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家族がうつ病を理解してくれない原因・対処法を紹介。困ったときは精神科・心療内科へご相談を
- うつ病は家族関係に影響をおよぼす場合もある
- 家族がうつ病を理解してくれない3つの原因
- うつ病に対して家族の理解を得るための4つの方法
- 家族がうつ病を理解してくれないときの相談窓口
- まとめ:家族がうつ病を理解してくれない場合は周りの方の力を借りよう
「家族がうつ病を理解してくれない」とお悩みではありませんか?うつ病をはじめとする精神疾患は、経験がない方からするとその症状や苦しみがわかりづらい病気です。そのため、悪気がなくとも、家族から無理解な発言や行動をうける可能性はあるでしょう。
この記事では、うつ病を家族に理解してもらうための方法をお伝えします。また、家族が理解してくれない原因や困ったときの相談窓口も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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※本記事では、日本国内の一般的な医療制度をご紹介しています。エニキュアで対応していない制度も含まれますので、あらかじめご了承ください。
うつ病は家族関係に影響をおよぼす場合もある
うつ病の症状は、家族関係にも影響をおよぼす場合があります。とくに患者さま本人と家族がお互いを誤解した結果、ストレスを感じるかもしれません。うつ病が本人と家族に与えるストレスについて解説します。
本人が感じるストレス
うつ病になると気分が落ち込んだり、興味やよろこびが失われたりするため、家族との関わり自体がストレスになる場合があります。
さらに、うつ病の影響で体が疲れやすくなり、意欲も低下するため、今まで問題なくできていたことができなくなるケースは多いです。結果的に「自分には価値がない」「家族に迷惑をかけている」と思い込んでしまい、家族とのコミュニケーションを避けることにつながるでしょう。
家族に伝わりにくいもどかしさから「家族はうつ病である自分を理解してくれない」と感じる場合は多くあります。
家族が感じるストレス
家族がうつ病の症状を誤解すると、患者さま本人に対してネガティブな印象を持ってしまう可能性があります。
精神疾患は骨折や打撲などの身体的なケガと比較すると、症状や苦しさがイメージしにくい病気です。たとえば、今まで簡単にできていた家事やコミュニケーションでさえも、本人にとっては重労働に感じる場合もあります。
ところが、うつ病や精神疾患を経験していない家族からすると「どうしてこんな簡単なこともできないの?」「ただ怠けているだけなのでは?」と思うこともあります。結果的に、本人に対してひどい発言をしてしまうケースも少なくありません。
家族がうつ病を理解してくれない3つの原因
うつ病に対する家族の理解が得られない背景には、いくつかの要因があります。ここでは3つの原因を解説していきます。
1.うつ病に対する知識が不足しているから
世代によっては、メンタルヘルスや精神疾患に対する認識が低い場合があります。そのため、家族は本人に対して、以下のような誤解が生じる場合があります。
・「うつ病になるほど心が弱いわけではない」
・「育て方が悪かったから…」
このような考え方は、うつ病を単なる性格の問題や一時的な気分の落ち込みと混同している可能性があります。
2.接し方がわからないから
うつ病であることを理解していても、どのように接すれば良いかわからず、以下のような対応をしてしまうことがあります。
・過度な励まし
・問題の軽視
・叱咤激励
これらの対応は、善意から来ているものの、本人にとってはかえってストレスになることがあります。うつ病が病気だと知っていても、いざ自分の子どもや配偶者がうつ病になると、どのような声かけをすればよいかわからない方もいるのです。
うつ病の人への接し方に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:うつ病の人にやってはいけないことは?正しい接し方や連絡する際のポイン トを解説
3.距離感が近すぎるから
家族との距離が近すぎると、お互いの気持ちにすれ違いが生じやすくなります。
・家族は「看病しているのに良くならない」とストレスを感じる
・本人は「迷惑をかけている」と焦りを感じる
このような状況が続くと、お互いの理解が深まるどころか、関係性が悪化する可能性があります。家族と関わっている時間が長かったり、同じ空間にずっと一緒にいたりすると、本人と家族の気持ちのすれ違いが起きやすくなるためです。
うつ病に対して家族の理解を得るための4つの方法
家族に対して理解を得るために行う4つの方法は、以下のとおりです。
・医師の診断書を用いて説明する
・専門家に説明してもらう
・してほしいこと・ほしくないことを明確に伝える
・一人になれる時間をつくってもらう
それぞれ解説していきます。
1.医師の診断書を用いて説明する
医師の診断書を用いて家族に説明すると、うつ病の症状や深刻さを理解してもらいやすくなります。診断書には以下の情報が含まれています。
・診断名(病名)
・所見(医師から見た患者の状態)
・必要な治療や休養の期間
診断書を見せることで「医師も認める病気である」という認識を家族に持ってもらえる可能性が高まります。診断書は、病気の診断がおりた場合、診察の際に依頼することができます。
また、外出が困難な場合や通院に抵抗がある場合は、オンライン診療が選択肢のひとつとなります。エニキュアでは、診療予約から支払いまでがすべて自宅で完結し、診断書の作成も依頼できます。
オンライン診療での診断書の発行に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:オンライン診療で診断書は発行できる?メンタルクリニックの診断書について解説
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2.専門家に説明してもらう
家族の理解が得られない場合は、以下のような専門家に説明を依頼することも効果的です。
・主治医
・カウンセラー
・訪問看護師
専門家から直接説明を受けることで、家族のうつ病に対する理解が深まり、適切なサポート方法を学ぶことができます。
また、メンタルクリニックでは、うつ病の診断や治療を自分が受けるだけではなく、家族に通院同行してもらうことも可能です。医師や看護師から直接、病気や治療の説明を聞いたり、日常生活で必要なサポートや注意点を教えてもらったりすると、家族の理解がより深まることもあります。
エニキュアでも、家族同伴での診察を受けられる場合があるため、ぜひ医師にご相談ください。
3.家族にしてほしいこと・してほしくないことを伝える
家族に対して、以下のような具体的な要望を伝えることが重要です。
・してほしいこと(例:「食事の準備を手伝ってほしい」)
・してほしくないこと(例:「『頑張れ』という言葉はプレッシャーになるので避けてほしい」)
具体的な要望を伝えることで、家族も何をすべきかがわかり、適切なサポートにつながります。
うつ病の経験がない方からすると、症状や苦しみを理解するのは難しいです。そのため、家族が知らず知らずのうちに、本人のストレスを溜める行動・発言をしている場合もあるのです。
4.1人になれる時間を作ってもらう
お互いにストレスを感じないよう、適度な距離感を保つことが大切です。
・1人で過ごす時間を作る
・家族それぞれの趣味や活動の時間を設ける
・必要に応じて別室で休養する時間を設ける
このような工夫により、お互いの気持ちにゆとりが生まれ、より良い関係性を保つことができます。
家族との距離感が近すぎる場合、お互いが1人で過ごせる時間を作るとよいでしょう。1人でゆっくり心と身体を休めることができたり、ストレスの発散になったりするためです。
カフェや映画、美容室など、片方が長時間外出する予定を入れたり、趣味の時間を作ったりするのもいいでしょう。
また、1人の時間を過ごすことで、家族との距離感を見直すきっかけにもなります。家族に理解してもらえない焦りが、逆にプレッシャーを生む場合もあるため、ときには家族と距離を置き、1人でゆっくり休息をとるのも大切です。
うつ病の人への接し方のポイントに関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:うつ病の人にやってはいけない行動とは?接し方のポイントについて解説
家族がうつ病を理解してくれないときの相談窓口
どうしても家族から理解が得られず、つらいと感じる場合は支援機関に相談するのも1つの方法です。互いのストレスや悩みを打ち明けて楽になったり、間に入ってもらうことで気持ちのすれ違いを解消できたりする場合もあります。家族がうつ病を理解してくれないときの相談窓口を3つご紹介します。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、各都道府県や政令指定都市に設置されている公的機関です。精神疾患に関する総合的な支援を行うことを目的としています。
精神保健福祉センターでは、精神疾患の患者さま本人と家族の相談を受け付けています。電話、窓口のどちらからも相談できるため、ご自身に合った方法でご相談ください。
センターには医師や看護師、精神保健福祉士などの専門家が在籍しているため、的確なアドバイスをもらえるでしょう。
家族会・コミュニティサイト
家族との関係で悩む場合は、家族会やコミュニティサイトの意見が役立つこともあります。
家族会では、うつ病の患者さまやその家族が集まり、悩みを共有したり、意見交換を行ったりします。対面での会話に抵抗がある方は、コミュニティサイトを閲覧するのがおすすめです。
家族会やコミュニティサイトでは、自分と同じ立場の人が集まるため、安心して悩みを相談できるでしょう。
カウンセリングサービス
臨床心理学の専門性を持つカウンセラーに相談すると、抱えている悩みや問題点を整理し、一緒に解決できる場合もあります。カウンセリングを受けると、自分の考え方や行動パターンに気づき、変えていくためのアドバイスを得られるでしょう。
カウンセリングは精神科・心療内科に併設されている場合や、臨床心理士がカウンセリングルームを開業している場合もあります。また、近年はオンラインでカウンセリングが受けれられるサービスもあるため、自宅からカウンセラーに悩みを相談できます。
心理カウンセリングに関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:心理カウンセリングって何するの?精神科と心理カウンセリングの違い、選び方のポイントまで徹底解説!
まとめ:家族がうつ病を理解してくれない場合は周りの方の力を借りよう
うつ病は、適切な治療とサポートがあれば改善する可能性のある病気です。家族の理解と支援は、回復への大きな力となります。一人で抱え込まず、周囲の協力を得ながら、焦らずゆっくりと回復への道を歩んでいきましょう。
もし、この記事を読んでもなお家族との関係に悩みを感じる場合は、躊躇せず専門家に相談することをおすすめします。エニキュアはオンライン診療を行っているので手軽にご利用できます。
オンライン診療に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。併せてお読みください。
関連記事:オンライン診療で診断書は発行できる?メンタルクリニックの診断書について解説
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参考:
1)厚生労働省|ご家族にできること
2)日本うつ病学会|うつ病看護ガイドライン
3)厚生労働省|心の健康
4)うららか相談室|家族の病気の悩み相談・カウンセリング
5)cotree|オンラインカウンセリングなら「cotree」
6)全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)|家族会について
7)encourage|うつ病患者の家族向けコミュニティサイト
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