨髄関連】
・溶血性貧血・赤芽球癆・汎血球減少・重篤な血小板減少・顆粒球減少
【膵臓・腎臓】
・急性膵炎:激しい腹痛・吐き気・発熱に注意
・間質性腎炎・ファンコニー症候群
【皮膚・過敏症】
・中毒性表皮壊死融解症・スティーブンス・ジョンソン症候群・過敏症症候群
【神経・筋肉】
・脳の萎縮・認知症様症状・パーキンソン様症状
・横紋筋融解症
【その他】
・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
・間質性肺炎・好酸球肺炎
これらの副作用が疑われる症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
バルプロ酸ナトリウムを急にやめるとどうなる?
バルプロ酸ナトリウムの連用中に服用量を急激に減らしたり中止したりすると、てんかん発作をくりかえし、なかなか回復しない状態(てんかん重積状態)があらわれたり、症状が悪化したりすることがあります。服用の変更や中止については、必ず医師の指示に従いましょう。
バルプロ酸ナトリウムの効果の現れ方(血中濃度)
バルプロ酸ナトリウムは、服用後の血中濃度の推移が、食事のタイミングによって異なる薬です。健康な成人に速放性錠(通常錠)を投与した試験では、以下のような結果が報告されています。
・空腹時投与:血中濃度がピークに達するまで約0.92時間(約55分)
・食後投与:血中濃度がピークに達するまで約3.46時間(約3時間半)
徐放錠(SR製剤)やシロップなどの剤形によって血中濃度の推移は異なります。とくに徐放錠は、普通錠と異なり食事の影響をほとんど受けずに安定して吸収されるという特徴があります。
てんかん発作の予防や双極性障害の気分安定効果は、一定の血中濃度を保つことで得られるため、医師の指示どおり継続して服用することが大切です。
効果の感じ方には個人差がある点も、理解しておきましょう。
つらい症状はオンライン診療で相談できる
バルプロ酸ナトリウムを服用していて「通院がつらい」「待ち時間が長くて体力がもたない」といったときは、オンライン診療が役立ちます。スマートフォンやパソコンから自宅で受診でき、薬の調整や服用に関する悩みも、医師の判断のもと相談が可能です。
エニキュアでは24時間いつでも予約ができ、平日・土日祝も診察をおこなっています。朝8:00〜夜24:00まで受診できるので、仕事や家事の合間でも無理なく相談できます。自分のペースで治療を続けられて、心身の回復にもぐっと近づくでしょう。
ご自身の体調やライフスタイルに合わせて、最適な受診方法をお選びください。
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バルプロ酸ナトリウムでよくある質問
バルプロ酸ナトリウムについて「長く飲み続けても大丈夫?」「妊娠中に使える?」と疑問や不安をおもちの人も多いのではないでしょうか。ここからは、患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。
長期服用するとどうなりますか?
バルプロ酸ナトリウムは、てんかんや双極性障害などで長期にわたって使用されることがあります。医師の管理のもとで服用を続ければ、過度に心配する必要はありません。
ただし、副作用として眠気や体重増加などがみられることもあるため、気になることがあれば医師に相談しましょう。
妊娠中・授乳中に使える?
バルプロ酸ナトリウムは、胎児の奇形や子どもの発達への影響などが報告されているため、妊娠中の使用に注意が必要な薬です。
【片頭痛発作の発症抑制】
・妊婦、または妊娠している可能性のある女性には、投与しないこととされています。
【各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療】
・妊婦、または妊娠している可能性のある場合には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこととされています。
・妊娠中にやむを得ず使用する場合は、可能な限り単独投与が望ましいとされた薬です。
ほかの薬(とくにカルバマゼピン)との併用では、本剤単独投与時と比べて先天異常の報告が多いことが、疫学的調査で示されています。
【授乳中について】
・母乳を通して赤ちゃんに薬が移行する可能性があるため、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、医師が授乳の継続または中止を検討します。
妊娠中・授乳中のバルプロ酸ナトリウムの服用は、必ず医師と相談してください。
まとめ|バルプロ酸ナトリウムを正しく使って健康を守ろう
バルプロ酸ナトリウムは、てんかん発作の予防や双極性障害の躁状態を落ち着かせるなど、脳の過剰な興奮を落ち着かせる薬です。
一方で、眠気や体重増加・まれに重い副作用が報告されているため、気になることは遠慮なく医師にご相談ください。
通院がつらいときや不安がある場合は、エニキュアのオンライン診療を活用することで、自宅から医師へ相談できます。自分に合った方法で、無理なく治療を続けていきましょう。
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