適応障害セルフチェックリスト|こころ・からだ・行動15項目

監修者紹介
反町佳穂子
都立病院精神科、精神科病院、心療内科クリニック、企業産業医、大学校医などで精神科医師として従事
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「最近、仕事のことを考えると気持ちが沈む」

「身体の不調が続いていて、でも病院に行くほどでもないかと思っている」

そのような方のために、この記事では適応障害セルフチェックリスト(15項目)を提供します。

ただし、セルフチェックはあくまで受診を検討するための目安です。正確な診断は精神科・心療内科での問診が必要です。まず自分の状態を把握する第一歩として、ご活用ください。


適応障害とは?チェック前に知っておくこと

適応障害とは?チェック前に知っておくこと

適応障害のセルフチェックに入る前に、まずは適応障害とはどのような状態なのかを正しく理解しておくことが大切です。ここでは、その定義や特徴、どのくらいの人が経験する可能性があるのかを解説します。


定義と特徴

適応障害とは、特定のストレス因(職場環境・人間関係・ライフイベントなど)への反応として、情緒的・行動的な症状が現れる状態です。ICD-10(国際疾病分類)では精神疾患として位置づけられています。

最大の特徴は、ストレス因から離れると症状が和らぐこと。特定の職場・人物・状況を考えたり接したりするときに症状が強くなり、それと関係のない場面では比較的楽に過ごせるという反応性の高さが他の疾患と異なる点です。


適応障害はどのくらいの人が経験する?

厚生労働省のデータでは、精神・行動の障害による傷病手当金の受給者数が年々増加しており、そのなかでも適応障害は職場関連のメンタルヘルス問題で特に多く見られる診断名の1つです。


セルフチェックリスト15項目

セルフチェックリスト15項目

以下の項目で最近2週間で、週3回以上あてはまるものをチェックしてください。

※このチェックは診断ではありません。受診の目安としてご活用ください。


【精神の症状】5項目

□ 1. 特定の場所や状況(職場など)を思い浮かべると、気持ちが沈んだり不安になったりする

□ 2. 憂うつな気分・涙もろさが続き、理由もなく悲しくなることがある

□ 3. 将来への希望が持てず、「もう消えてしまいたい」「逃げ出したい」と感じる

□ 4. 集中力・判断力が落ち、仕事や家事でミスが増えた

□ 5. 以前は楽しめていたことに関心・意欲がわかなくなった


【身体の症状】5項目

□ 6. 睡眠に問題がある(寝つけない・夜中に何度も目が覚める・朝早く目が覚める)

□ 7. 食欲の著しい変化がある(食べられない、または過食気味になった)

□ 8. 頭痛・肩こり・胃の不快感など身体の不調が続いているが、内科的な原因は見当たらない

□ 9. 疲労感が強く、十分に寝ても疲れが取れない

□ 10. 動悸・息苦しさ・手足のしびれなど、身体的な緊張症状がある


【行動の症状】5項目

□ 11. 職場・学校などに行けない日・行きたくない朝が続いている

□ 12. 人と会うことを避けるようになり、引きこもりがちになった

□ 13. アルコール量が増えた、または衝動的な行動(過食・過剰支出など)が増えた

□ 14. 物事を後回しにする・先延ばしする傾向が強くなった

□ 15. 自分を責める思考(「自分がダメだから」「迷惑ばかりかけている」)が繰り返される


チェック数と受診の目安

チェック数

状態の目安

推奨アクション

0〜2個

今のところ大きな問題はない可能性が高い

継続的に自身の状態を観察

3〜5個

ストレス反応が出始めているサイン

生活習慣の見直し+経過観察。症状が続くなら相談を

6〜9個

受診を検討すべき水準

精神科・心療内科への受診を推奨

10個以上

早急な専門家への相談が必要

できる限り早めに受診を




特に注意が必要な項目

上記のどの数に当たる場合でも、項目3(消えてしまいたい)にチェックが入った場合は、早めに精神科・心療内科を受診してください。「消えてしまいたい」という気持ちは、適応障害・うつ病を問わず、緊急の対応が必要なサインです。


適応障害と間違えやすい疾患との違い

適応障害と間違えやすい疾患との違い

セルフチェックである程度の目安はわかりますが、以下の疾患と区別するには専門家の診断が必要です。


うつ病との違い

比較項目

適応障害

うつ病

ストレス因との関連

明確なストレス因がある

必ずしも明確でない場合も

症状の波

ストレス因から離れると和らぐ

状況に関係なく続く

持続期間

ストレス因消失後6ヶ月以内に回復することが多い

数か月〜年単位で続くことも

重症度

軽〜中等度が多い

中〜重度になることも



重要:適応障害が悪化・長期化するとうつ病に移行することもあります。「適応障害だと思っていたのに実はうつ病だった」というケースも珍しくなく、だからこそ専門家の診断が重要です。


燃え尽き症候群(バーンアウト)との違い

燃え尽き症候群は職業性のストレスによる疲弊で、適応障害と症状が重なることもあります。ただし燃え尽き症候群は精神疾患の診断名ではなく、適応障害・うつ病などの背景になるプロセスとして扱われます。


PTSDとの違い

PTSDは強いトラウマ体験のあとに生じる障害で、適応障害とは引き金となる出来事の性質が異なります。ハラスメント被害など、職場での出来事がトラウマになっている場合はPTSDと適応障害が混在することもあります。


なりやすい人の特徴と環境

なりやすい人の特徴と環境

ここでは、適応障害になりやすい人にみられる性格・気質的な傾向と環境的なリスク要因を解説します。


性格・気質的な傾向

適応障害になりやすい傾向として、以下のような特性が指摘されています。ただしこれらは「弱さ」ではなく、真面目さや責任感の強さが背景にあることがほとんどです。


・完璧主義・几帳面な傾向

・他人の評価を気にしやすい・断れない

・物事を深く考えすぎる(反芻思考)

・自己批判が強い


環境的なリスク要因

・長時間労働・過重な業務負担

・上司・同僚との関係のトラブル

・ハラスメント(パワハラ・セクハラ)

・転勤・部署異動・役職変更などのライフイベント

・育児・介護との両立による負担


エニキュアの無料オンラインチェックツール案内

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よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

ここでは、診断や受診、治療に関するよくある質問にお答えします。適応障害のセルフチェックや受診を考えるなかで、多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。


Q. このチェックリストだけで適応障害かどうかわかりますか?

A. セルフチェックは受診を検討するための目安です。正確な診断には精神科・心療内科での問診と医師の判断が必要です。


Q. 会社に知られず診察を受けたいのですが、可能ですか?

A. 可能です。医療機関は患者の同意なしに会社に情報を開示する義務はありません(医師の守秘義務)。オンライン診療なら職場の近くに行く必要もなく、プライバシーが保たれます。


Q. チェック数が少なくても「なんか変」という感覚がある場合はどうすればいいですか?

A. チェック数が少なくても、「以前の自分と違う」「ずっと気分が晴れない」という感覚がある場合は受診の理由として十分です。数字より「自分の感覚」を信じてください。


Q. 適応障害の治療はどんなことをするのですか?

A. 主に3つのアプローチです。まず環境調整が優先されます。


1.環境調整(ストレス因を取り除く・減らす)

2.精神療法(認知行動療法・カウンセリング)

3.薬物療法(抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬など、症状に応じて)


まとめ:適応障害は早めの気づきが回復への第一歩

まとめ:適応障害は早めの気づきが回復への第一歩

適応障害は、職場や人間関係など特定のストレス因への反応として心身に症状が現れる状態です。今回のセルフチェック15項目のうち、チェックが6個以上ついた場合は、精神科・心療内科への受診ををおすすめします。

また、適応障害はうつ病・バーンアウト・PTSDとの違いは、セルフチェックだけで判断できるものではなく、医師による診断が欠かせません。チェック数が少なくても、「以前の自分と違う」「なんか変」という感覚があれば、それは受診を考える大切なサインです。数字だけにとらわれず、自分自身の感覚を信じてください。

一人で抱え込まず、まず自分の状態を医師に診てもらうことが回復の第一歩です。

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