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心療内科に行ってはいけないって本当?
- 1.はじめに
- 2.心療内科に行ってはいけないと言われる理由
- 3.心療内科での受診:早期発見、早期治療の重要性
- 4.気をつけたほうがいい心療内科の特徴
- 5.心療内科を受診する際に気を付けるべきポイント
- 6.心療内科は行ってはいけないって本当? まとめ
1.はじめに
「心療内科に行ったら薬漬けにされるのでは」
「薬に依存してしまうのが怖い」
など心療内科は行ってはいけないのかもと思ってしまい、心療内科の受診を先延ばしにしていませんか。
「心療内科に行ってはいけない」というのは本当なのでしょうか。
本記事では、心療内科に行ってはいけないと言われている理由、早期発見・早期治療の重要性、気をつけたほうがいい心療内科の特徴、心療内科の選び方、そして受診する際に気をつけるべきポイントを解説します。
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2.心療内科に行ってはいけないと言われる理由

心療内科に行ってはいけないと言われている理由は何でしょうか。
先に結論を述べると、心身に違和感や症状が発症した場合は、早めに心療内科を受診して治療をしてください。
ここでは、心療内科に行ってはいけないと言われている理由を3つほどご紹介します。
治療方法は薬物治療:薬に依存してしまうのでは?
心療内科は基本的に薬物治療を行う場所です。
薬で治療を行うのではなく、対話を通して心の病気を治療するという場合は、心理カウンセリングになります。
心療内科で処方される薬には、例えば抗うつ剤や睡眠導入剤などがあります。
内科などで処方される薬とは異なり、目に見えない病気を治す薬ですので、それだけ不安が大きくなるのは自然なことです。
・基本的に、医師の指示通りに飲んでいれば、大きな心配をする必要はありません。
というのも、最近の心療内科では依存性の強い薬は処方せず、なるべく少量の薬で治療をしていくことが重要視されているからです。
・心療内科で処方される抗うつ剤は、最初から効果の強いものは処方されません。
少量から飲み始め、副作用があるか、体調が悪くならないかなどチェックしながら、薬の量を調整していきます。
・薬を飲み始めてから約6〜8週間後に薬が正しく効いているのかを確認し、その後量を増やすのか、他の薬に変えるのかなどを検討します。*1)
・実際に薬が効き始めたとしても、体調が回復するまでに数ヶ月から1 年近くかかるとも言われています。
・処方される薬に基本的には大きな依存性はありませんが、急に断薬、減薬する際に風邪の症状や不眠などの症状を伴う離脱症状が起きる可能性があります。断薬や減薬の際には医師と慎重に行う必要があります。*2)
関連記事:オンライン診療の初診時に処方できない薬とは?薬の受け取り方法についても解説
自分に合ったクリニックが見つからなかった
心療内科数は年々増加しており、以前よりも心療内科を利用する患者の数も増加しています。
心療内科は、内科とは異なり目に見えない心の病気を扱う診療科ですので、どの病院が自分に合っているのか不安になることも多いかと思います。
通院をしていても、短期間で治療方法の効果を感じることは難しいので、効果に不安を感じるのは自然なことです。
また、心療内科は自分に合った病院を選択するために、転院することも1つの選択肢です。
そもそも病院に通うのがストレスだった、医師が合わなかった、治療方法に満足していないなど、長い心の病気の治療を行うにあたって、治療自体にストレスを感じることもあります。
多くの心療内科では、今の治療方法に対して、他の医師がアドバイスをする、というセカンドオピニオンというものも実施しています。
セカンドオピニオンは治療ではなく、あくまで「アドバイス」ですので転院という位置付けではありません。
しかし、セカンドオピニオンを受けて、今の通院先を見直す必要があった場合、転院をすることも1つの方法です。
関連記事:オンライン診療で失敗しない!医師の選び方について解説
医師と十分なコミュニケーションを取れていない
医師とうまくコミュニケーションが取れないと不安に感じている方も多いかもしれません。
心理カウンセラーと異なり、心療内科の医師は薬を処方して治療することが多いですので、「思ったよりも淡々と治療が進められるな」と思ってしまうこともあると思います。
あくまで薬での治療という前提はありつつも、心の病気を直すには患者が自身の情報をどれだけ話してくれるかが大事になります。
もちろん、医師も人ですのでそれぞれ合う合わないがありますが、安心して自分の悩みを話せる医師とのコミュニケーションの取りやすさは非常に重要です。
気をつけたほうがいい心療内科の特徴や選び方も後ほど解説します。
関連記事:【メンタルクリニックのオンライン診療】自分に合った主治医を探せるのがエニキュア

参考文献
*1)”抗うつ薬の種類や効果、副作用、正しい使用法について”,NHK,2021-5-20,https://ww
w.nhk.or.jp/kenko/atc_204.html , (参照2023-12-19)
*2)”医薬品・医療機器等安全性情報”,厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/ , (参照2023-12-19)
3.心療内科での受診:早期発見、早期治療の重要性

心療内科を受診するにあたり、処方薬や心療内科の選び方などについて不安はつきものです。
「この症状くらい受診しなくても平気」
「体調が悪いけど心療内科は怖いから受診しない」
「薬を飲むのが怖いから受診は避けよう」
などと思っていると、最終的に治療が長引く可能性もあります。
心や体に違和感を感じたら「迷ったらまずは受診」をおすすめします。
ここでは、心の病の早期発見、早期治療の重要性について解説します。
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重症化・慢性化
心の病気に限らず、症状を放置しておくと重症化・慢性化のリスクが高まります。
特に心の病気は「この程度なら我慢できるだろう」と思って受診を先延ばしにしていると、健康状態に戻るまでの治療時間がどんどん長くなってしまうこともあります。
うつ病を放ってしまった場合、どうなってしまうのか解説します。
未治療の場合、1年間自然治癒させると約4 割が寛解、約2 割が反応して改善されます。*3)
寛解とは、完全に治癒された状態ではなく、一時的に症状が消えた状態のことを指します。
残りの4 割はうつ状態が続くと言われています。
また再発した場合、重症化する可能性が増え、その後治療抵抗性(治療を行っても病気が改善しないこと)の危険性が高まり、慢性化する場合があります。
再発リスク防止
うつ病は症状が回復しても60%の確率で再発すると言われています。
また、厚生労働省の調査によると、再発回数が多いほど、2 回うつ病になった方は70%、3 回かかったら90%と再発リスク確率が高まると言われています。*4)
この原因としては、再発が高まると、ストレスとは関係なく抑うつ状態に陥り、再発の原因が特定できなくなってしまうことが挙げられます。
特に、うつ病の症状を放置してしまい治療が遅くなった方は、無症状の方と比較して再発率が3 倍大きく、再発が3 分の1のスピードで起きてしまうといわれています。*5)
心療内科に行くべき基準については、下記の記事で詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:精神科・心療内科へ行くべき症状とサイン:迷われている方へ行く基準を解説!

迷ったら早めに心療内科を受診しましょう
このようなことから、うつ病を放置し早期発見・早期治療が遅れると、重症化のリスク・再発の頻度が高まる上に、再発までにかかる時間短くなるなど、うつ状態の原因が特定できず後戻りできない状態に陥ってしまう可能性が高まります。
心療内科の受診を控えるのではなく、少しでも、心身に気になる症状がある場合は、早めの心療内科の受診を検討してみましょう。
関連記事:予約が空いていない!心療内科の現状と早く受診するためのポイントを解説
自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認してみましょう。
症状チェッカー
参考文献
*3)”大うつ病性障害の長期予後に影響を与える諸因子と 新しい診断治療法”,精神保健研究,https://www.ncnp.go.jp/mental-health/docs/nimh59_33-40.pdf , (参照2023-12-19)
*4)”地域におけるうつ対策検討会報告書”,厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5g.html , (参照2023-12-19)
*5)”地域におけるうつ対策検討会報告書”,厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/01/s0126-5g.html , (参照2023-12-19)
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4.気をつけたほうがいい心療内科の特徴

ここでは、注意すべき心療内科の特徴を解説します。
「ここの心療内科に通い続けていいのか不安」と思っている方は、特徴が当てはまっているかどうか参考にしてみてください。
薬の説明をせず処方する
心の病気を治療するにあたり、薬の量を少しずつ増加させたり、複数の種類の薬を処方する必要があることもあります。
薬の効果が見えるのは時間がかかるため、いくつもの薬を飲まなければいけないこともあるからです。
薬が患者の負担になるケースもあるため、薬の飲み方や副作用の説明をしっかりと受ける必要があります。
主治医が薬の説明をせず次々に処方する場合は、他の病院を検討することをおすすめします。
同じ効果がある色々な薬をどんどん大量に処方してくる
同じ効果がある薬を複数処方してくるクリニックの場合は気をつけましょう。
2016 年以降4月以降、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠導入薬、それぞれ2種類までしか処方できなくなりました。 *6)
そのため、同じ効果のある種類を3種類以上処方してくるされる場合は、他のクリニックの受診を検討することをおすすめします。
薬の効果があるか一定期間観察することもせずに、コロコロと頻繁に薬を変えようとするクリニックも注意してください。
同じ効果がある薬を何種類も服用していると、副作用が強くなり一日中眠気やだるさに襲われるケースが高まります。
薬物療法がメインではあるが、話を全く聞いてくれない
心療内科は心理カウンセリングとは異なり、薬物療法での治療がメインです。
心理カウンセリングは一人一人の悩みや相談に乗り、課題の整理を一緒に行い、悩みの問題解決を目的としています。
心療内科は薬の処方を主に行う場所ではありますが、患者の話を聞いてくれない場合や、医師からの一方通行の治療となっている場合は気をつけたほうがいいかもしれません。
心の病気は目に見えないため、患者からの情報が治療に非常に重要です。
医師とのコミュニケーションが取れていないと、これまでの経緯や症状の変化が医師に伝わっていないため、誤診になる可能性が高まります。

参考文献
*6)”抗うつ薬と抗精神病薬の制限など(平成28年度診療報酬改定)”,COMHBO,https://w
ww.comhbo.net/?page_id=10740 , (参照2023-12-19)
5.心療内科を受診する際に気を付けるべきポイント

心療内科もたくさんあるので、ご自身に合うクリニックはどのような観点に気をつけて選ぶべきか不安になると思います。
ここでは、心療内科を選ぶ際に注意すべきポイントや、受診する際に気を付けるべきことをいくつかご紹介します。
心療内科クリニックの選び方
注意すべき心療内科の特徴も踏まえ、心療内科を選ぶにあたってのポイントをいくつかご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
① 家から近く通いやすい
② 薬の処方を詳しく説明してくれる
③ 薬に頼らない治療法を知っている
④ 治療法の決定権が患者側にあるか(しっかり相談に乗ってくれるか)
⑤ 治療経験がどれくらいあるか
通院自体にストレスを感じ受診をやめてしまう人もいるかもしれません。
心の病気は定期的に長期間受診をする必要があるため、通院自体が億劫になってしまっては意味がありません。
最近では、オンライン心療という、ビデオ通話上で診療を受けられるサービスも多数あります。
ご自宅や好きな場所で受診することができ、クリニックまで足を運ぶ必要はありません。
クリニックでの待ち時間も必要ないので、待機時間に関してもストレスが少ないサービスです。
また、医師の経歴がどれくらいなのか、クリニックのホームページを確認しましょう。
医師によって専門分野も異なるので、ご自身の症状を専門で扱っている医師を選ぶことをおすすめします。

受診する際に気を付けるべきこと
受診の際にどんなことに気をつけたほうがいいのか、不安な方も多いと思います。
ここでは、これから心療内科の通院を始める際に頭に入れておいたほうがいいことを紹介します。
① 薬の処方は医師の指示に従い、自己判断で薬の服用をやめたり、服用時間を変えない
薬を飲むタイミングを自己判断で変えたり、医師に相談せず断薬をすることは避けましょう。
副作用や薬の効果を感じられないなどの原因から、自己判断で薬の処方をストップしてしまった際に起こりうる症状には、以下のようなものがあります。*7)
・症状の再発
・離脱症状
・薬を内服していない不安
自己判断での断薬等は控え、必ず医師に相談するようにしましょう。
② 気になることは医師にすぐ相談
治療方法や薬など、不安なことはすぐに医師に相談しましょう。
メンタルの病気の治療において、複数の薬を長期間飲み続けなければいけなかったり、完治するまでに時間がかかる場合が多いです。
そのため、感じた違和感や不明点をそのまま放置しておくと、誤診に繋がる恐れもあります。
もし、上手く伝えられるか分からないという場合には、気になる点、伝えておきたいことなどを事前にメモし、医師に渡すことも1つの方法です。

参考文献
*7)”抗うつ薬の種類や効果、副作用、正しい使用法について”,NHK,https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_204.html ,
(参照2023-12-19)
6.心療内科は行ってはいけないって本当? まとめ

本記事は、心療内科に行ってはいけないと言われている理由、早期発見・早期治療の重要性や、心療内科の受診ポイントなどを解説しました。
初めての心療内科の受診は不安なことが多いかと思います。
しかし、心の病は他の病気と同様、早期発見・早期治療が重要です。
違和感を放置していると、どんどんと症状が重症化・慢性化していき、何が原因であるのか把握できず、治療が困難になることもあります。
心身に普段とは違和感を感じていると感じた場合は、まずは近くの心療内科の受診を検討してみてください。