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依存症治療はオンライン診療で受けられる?悩んでいる人はメンタルクリニックにご相談を
依存症は本人だけでなく周囲の方にも影響をおよぼす精神疾患です。しかし、周りの目が気になり、なかなか治療へ踏み出せない方も少なくありません。また、依存症を専門としたクリニックの数も少ないのが現状です。
オンライン診療はこのような事態を改善するために有効な手段の1 つです。この記事では、依存症の症状や特徴をわかりやすく解説し、自宅にいながら受けられるオンライン診療のメリットをご紹介します。
オンライン診療で受けられる依存症の治療法
自分は依存症かもしれない、と考えている方のなかには「病院やクリニックに行くのは抵抗がある」と考えるケースもあるかもしれません。そのような方におすすめしたいのが、オンライン診療です。
以下より、オンライン診療で受けられる依存症の治療法をご紹介します。
医師によるオンライン診療
オンライン診療では、ビデオ通話を通じて医師が患者さまの状態を診察します。具体的には、依存症の症状や生活環境、これまでの治療経過などを詳しく聞き取り、適切な治療方針を立てていきます。
依存症を専門としている医療機関・支援施設は少なく、患者さまのお住まいの地域や依存症の種類によっては、病院を探すのにも苦労するかもしれません。さらに、依存症はいまだに誤解や偏見がある疾患のため、通院自体をためらう患者さまもいます。
オンライン診療は「近くに依存症を専門とした医療機関がない」「通院するほどではないが、ひとまず話を聞いてみたい」などのニーズに対応しています。また、最初から対面診療のクリニックに行くのに抵抗がある方は、とりあえずオンライン診療を受けてみるのも1 つの方法です。
ただし、オンライン診療はあくまでも軽症の患者さまに向いているため、場合によっては、対面診療をすすめられる場合もあります。もし医師に「対面診療が向いている」と言われたら、どのようなクリニックに行き、治療を受ければよいか相談してみましょう。
オンラインカウンセリング
依存症の治療には、心理的なサポートが重要です。悩みをカウンセラーに聞いてもらうと、自分の感情や考えがまとまり、問題点が整理できたり、解決策を見つけられたりする場合もあるからです。
オンラインカウンセリングでは、カウンセラーが患者さまの心の問題に寄り添い、依存症の克服に向けた支援を行います。自宅にいながら定期的にカウンセリングを受けることができるため、治療の継続がしやすいのがメリットです。
エニキュアでも、臨床心理士や公認心理師によるオンラインカウンセリングが利用可能です。
認知行動療法
認知行動療法は、依存症に効果的な心理療法の1 つで、世界中の治療現場で用いられています。依存症の方は、依存している物質や行動の結果を誤って学習している場合が多いため、思考パターンや行動を見直し、物事への対処法を増やしていくことが必要です。
たとえば、アルコール依存症の患者さまが「お酒を飲まないと仕事のストレスが発散できない」と考えていたとします。認知行動療法では、この考えについて医療スタッフや同じ依存症の患者さまと話し合い、「お酒がなくても運動や趣味でストレス発散はできる」という思考に修正します。好ましくない行動を変えるためには、まず考え方に気づく必要があるのです。
思考の修正後は、仕事終わりに運動してストレスを発散するなど、飲酒を防ぐための具体的な行動について考え、実行してもらいます。
薬物療法
依存症の治療には、薬物療法が用いられるケースもあります。依存症に合併するうつ病や双極性障害、不安障害、ADHD などの症状を安定させるために薬を処方する場合もあるからです。
ただし、薬物療法についてアルコール依存症に適応のある薬はありますが、依存症の根幹である「 〇〇(依存対象)がやめられない」という根本的な問題には対処しきれません。日本において、依存症の治療は心理社会的療法が中心です。
依存症の症状・特徴とは?
依存症の症状は、ただ単にやめられない状態がつづいているわけではありません。その理由として、脳機能にも影響をおよぼしているからです。脳の問題でもあるため、意思が弱い・本人が悪いというわけではありません。
しかし、依存症は本人だけでなく、周りにいる方も苦しめてしまうことがあるため早期治療などが必要です。以下より、依存症の症状や特徴について詳しく解説します。
やめたくてもやめられない
依存症は、特定の物質や行動をやめたくてもやめられない状態がつづきます。依存症の方が自分の意思で依存をやめられない原因は、脳の仕組みにあります。
特定の物質を摂取したり、行為をしたりすると、脳内にドーパミンと呼ばれる快楽物質が脳内に分泌され、快感・よろこびにつながります。この感覚を脳が「ごほうび」と認識すると、同じ快楽を求めて依存してしまうのです。
そのため、たとえ「今日で最後にする」「絶対にやらない」と自分の心や周囲の人に誓っても、自分をコントロールできず、適当なところで切り上げられません。
依存対象にのめり込んでしまう
依存症の方は、依存対象に対して異常なほどの時間やエネルギーを費やします。依存がエスカレートしてしまう原因は、耐性がつくからです。
依存をつづけていると脳が刺激に慣れてくるため、だんだん快楽を感じにくくなります。すると、依存症の方はより強い快楽を求めて、ますます依存物質の量や、依存している行為の回数が増えるのです。
依存対象にのめり込むと、ほかの趣味や活動に対する関心が薄れ、生活の中心が依存対象になってしまいます。
周囲の方に迷惑をかける
依存症は、家族や友人など周囲の方にも迷惑をかけてしまうことがあります。依存症は本人の自覚が薄く、たとえ自覚しても認めるのが容易ではない傾向があるためです。
家族や周囲の方が注意したり、やめさせようとしたりしても、本人は依存している事実を否定してしまい、ときには暴言や暴力を振るってしまう場合もあります。なかには、家族が誰にも相談できず、暴力や暴言、借金の肩代わりなどをさせられ、本人以上に苦しむケースもあるのです。
仕事や日常生活に支障をきたす
依存症は仕事や学業、家庭生活など、日常生活のあらゆる面に支障をきたします。たとえば、欠勤が増えて解雇されたり、家族や周りの人から信頼されず別居や離婚に至ったりするケースもあります。
また、依存症は本人の心身にも悪影響をおよぼすのが特徴です。依存を一時的にやめると、手足の震えや動悸、吐き気などの離脱症状が起き、精神的にもイライラして落ち着かず、集中力を欠いている状態がつづきます。このような離脱症状を抑えるため、再び依存物質や行為へ手を出してしまう方もいます。
代表的な依存症の種類4つ
依存症は特定の物質に依存する場合もあれば、行為や関係性に依存するケースもあり、その種類はさまざまです。ここからは、依存症のなかでもとくに代表的なものを紹介します。
アルコール依存症
アルコール依存症は、アルコールの摂取に強い依存を示し、コントロールが効かなくなる病気です。長期的かつ多量に飲酒し、次第にお酒がやめられなくなるのが特徴です。
アルコール依存症には、以下のような精神依存と身体依存があります。
● 精神依存
○ 「飲酒したい」という強烈な要求がわく
○ 飲酒のコントロールが効かない
○ 飲酒以外の娯楽に手をつけない
○ 健康状態が悪化しているにもかかわらず断酒しない
● 身体依存
○ 手指のふるえや発汗などの離脱症状が現れる
薬物依存症
薬物依存症は、違法薬物や処方薬などに依存する病気です。違法薬物とは、覚せい剤やMDMA、大麻などです。これらの薬物以外にも、鎮痛剤や咳止めなどの市販薬が乱用されるケースもあります。
薬物依存は、アルコール依存と同じく精神依存と身体依存が起こります。薬物による快感を強く求め、一時的に摂取をやめると離脱症状が現れ、頭痛や吐き気、激しい痛みを感じるのが特徴です。
ギャンブル依存症
ギャンブル依存症は、ギャンブル行為に対して強い欲求を感じ、自分をコントロールできない病気です。ギャンブル行為には、競馬や競輪、競艇、オートレースなどの公営ギャンブルや、パチンコや宝くじ、スロットなどが当てはまります。
ギャンブル依存症は、金銭的な問題が深刻化する場合が多いです。生活費を掛け金に使い、多額の借金をしてまでもギャンブルをする方もいます。人によっては、人間関係のトラブルや法に触れる行為をしてしまうケースもあります。
インターネット・ゲーム障害
インターネット・ゲーム障害は、インターネットやゲームの使用に強い依存を示し、日常生活に支障をきたす病気です。2019 年に世界保健機関(WHO)によって疾病として認識されました。
インターネット・ゲーム障害は、社会生活に影響をおよぼす場合が多いです。インターネットやゲームに熱中するあまり、学校や会社の成績が落ちたり、部屋から出てこなかったりする方もいます。
買い物依存症
買い物依存症とは、買い物する行為に依存し、コントロールできなくなる状態です。買い物依存症には、精神的ストレスが大きく関係していることがわかっています。
買い物をするとストレスから一時的に逃れられるため、買い物自体が目的になっているのが特徴です。そのため、買った商品が本当に欲しいものとは限らず、購入後に罪悪感に襲われることもあります。
依存症のオンライン診療を受診するメリット
依存症で悩んでいる方のなかには「自分は本当に受診が必要なのだろうか」と疑問に感じている方もいるでしょう。
自分はまだ依存症ではない、と考えている場合であっても、少しでも依存症に対する不安がある場合は、ぜひメンタルクリニックを受診してみてください。
ここからは、依存症のオンライン診療を受診するメリットを4つ解説します。
自宅で診察が受けられる
オンライン診療の最大のメリットは、自宅で診察を受けられる点です。通院のための外出が困難な方や地方にお住まいの方、周りの目が気になる方でも安心して治療を受けられるでしょう。さらに、自宅から手軽に診察が受けられるため、継続的に治療が受けられる可能性も高まります。
エニキュアでは、予約から薬の受け取りまで、すべて自宅から1 歩も出ずに完結します。公式LINE から最短1 分で予約ができるため、まずは登録からはじめてみましょう。
コスト削減ができる
オンライン診察は自宅で診療が受けられるため、通院にかかる交通費や時間的コストの削減が可能です。近隣にメンタルクリニックがない場合、遠くのクリニックまで足を運ぶ必要があります。
メンタルクリニックの通院が1 回で終わることはほとんどないため、継続的に通院するには、金銭的にも時間的にも負担がかかります。
また、対面診療のクリニックでは、診療までに待ち時間がかかる場合も多いです。来院している患者さまの人数にもよりますが、長いときには1 時間ほど待つこともあります。
オンライン診療では、予約していた時刻にzoom などのビデオ通話アプリを開けばよいので、待ち時間の削減にもつながるでしょう。
必要なときにすぐ受診できる
オンライン診療は、必要なときにすぐに受診できます。対面診療のメンタルクリニックは予約待ちの場合が多く、1 か月〜半年先まで予約待ちの場合も少なくありません。患者さまの数に対して医師の数が不足しているからです。
オンライン診療では、予約した当日〜3 日以内には予約が取れます。ただし、薬物の影響を強く受けていたり、患者さま本人が診察に同意しなかったりする場合は、オンライン診療が受けられないこともあります。
薬局に行かずに薬を受け取れる
オンライン診療では、医師が適切な薬を処方し、患者さまの自宅まで郵送します。オンラインでの服薬指導も受けられるため、自宅にいながら医師や薬剤師の説明を受けられます。
ただし、抗うつ薬や抗精神病薬など、初診での処方が制限されている薬もあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
【関連記事】:オンライン診療の初診時に処方できない薬とは?薬の受け取り方法についても解説
エニキュアでも、薬を自宅まで郵送しています。中身や送り主がわからないように梱包されているため、安心して薬を受け取れるでしょう。
まとめ:依存症は専門医による治療とサポートが必要
依存症は、単なる本人の意志の弱さではありません。専門医に相談し、適切な治療とサポートを受ければ、症状が改善する場合もあります。依存症に悩んでいる場合は、1 人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。
オンライン診療を利用すれば、プライバシーに配慮しながら気軽に専門医の助言を求められます。
ただし、オンライン診療は症状が軽い患者さまに適しています。そのため、医師から対面診療をすすめられる場合もあることをご留意ください。
参考文献)
参考:https://www.ncasa-japan.jp/policy/support
依存症対策全国センター 依存症対策全国拠点機関、専門医療機関・治療拠点機関、依存症対策総合支援事業について
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
厚生労働省 依存症対策
参考:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/counseling/#:~:text=%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%89%E3%82%88%E3%81%84,%E3%81%AE%E3%81%8C%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
厚生労働省 カウンセリングについて カウンセリングの概要やメリットとは
参考:https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment-method/psychotherapy
依存症全国対策センター 依存症のための心理療法
参考:https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/section/internet/treatment.html
久里浜医療センター インターネット依存治療部門 (TIAR)
参考:https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment-method/drug-treatment-for-d
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依存症対策全国センター 薬物依存症のための薬物療法
参考:https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=819yAWLAzXBx5XZ5
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参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html
厚生労働省 依存症についてもっと知りたい方へ
参考:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201803/2.html#thirdSection
政府広報オンライン アルコール、薬物、ギャンブルなどをやめたくてもやめられないなら...それは「依存症」という病気かも。
参考:https://kokokoma-hosp.or.jp/about/dependence/
長野県立こころの医療センター駒ヶ根 依存症について
参考:https://www.ncasa-japan.jp/notice/alcoholism/sign
依存症対策全国センター アルコール依存症の症状とサイン
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厚生労働省 e-ヘルスネット 薬物依存症
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厚生労働省 e‐ヘルスネット 離脱症状
参考:https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/case/gamble_case.html
久里浜医療センター ギャンブル依存
参考:https://www.ncasa-japan.jp/notice/gambling/sign
依存症全国対策センター ギャンブル依存症の症状とサイン
参考:https://seimei-hp.or.jp/addiction/internet-addiction/
医療法人十全会 聖明病院
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12205250/000759249.pdf
厚生労働省 第2 回ゲーム依存症対策関係者連絡会議 インターネット・ゲ一ム障害(Inter
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参考:https://www.ohishi-clinic.or.jp/shopaholic/
大石クリニック 買い物依存症
参考:https://stressmental.com/shopping-dependence#a2
赤羽すずらんクリニック 買い物依存症は精神病?
参考:https://www.toyoda-clinic.jp/columns/psychosomatic-telemedicine/
心療内科・精神科とよだクリニック 心療内科・精神科とオンライン診療について
参考:https://umemoto-homeclinic.com/psychiatry-cannot-make-an-appointment/
梅本ホームクリニック 精神科はなぜ予約が取れない?精神科を受診する際の注意点につい
ても解説
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000840247.pdf
厚生労働省 本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提日言
p13 XI 精神系の症状