通院をやめてから、また仕事の困りごとが増えてきた人へ
「一度やめてしまった通院を、いまさら再開していいのかな」
「予約をすっぽかしたまま行かなくなったから、気まずくて連絡しづらい」
「最近また、通院していた頃と同じような困りごとが仕事で増えてきた気がする」
以前は精神科や心療内科に通っていたけれど、いつのまにか足が遠のいてしまった。そして最近、仕事のなかでまた以前と似た困りごとが顔を出しはじめている——。そんなとき、多くの方が「戻りたい気持ち」と「気まずさ」のあいだで立ち止まります。
この記事は、通院を中断したこと自体を責めるものではありません。中断は治療の経過のなかでよく起こることであり、再開を考えるのに特別な理由や覚悟は必要ない、ということをお伝えするための記事です。
この記事でわかることは、次のとおりです。
- 通院の中断は珍しいことではなく、責められる理由にはならないこと
- 「また困りごとが増えてきた」と感じたとき、再開を考えてよいサイン
- 再開の診察は「ゼロからのやり直し」ではないこと
- 仕事を続けながら再開しやすい、オンラインという選択肢
通院をやめたこと自体は、珍しいことではありません
精神科・心療内科の通院が途中で途切れることは、実際には少なくありません。中断に至る理由もさまざまです。
- 仕事が忙しくなり、予約の時間がとれなくなった
- 症状が落ち着いてきて、「もう行かなくても大丈夫かも」と感じた
- 予約の変更やキャンセルの連絡が負担になり、そのままになった
- 費用や移動の負担が積み重なった
- はっきりした理由はないけれど、なんとなく足が遠のいた
どれも、通院を続けるなかで多くの方に起こりうることです。特にADHDの特性がある方の場合、予約の管理や定期的な通院そのものが負担になりやすく、「行かなくなってしまった」こと自体が特性と関係している場合もあります。
にもかかわらず、多くの方は中断を「自分の意志が弱かったせい」と捉え、その罪悪感が再開のいちばん大きなハードルになってしまいます。実際には、医療機関の側にとって通院の中断と再開はよくあることで、再開の連絡が特別扱いされるようなことはありません。
通院が途中で空いてしまうことは、精神科の外来では日常的にあることです。症状が落ち着いて足が遠のくのは自然な流れでもあり、私たちはそれを責めることはありません。むしろ、困りごとが戻ってきたときに「また相談しよう」と思い出していただけることのほうが大切だと考えています。期間が空いていても、そのことを気にせず連絡していただいて大丈夫です。
「また増えてきた」は、気のせいとは限りません
通院をやめてからしばらくは問題なく過ごせていたのに、最近になってまた困りごとが増えてきた——。そう感じている場合、それは気のせいや甘えではなく、状況の変化を映している可能性があります。
ADHDの特性による困りごとは、常に同じ強さで現れるわけではありません。仕事の負荷や環境とのバランスによって、目立つ時期と目立たない時期があります。たとえば、担当業務が増えた、部署の体制が変わった、家族の予定と仕事の調整ごとが重なった——そうした負荷の変化をきっかけに、それまで抑えられていた困りごとが再び表に出てくることがあります。
また、「一度は落ち着いていたのだから、いまの困りごとは特性とは関係ない気がする」と感じる方もいます。しかし、落ち着いていた時期があったこと自体は、特性がなくなったことを意味するわけではありません。当時は治療や環境との組み合わせがうまく働いていた、と考えるほうが実態に近い場合もあります。
つまり、「通院をやめたから悪くなった」と単純に自分を責める必要はありませんし、逆に「環境のせいだからそのうち戻るはず」と我慢し続ける必要もありません。負荷と特性のバランスが変わってきているのなら、それはもう一度専門家と一緒に状況を見直してよいタイミングだと考えられます。
再開を考えてよいサイン——「通院していた頃」との比較で見る
再開のタイミングに迷ったときは、いまの状態を「通院していた頃」「中断した直後」と比べてみると判断しやすくなります。次のような変化があれば、再開を考えるサインといえます。
- 中断前に相談していたのと同じ種類の困りごとが、仕事のなかでまた目立ちはじめた
- 通院していた頃には回っていた自分なりの対処が、最近は追いつかなくなってきた
- 「そのうち落ち着くはず」と様子を見てきたが、数週間〜数か月たっても変わらない、または増えている
- 通院の再開が何度も頭をよぎるのに、気まずさを理由に先延ばしにしている
最後のサインは見落とされがちですが、大切なポイントです。「再開しようかな」と繰り返し考えている時点で、心のどこかが助けを求めているサインともいえます。その気持ちを、気まずさだけで打ち消してしまうのはもったいないことです。
なお、再開のためにきっかけや区切りのよいタイミングを待つ必要はありません。「はっきり悪化したと言えるほどではないけれど、気になっている」という段階での相談でも、まったく問題ありません。
受診はオンラインでもできます
エニキュアでは、初診からオンラインで精神科・心療内科に相談できます。朝8時〜夜24時まで、土日も診療しているため、仕事を続けながらでも、勤務の前後や休日に相談しやすい体制です。以前の通院で「仕事と通院時間の調整」が負担だった方にとっても、再開のハードルを下げやすい選択肢です。
受診前には事前の問診票があります。これまでの通院の経緯をうまく説明できるか不安でも、診察では医師が必要なことを質問しながら確認していくため、準備が完璧でなくても大丈夫です。
診察では、ADHDかもしれないという不安や通院再開の相談だけでなく、仕事の困りごと、不眠、不安、気分の落ち込み、必要に応じた診断書についても相談できます。医師が処方した薬は、配送に対応できる場合があります。
なお、心理検査や一部のお薬など、オンラインでは対応できないものもあります。その場合は、診察のなかで医師が必要な選択肢をご案内します。
再開の診察は、ゼロからのやり直しではありません
「せっかく続けていた治療を中断してしまったから、また一からやり直しになる」と考えて、再開をためらう方は少なくありません。しかし、実際の再開の診察は、ゼロからのやり直しとは違います。
まず、以前に通院していたという事実そのものが、診察の大きな手がかりになります。どんな困りごとで受診したのか、通院していた期間はどのくらいか、通院中は何がどう変わったのか——覚えている範囲のことで構いません。これらは、初めて受診する方にはない情報です。
さらに、中断していた期間の経過も、それ自体が大切な情報になります。通院をやめてからしばらく安定していたこと、どんな変化をきっかけに困りごとが戻ってきたのか。医師はそうした流れから、いまのあなたに必要な選択肢を一緒に検討していきます。
つまり、中断していた期間は「無駄になった時間」ではなく、「治療を続けた場合と続けなかった場合の経過がわかる期間」として、これからの相談に活きてきます。記憶があいまいな部分があっても、診察のなかで医師が質問しながら確認していくので、正確に思い出してから受診しようと構える必要はありません。
再開の診察では、以前の通院内容を完璧に説明していただく必要はありません。「いつ頃、どんな困りごとで通っていたか」「やめてからどう過ごしていたか」を覚えている範囲でうかがえれば、十分な手がかりになります。中断していた期間の様子は、今後の治療方針を考えるうえでむしろ貴重な情報です。一からのやり直しではなく、これまでの経過の続きとして一緒に考えていきましょう、というのが私たちの姿勢です。
よくある質問
Q1. 以前と同じ医療機関に戻らないといけませんか?
いいえ、必ずしも同じ医療機関である必要はありません。以前の主治医のもとで再開する方もいれば、通いやすさや生活の変化に合わせて別の医療機関で相談を再開する方もいます。別の医療機関で相談する場合も、以前の通院の経緯を覚えている範囲で伝えれば、それをふまえて診察が進められます。どちらを選んでも、これまでの経過が無駄になることはありません。
Q2. 通院を中断したことを、医師に注意されませんか?
診察は、中断を責めたり注意したりする場ではありません。通院の中断はよくあることとして受け止められますし、中断の理由(忙しさ、症状の落ち着き、連絡のしづらさなど)も、そのまま正直に伝えて大丈夫です。むしろ、その理由自体が「今後どうすれば治療を続けやすいか」を一緒に考える材料になります。
Q3. 以前に飲んでいた薬の名前や量を覚えていなくても、再開できますか?
覚えていなくても再開できます。お薬手帳や処方の記録が手元にあれば診察の参考になりますが、なくても、覚えている範囲のこと(飲んでいた時期や、飲んで感じた変化など)を伝えれば、医師が診察のなかで必要なことを確認していきます。記録を探し出してから受診しようと考えて、相談を先延ばしにする必要はありません。
Q4. どのくらい期間が空くと、「再開」ではなく最初からになりますか?
受付上の扱い(再診か初診か)は、空いた期間や医療機関によって異なります。ただし、扱いが初診になったとしても、以前の通院歴や経過が診察の手がかりになることに変わりはありません。「期間が空きすぎたからもう遅い」ということはないので、期間の長さを理由に相談をあきらめる必要はありません。
まとめ
通院の中断は珍しいことではなく、あなたの意志の弱さを示すものでもありません。そして、仕事のなかでまた以前と似た困りごとが増えてきたと感じているなら、それは再開を考えてよいサインです。
再開の診察はゼロからのやり直しではなく、これまでの通院と中断期間の経過が、そのまま相談の手がかりになります。以前のことを完璧に説明できなくても、診断や経過があいまいなままでも大丈夫です。気まずさを理由に先延ばしにしてきた気持ちごと、そのまま相談してみてください。
なお、いま気持ちのつらさが強く、一人で抱えるのが難しいときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」で電話やSNSの相談窓口が案内されています。緊急のときは、こうした窓口も頼ってください。
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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。体調や治療に関する判断は、必ず医師にご相談ください。
運営: エニキュア|オンライン精神科・心療内科
