- トップ
- 記事一覧
- 病気・症状の記事一覧
- ぐるぐる思考(反芻思考)が止まらない?原因と対処方法について解説!
ぐるぐる思考(反芻思考)が止まらない?原因と対処方法について解説!
- 1.はじめに
- 2.ぐるぐる思考(反芻思考)とは?
- 3.ぐるぐる思考(反芻思考)になりやすい人の特徴
- 4.マイナス思考が止まらない:ぐるぐる思考(反芻思考)の原因
- 5.マイナス思考を止めたい:ぐるぐる思考(反芻思考)の治療法と対処法とは
- まとめ:ぐるぐる思考(反芻思考)が止まらない
1.はじめに
「あの時、こうしておけばよかったな」「なんでこんなことをしてしまったんだろう」とネガティブな考えが頭の中でぐるぐると巡り続け、ずっと考え続けてしまうことはありませんか?
これは、「ぐるぐる思考」と呼ばれ、「反芻(はんすう)思考」ともいいます。「ひとり反省会」で認識している人もいるかもしれません。
反芻思考の語源は、牛など哺乳類が一度咀嚼して胃に送って紹介したものを、再び口に戻して咀嚼する、草食動物の食べ物の接種方法からきています。
過去のネガティブな出来事を思い出しては気分が落ち込む、ということが反芻と類似しているため、「反芻思考」と呼ばれています。
ぐるぐる思考は、うつ病など様々な心の病気で現れやすい症状ですので、早めに心療内科で治療をすることが望ましいです。
本記事では、ぐるぐる思考(反芻思考)のメカニズムから、原因、治療・対策方法等について詳しく解説します。
2.ぐるぐる思考(反芻思考)とは?
ぐるぐる思考(反芻思考)とは、「過去に起きた辛い出来事や失敗など、ネガティブな出来事を思い出し、過度に繰り返し悩んでしまう考え方」です。
「なぜあの時失敗してしまったのか」と過去に起きた出来事についてぐるぐると考え込んでしまいます。
反芻思考の例
反芻思考の例として、以下のようなケースがあります。
・気分が乗らなかったので飲み会を断ったものの、家に帰ると「やっぱり行けばよかったかな」と後悔の気持ちがぐるぐると浮かんでしまう
・友人と遊びに行ったが、一人になった瞬間「あの時言わないほうが良かったのかな」「もっとこういう発言をするべきだったかな」と反省の気持ちがぐるぐると頭に残ってしまう
・相手のちょっとした表情を気にしてしまい、「自分は何か悪いことをしたかな」とぐるぐる考えてしまう
・随分前の過去の自分の発言や行動を急に思い出し、恥ずかしい気持ちになるなど、ぐるぐると考えてしまう
・失敗を経験した後に、「自分には価値がないから何もできない人間なんだ」など過去の自分を否定する考え方で頭がいっぱいになってしまう
ぐるぐる思考(反芻思考)には2つのタイプがある
ぐるぐる思考(反芻思考)には2つのタイプがあります。
「リフレクション(Reflection)」と「ブルーディング(Brooding)」です。*1)
ぐるぐる思考が全てが悪いというわけではなく、「良い反芻思考」もあります。
⚫︎リフレクション(Reflection)
リフレクションとは、過去に起きたネガティブな出来事が起きた「理由」にフォーカスして振り返る反芻思考です。
なぜあの失敗が起きたのか原因を自己分析し、次に生かそうとする考え方です。
失敗は成功の元という言葉通り、失敗を未来の成功に生かそうとするマインドを持ちます。
この反芻思考はうつ病等の心の病気とは関連性が低く、「自己成長につながる反芻思考」と言えます。
⚫︎ブルーディング(Brooding)
ブルーディングとは、失敗の理由を自分の無力さのせいにしたり、自分の周りの環境のせいにするなど、過去の自分自身の否定、自分を取り巻く環境を原因とする反芻思考です。
過去の自分や環境に不満を募らせ、ネガティブな感情を溜め込んでしまいます。
この反芻思考はうつ病等の心の病気と強く関係性があり、悪い反芻思考です。

反芻思考が伴いやすい心の病気や障害
ぐるぐる思考(反芻思考)は以下のような障害を持っている場合、見られやすい病気です。
①ADHD(注意欠如・多動症)
反芻思考は、ADHDの特徴の1つです。
ADHDの特性として物忘れや注意散漫なことが多いため、日常生活で注意されることも多く、ぐるぐると反省と思考を繰り返しストレスが溜まることも多いです。
以下の記事でも詳しく解説しています。
②ASD(自閉スペクトラム症)
ASDはこだわりが強く、感情の起伏が激しいのが特徴です。
そのため、人とのコミュニケーションがうまく取ることができず、注意をされストレスを抱えることも多いため、過去の失敗や注意されたことを忘れることができず、反芻思考に陥りやすいです。
以下の記事でも詳しく解説しています。
③うつ病、双極性障害
うつ病の原因として、反芻思考が挙げられます。
ぐるぐると考えてしまう内容としては、「自己批判」「後悔」などがあるため、反復してネガティブなことを考え続けることで、うつ状態に陥りやすいです。
以下の記事でも詳しく解説しています。
④不安障害・強迫性障害・パニック障害
反芻思考の特徴としては、まだ何も起きてはいないのにも関わらず、未来に起きることを先読みしてぐるぐると考えてしまうことがあります。
過去に起きたことに対して考え続けてしまうだけではなく、過度な不安から、将来に起きるであろう不安の原因について、ぐるぐると思考が止まらなくなることがあります。
以下の記事でも詳しく解説しています。
⑤気分変調症
気分変調症は1日中抗うつ状態が長期間続くのが特徴です。
そのため、慢性的に抗うつ気分が続くため、否定的な部分に目が行き、ネガティブな思考が習慣化するようになります。
3.ぐるぐる思考(反芻思考)になりやすい人の特徴
反芻思考になりやすい人の特徴には、どのようなものがあるでしょうか。ここでは、なりやすい人の特徴をご紹介します。
ぐるぐる思考になりやすい人の特徴
ぐるぐる思考(反芻思考)になりやすい人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
①完璧主義、真面目
自分の発言や行動に責任をしっかり持っているため、あの時の自分の発言、行動は適切だったのか、誰かに迷惑をかけてしまっていないかなど、自分の発言・行動1つ1つに反省をすることが多いです。
また、誰かに注意をされた時にも、真面目で完璧主義な人は全てをそのまま受け止め、反省を繰り返し、自分は何がダメだったのかぐるぐると考えてしまうことがあります。
真面目に反省をして次に生かすことができる、自己成長のために反省をすることは素晴らしいことです。
しかし、自分の価値を否定し始めたり、ネガティブな感情を溜め込むだけの反芻思考はうつ病につながる可能性も高まるので、注意が必要です。
②繊細で周りの目を気にする
相手の表情や発言に敏感になるので、ちょっとしたことでも「相手に何か悪いことをしたかな」「相手は私を嫌っているのではないか」など、マイナスに捉えてしまうことがあります。
③ひとりで抱え込むことが多い
周りの気持ちを気にするので、「こんな自分の悩みを相談するのはなんか申し訳ない」などと思ってしまい、周囲に相談することが苦手な人が多いです。
そのため、モヤモヤした気持ちを自分で溜め込んでしまいがちです。その結果、ぐるぐるとネガティブな感情が反復してしまうことがあります。
④優しくて自分よりも周りを優先する
周りに優しく思いやりを持つことは素晴らしいことです。
しかし、一番優しく大切に扱わなければいけない人は、「自分自身」ということを忘れてはいけません。
相手に気を遣い、周囲の表情や空気感を確認する癖がついているので、周囲の反応を過度に気にすることがあります。
4.マイナス思考が止まらない:ぐるぐる思考(反芻思考)の原因
生活に支障をきたすほど意図しない反芻思考が繰り返される場合、なぜ反芻思考が起きてしまうのか原因を知っておく必要があります。
反芻思考の原因をいくつか解説します。
①目標と現実の乖離があるから
反芻思考が何度も繰り返される原因の1つとして、「目標と現実との間に乖離が存在する」ことが挙げられます。 *2)
自分が掲げている目標と現実との間に差があると感じた時や、目標達成が難しいと感じた時、ネガティブな感情が生まれ反芻思考が生まれやすいです。
対処法としては、目標達成のために行動をする、目標自体を修正する、方法などが挙げられます。
反芻思考になりやすい人は完璧主義で真面目な人が多いため、目標をとても高く設定している場合があります。
向上心が高いことは素晴らしいことですが、差を大きく感じてただただ落ち込んでしまっては意味がありません。小さい目標から設定し、達成したら大きくしていく、など修正してみることも大切です。
②注意の抑制が効かなくなるから
もう1つの原因は、注意の抑制が効かなくなることが挙げられます。 *3)
つまり、ストレスや抗うつ状態から、思考の流れが中断され、注意が削られ反芻思考が促進されます。
反芻思考自体に注意が集中するため、目の前のことに注意が向かず反芻思考が持続してしまうのです。
③ネガティブな気分状態であるから
反芻思考は、抗うつ状態を含むネガティブな気分の状態の時に陥りやすいと言われています。「気分一致効果」と言われる、特定の気分が生まれると、その気分と一致する情報の深い記憶が思い返される現象が起きているからです。 *4)
そのため、イライラした気分の状態の場合、イライラと関連する情報が思い出され反芻思考が生じ、反芻思考により生まれたイライラの気分がさらに反芻思考を悪化させる悪循環を生み出します。
④反芻思考に対する期待があるから
反芻思考の傾向が強い人の約80%が、反芻思考が将来の失敗を防ぐことに繋がっている、自己意識の向上に繋がっていると考えています。*5)
つまり、反芻思考の傾向が高い人は、反芻思考に対してポジティブな捉え方をしているのです。
「反芻思考をしないと将来に起きる失敗を防げないかもしれない」「反芻思考をしなければ現状が悪くなる」などという不利益の考え方も、反芻思考を増加させている原因になります。
5.マイナス思考を止めたい:ぐるぐる思考(反芻思考)の治療法と対処法とは
ぐるぐる思考(反芻思考)は大きなエネルギーを消費するため、疲労やストレスが溜まりやすいです。このぐるぐると考えてしまう癖を断つ方法はあるのでしょうか。
ここでは、ぐるぐる思考(反芻思考)の専門的な治療方法と、自分でできる効果的な対処法について解説します。
反芻思考は大きな心の病気を伴う場合もあったり、うつ病になる可能性も高いので、早めに治療することが必要です。
専門家による治療方法はあるの?
反芻思考で抗うつに苦しむ場合は、心療内科を受診しましょう。反芻思考を止めるために、様々な治療方法を受けることができます。
認知行動療法
認知行動療法とは、「認知」機能に焦点を当て、本人の凝り固まった思考を柔軟にほぐし、新しい物事の捉え方、気づきを発見してもらう治療法です。
考え方の癖を見つけ、ネガティブな思考になってしまう考え方自体を変えることができます。
TMS治療
鬱に関わる前頭葉を磁気で刺激し、脳のケアをする副作用がほどんどない治療法です。
うつ病やパニック障害などの精神疾患全般に効果があります。

自分でできる!ぐるぐる思考を断ち切る対処法
病院に行くほどまで抗うつ状態が重いというわけではない、という場合にできる、セルフケアをご紹介します。
マインドフルネス
ぐるぐる思考による抗うつ症状がそこまで重くない場合は、マインドフルネスで改善する場合があります。
マインドフルネスとは、過去や未来の心配事、雑念を取り払って、「今の自分」に意識を集中させありのままを受け入れる心のあり方を指します。
リラックスし、判断や妄想をせず、今の自分をじっくりと観察をします。
例えば、「今日これを終わらせないと」など何かを判断しながらコーヒーを朝飲むのではなく、香りや温度を感じ、今目の前のことに集中してリラックスしてみるなどがあります。
マインドフルネスを実践することで、「今、過去のことを考え続けているな」「今に集中していないな」など反芻思考をしている自分に気が付くことができ、心配事から距離を取るトレーニングになります。
マインドフルネスの状態にする「マインドフルネス瞑想」もおすすめです。姿勢を正し、雑念を取り払い、呼吸に意識を集中するものです。
ネガティブな思考から距離を起き、メンタルヘルスの安定に効果があります。
運動をして体を動かす
激しい運動を長時間する必要はないですが、ランニングや適度に息がきれる運動がおすすめです。
運動している間は、ぐるぐるとした思考からは距離を置くことができるので、反芻思考を伴う様々な精神疾患の改善に効果があります。
体を動かす運動習慣を日常に取り入れていきましょう。
自然の中を散歩
都市に住んでいる場合、自然のある環境で散歩をするのはなかなか難しいですが、できるだけ人が少ない場所、会社から離れた場所など、ネガティブな感情が反芻しずらい場所を散歩できると良いでしょう。
スタンフォード大学の研究結果によると、自然の中と都市環境の中で90分散歩した結果、自然の中で散歩する方がぐるぐる思考(反芻思考)が起きる頻度が減少すると言われています。*6)
自分の好きなことをして注意をそらす
過去のことや未来への不安が頭の中をぐるぐると回っている時には、自分の好きなことをして、一旦注意をそらしてみましょう。
「考えないようにする」というのはなかなか難しいので、好きなことをすることで、自然に意識をそらすことができます。
思考の原因から遠ざかる
何度も反芻思考が起きる場合、反芻思考になってしまう原因、きっかけを探ることが必要です。
もし、ある特定の場所に行くと過去のことを思い出してしまったり、ぐるぐる思考が始まってしまう場合は、その場所を避けることで反芻思考を改善することができます。
例えば、あるお店に行くと反芻思考が始まってしまう場合は、そのお店の利用を避けることで改善するかもしれません。
.png)
もしかしたらうつ病かも?まずはセルフチェックをしてみよう
「ぐるぐる思考が止まらずマイナスの感情が止まらない。もしかしたらうつ病になっているのかも」など不安が止まらない人も多いと思います。
反芻思考はうつ病などの心の病気と深く関係があるため、早めに早期発見・早期治療をすることが何よりも大切です。
自分の症状がどんな病気に関連するか気になる方は、症状チェッカーで確認することができます。あなたの気になる症状から該当する心の病気を調べます。
まとめ:ぐるぐる思考(反芻思考)が止まらない

ぐるぐる思考は誰にでも起こりうる症状でもあり、精神疾患に繋がる危険性が高い症状です。
特に完璧主義で真面目な人に起きやすい症状ですので、ネガティブ思考のループに陥りやすいです。
まずはマインドフルネス、軽い運動、瞑想などをしてみるなど、日常生活でできる改善方法から始めてみましょう。
心の病気が伴う症状ですので、抗うつ状態が強くなってきた場合は、早めに心療内科・精神科の受診をし、専門的な治療を始めることをおすすめします。
参考文献
*1)”大学生の抑うつ予防を目的とした反すうへの予防的介入アプローチ”, 田渕梨絵・及川恵,2015-9-16,, (参照2024-3-26)
*2)”高反すう傾向者をターゲットとした気晴らしの 有効性についての検討 ”,石川 遥至, (参照2024-3-26)
*3)”高反すう傾向者をターゲットとした気晴らしの 有効性についての検討 ”,石川 遥至, (参照2024-3-26)
*4)”気分一致効果を巡る諸問題”,伊藤美加, (参照2024-3-26)
*5)”反芻に対する肯定的信念と反芻・省察”,高野慶輔・丹野義彦, (参照2024-3-26)
*6)Gregory N. Bratman, J. Paul Hamilton, Kevin S. Hahn, Gretchen C. Daily, and James J. Gross(2015), Nature experience reduces rumination and subgenual prefrontal cortex activation, (参照2024-3-26)
24時間予約可能、本日受診できます
LINEで簡単予約