睡眠導入剤とアルコール・お酒は一緒に飲める?危険な飲み合わせを解説【精神科・心療内科】

監修者紹介
河邊眞好
大学病院、単科精神科病院などを経て、現在は総合病院精神科で地域の精神科医療に従事。 精神保健指定医 / 日本精神神経学会専門医・指導医 / 公認心理師 / 厚労省認定認知症サポート医 / 日本精神神経学会認知症診療医 / 臨床研修指導医 / 緩和ケア研修会修了 / コンサータ処方登録医
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河邊眞好
大学病院、単科精神科病院などを経て、現在は総合病院精神科で地域の精神科医療に従事。 精神保健指定医 / 日本精神神経学会専門医・指導医 / 公認心理師 / 厚労省認定認知症サポート医 / 日本精神神経学会認知症診療医 / 臨床研修指導医 / 緩和ケア研修会修了 / コンサータ処方登録医
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「睡眠導入剤を飲んでいるけど、お酒も楽しみたい…」「飲み会の日はどうすればいいの?」そう思う方もいるかもしれません。

睡眠導入剤は不眠症に悩む方の治療薬として、医師の処方のもとで使用されています。しかし、アルコールと併用すると、身体に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

この記事では、睡眠導入剤とアルコールを併用してはいけない理由・安全に服用するための時間間隔・医療機関への相談が必要な症状について解説します。


睡眠導入剤とアルコール・お酒を一緒に飲んではいけない3つの理由

睡眠導入剤とアルコール・お酒を一緒に飲んではいけない3つの理由

睡眠導入剤とアルコールの併用が危険だとわかっていても、具体的にどのような影響があるのか知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、医学的な観点から併用してはいけない3つの理由をくわしく解説します。正しい知識を身につけることで、リスクを回避することができます。


薬の作用が強く出過ぎてしまう

睡眠導入剤もアルコールも、どちらも脳の中枢神経の働きを抑える作用があります。 両方を同時に摂取すると、脳の活動が過度に抑制され、呼吸中枢や意識レベルに影響を及ぼします。


記憶障害や危険な行動のリスクが高まる

睡眠導入剤には服用後の記憶がない前向性健忘の副作用を引き起こすことがあります。アルコールと併用することで、この健忘のリスクが飛躍的に高まることが知られています。 

とくに注意が必要なのは、寝ている間に無意識に歩き回る・食事をする・電話をかけるなどの行動が起こる可能性があることです。本人はその行動を全く覚えておらず、思わぬトラブルや事故につながる危険性も少なくありません。


依存しやすくなる

アルコールは睡眠導入剤の鎮静効果を強める働きがあり、その感覚を脳が覚えてしまうと、「薬だけでは効かない」「お酒と一緒でないと眠れない」という思い込みが生まれます。最初は少量だったお酒の量も徐々に増え、薬とアルコールの両方から抜け出せない状態になってしまうおそれがあります。

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飲酒後に睡眠導入剤を安全に服用するための時間間隔 

飲酒後に睡眠導入剤を安全に服用するための時間間隔

「お酒を飲んだ後、どのくらい時間を空ければ睡眠導入剤を飲んでも大丈夫?」これは多くの方が気になる疑問でしょう。ここでは、アルコールの分解時間や安全な服用間隔について、具体的な数字を交えながらくわしく解説します。


アルコールの分解にかかる時間を知る

睡眠導入剤を安全に服用するためには、アルコールが身体から抜けるまでの時間を正しく理解しましょう。一般的に、純アルコール20g(ビール500ml・日本酒1合相当)の分解には約3時間〜4時間かかるとされています。女性・高齢の方・お酒に弱い体質の方は、さらに長い時間が必要です。


推奨される間隔は最低でも6時間以上

飲酒後は、最低でも6時間以上空けてから睡眠導入剤を服用しましょう。アルコールの分解速度の目安は体重×0.1g/時とされています。たとえば、ビール1本を純アルコール約20g相当と仮定すると、体重60kgの人の分解目安は60㎏×0.1=6g/時となるため、20gのアルコールを分解するのに約3.3時間かかります。

ただし、アルコールの分解速度は個人差が大きく、飲酒量によってはさらに時間がかかります。安全のため、3.3時間の約2倍である6時間以上は空けたほうがよいでしょう。


飲酒量による間隔の調整が必要

飲酒量が多いほど、必要な間隔は長く取る必要があります。目安としては、ビール1本程度なら約6時間、2本〜3本なら12時間以上空けることが推奨されています。深酒をした場合は、翌日の夜まで服用を控えることが望ましいです。自己判断が難しい場合は、必ず主治医に相談してください。


睡眠導入剤とお酒を併用してしまった場合の対処法

睡眠導入剤とお酒を併用してしまった場合の対処法

睡眠導入剤とお酒を併用した場合の対処法は次のとおりです。慌てず落ち着いて行動しましょう。


すぐに医療機関に連絡する

睡眠導入剤とアルコールを併用し、普段と様子が明らかに違う場合は、かかりつけの医療機関や夜間救急に電話相談しましょう。自己判断で様子を見ずに専門家の指示を仰いでください。

意識がもうろうとしている・呼吸が苦しいなどの症状があれば、救急車を呼びましょう。救急車を呼ぶか迷った場合は7119(救急安全相談センター)に電話して、対処法を聞くこともできます。


家族や周囲の人に知らせておく

1人暮らしの場合は、信頼できる家族や友人に電話やメッセージで状況を伝えましょう。可能であれば、誰かに付き添ってもらうことが理想的で、異変があったときにすぐに対応できる体制を整えることが大切です。


こんな症状が出たら再診。医療機関への相談が必要なサイン 

こんな症状が出たら再診。医療機関への相談が必要なサイン

睡眠導入剤とアルコールを併用してしまったあとや、普段の服用中に以下のような症状が現れた場合は、医療機関への相談が必要です。自己判断で様子を見ず、早めに主治医やかかりつけのクリニック、救急病院に連絡しましょう。


・呼吸が浅い

・息苦しさを感じる 

・意識がもうろうとする

・呼びかけに反応が鈍い 

・記憶が飛ぶ

・併用後に体調不良が続く


睡眠導入剤服用中のお酒との付き合い方3つのポイント

睡眠導入剤服用中のお酒との付き合い方3つのポイント

睡眠導入剤を服用中でも、社交の場や友人との集まりでお酒の席に参加する機会はあるため、飲酒を避けることが難しい場合もあるかもしれません。

ここでは、安全に睡眠導入剤を使用しながら、お酒との付き合い方を工夫する3つのポイントをご紹介します。


1. 飲み会の予定がある日は主治医に事前相談する

飲み会や会食の予定がある場合は、事前に主治医に相談しましょう。その日だけ服薬を休むべきか、時間をずらすべきか、専門家の判断を仰ぐことが大切です。

自己判断で勝手に服薬を中断すると、不眠が悪化したり離脱症状が出たりする危険があります。医師と一緒に安全な対処法を考えることが重要です。 


2.ノンアルコール飲料で代用する

ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルは、味や見た目がアルコール飲料に近く、美味しいものもあります。周囲にお酒を飲んでいないと気づかれにくいため、気まずさを感じにくいでしょう。

アルコールをすすめられたときは「今日は車で来ている」など、断る理由を用意しておくのも有効です。無理にすすめられたときは、はっきりと「薬を飲んでいるので」と伝えることも一つの手です。


3.医師の指示のもと服薬時間を調整する

飲み会が夜遅い時間の場合、服薬時間をずらせるか医師に相談してみましょう。自己判断での時間変更は避けましょう。薬の効果が出るタイミングや持続時間を考慮して調整をすれば、睡眠リズムを崩さずに安全に過ごすことができるでしょう。


睡眠導入剤服用中のお酒との付き合い方



よくある質問Q&A 

よくある質問と回答

睡眠導入剤とアルコールに関して、患者さまからよく寄せられる質問をまとめました。気になる疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。


Q1.お酒を飲み、夜中に目が覚めた場合に睡眠導入剤を飲んでも平気ですか? 

基本的には避けたほうがよいでしょう。前夜に深酒をした場合、翌朝でもまだアルコールが体内に残っている可能性が高いので、 最低でも6時間以上、できれば12時間以上空けることが安全です。


Q2.睡眠導入剤を飲んだあと、何時間後なら飲酒可能ですか?

睡眠導入剤の種類によって、体内に残る時間が異なります。長時間作用型の薬の場合、翌朝以降も効果が残り、眠気や判断力の低下を引き起こすこともあります。自己判断せずに必ず主治医にどのくらい空ければ安全かを確認しましょう。


Q3.主治医に相談せずに自己判断で服用間隔を空けてもいいですか?

服薬量を調整したいときは必ず主治医に相談してください。睡眠導入剤の種類・用量・体質・健康状態によって、安全な服用間隔は異なります。

根拠のない情報やほかの人の経験談を鵜呑みにするのは危険です。あなたのことをよく知っている主治医の指示に従いましょう。


まとめ:睡眠導入剤服用時はアルコールの摂取は控えましょう

睡眠導入剤服用時はアルコールの摂取は控えましょう

睡眠導入剤とアルコールの併用は、中枢神経抑制作用が相乗的に強まり、呼吸抑制や意識障害など副作用のリスクが高まります。飲酒後に睡眠導入剤を服用する場合は、最低でも6時間以上の間隔を空け、アルコールが完全に分解されるのを待ちましょう。

睡眠導入剤は医師の処方に従って正しく服用し、飲酒との併用を避けることが、あなたの健康を守るポイントになります。不安なことや疑問があれば、1人で悩まずメンタルクリニックを受診しましょう。

オンライン診療のエニキュアは、24時間予約が可能です。自宅から受診できるため、通院の負担がありません。専門医に相談し、適切な睡眠を取り戻しましょう。

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