パニック障害とはどんな症状?
パニック障害は、突如として襲う強烈な不安発作が特徴です。心臓が締め付けられるような動悸、息苦しさ、めまい、胸の痛み、死への恐怖など、一瞬にして激しい苦痛に包まれます。そのため人混みや外出が困難になることもありますが、これは「自身が制御不能な不安」に直面した状態です。正しい治療や呼吸法の習得、徐々に恐怖刺激へ慣れる訓練などにより、発作への恐れを和らげ、生活範囲を取り戻すことは可能です。
パニック障害になりやすい人の共通点は?
パニック障害は誰でもなる可能性がある病気ですが、特定の傾向を持つ人がなりやすいことが分かっています。ここでは医学的な観点から、パニック障害になりやすい人の特徴を解説します。
生まれ持った体質や性格的な要因
パニック障害には遺伝的な要因が関係していることが分かっています。例えば、一卵性双生児の研究では、片方がパニック障害を発症すると、もう片方も20~40%の確率で発症するというデータがあります。性格面では、几帳面で責任感が強い人、心配性な傾向がある人、ストレスを溜め込みやすい人がなりやすいとされています。また、内向的で気配りができる優しい性格の人も要注意です。これらの性格的な特徴を持つ人は、日常生活での些細なストレスや不安を抱え込みやすく、それが蓄積することでパニック障害の引き金となる可能性があります。
年齢や性別による傾向
パニック障害は特定の年齢層や性別で発症しやすい傾向があります。発症のピークは20代から30代前半で、特に社会人として責任ある立場に就き始める時期と重なります。性別では女性の方が男性よりも2~3倍発症率が高いことが報告されています。この年代は仕事や結婚、出産など、人生の大きな転換期を迎えることが多く、環境の変化によるストレスが大きくなりやすい時期です。また、女性の場合はホルモンバランスの変化も影響している可能性が指摘されており、避妊薬の服用や妊娠・出産に伴うホルモンの変動が発症のきっかけとなることもあります。
生活習慣やストレス環境
パニック障害の発症には、日々の生活習慣やストレス環境が大きく影響します。特に睡眠不足や過労が続いている人、仕事や人間関係で強いストレスを抱えている人は要注意です。また、カフェインの過剰摂取や不規則な食生活なども発症リスクを高める要因となります。過度な運動不足や、反対に激しい運動による身体的なストレスも影響することがあります。さらに、電車やバスなどの密閉された空間に苦手意識がある人、人混みが苦手な人は、そのような場所でのストレスが蓄積することでパニック障害を発症するリスクが高まります。予防には、規則正しい生活リズムを保ち、適度な運動を心がけることが大切です。
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