「あなたも相談していい」——介護する人の、受診の許可
「私の場合は、受診するほどじゃない」
「介護されている本人のほうが大変なんだから」
「行くとしても、もっと落ち着いてから」
介護をしている人が自分の受診を考えるとき、頭の中では、行かない理由が次々と挙がります。この記事は、その一つひとつに答えるための記事です。
結論から言います。介護をしているあなたは、相談していい。受診に、立派な理由はいりません。ここでは、受診をためらわせる代表的な5つの声に、順番にお答えしていきます。
この記事でわかることは、次のとおりです。
- 受診をためらわせる5つの声と、それぞれへの答え
- 「受診に理由はいらない」の意味
- 初めての受診で起きること
- 今日から使える、いちばん負担の少ない受診の形
受診をためらわせる5つの声に、答えます
①「受診するほどじゃない」
「受診するほど」の基準を、あなたはどこに置いているでしょうか。動けなくなったら。診断名がつきそうなら。もしそうなら、その基準は高すぎます。
精神科・心療内科は、重症の人だけの場所ではありません。眠りが浅い、疲れが取れない、気分が沈みがち——その段階から相談できる場所です。軽いうちの受診は「大げさ」ではなく、軽いうちに済ませる賢い選択です。
②「本人のほうが大変だから」
介護される方の大変さと、支えるあなたの大変さは、比べるものではありません。両方が、それぞれに本物です。
そして実際のところ、あなたの心身が整っていることは、介護される方の利益でもあります。あなたの受診は、本人の大変さを差し置いた贅沢ではなく、支える体制を保つための手当てです。順番を譲り続ける必要はありません。
③「もっと落ち着いてから」
介護のある生活に、「落ち着いたら」は、なかなか来ません。次の手続き、次の体調変化、次の調整——待っているあいだに、あなたの消耗だけが進みます。
落ち着いてから受診するのではなく、受診して落ち着きをつくる。順番を逆にしてみてください。
④「時間がない」
通院に半日かかる時代なら、その言い分はもっともでした。いまは違います。オンライン診療なら、移動時間はゼロ。エニキュアは朝8時〜夜24時・土日も診療しており、介護のすき間の時間に自宅から受診できます。「時間がない」は、受診をあきらめる理由から、受診の形を選ぶ理由に変わっています。
⑤「何を話せばいいか分からない」
準備は不要です。診断名の見当も、症状の整理も、話す順番も、考えてから来る必要はありません。事前の問診は選ぶだけの形式で、診察では医師が質問しながら伺います。「何から話せばいいか分からないんです」——その一言から始めて構いません。
この5つの声は、診察室で毎週のように聞く言葉です。そして、これらの言葉を口にされる方で、「来なくてよかった」という結果になった方を、私は思い出せません。ためらいの声が頭に浮かぶこと自体、心が助けを探し始めているサインです。その声も、診断がつくかどうかの心配も、全部そのまま持ってお越しください。
受診に理由はいらない、ということ
風邪をひいたとき、「受診に値する風邪だろうか」と悩む人はあまりいません。つらいから行く。それだけです。
心の不調も、本来は同じです。介護をしながらの毎日で、眠りや気分に変化が出ている。それだけで、受診の理由としては十分すぎるほどです。「介護で疲れていて」——その一言が、立派な主訴です。
なお、気持ちのつらさが強く、今すぐ誰かに話したいときは、厚生労働省「まもろうよ こころ」に、電話やSNSで相談できる公的窓口がまとまっています。
初めての受診で起きること
初診への不安を減らすために、当日の流れをお伝えしておきます。
- 予約 —— エニキュアではLINEから24時間予約できます。当日の枠もあります
- 事前問診 —— 選ぶだけの形式で、いまの状態や生活の状況を回答します。うまく書こうとしなくて大丈夫です
- 診察 —— ビデオ通話で医師と話します。医師が質問しながら伺うので、話がまとまっていなくても進みます
- 診察後 —— お薬が処方された場合は、ご自宅への配送にも対応しています。治療の進め方や次回の相談は、状態に合わせて医師と決めていきます
なお、心理検査や一部のお薬など、オンラインでは対応できないものもあります。その場合は、診察のなかで医師が必要な選択肢をご案内します。
初診でお伝えしたいのは、「その日にすべてが決まるわけではない」ということです。初診は、いまの状態を一緒に確認し、これからの方針を相談する入口です。お薬を使うかどうかも、通院を続けるかどうかも、あなたの意向を聞きながら決めていきます。まずは、話しに来るだけ。そのつもりでいらしてください。
よくある質問
Q1. 家族に知られずに受診することはできますか?
できます。オンライン診療なら通院の姿を見られることがなく、ご自身のスマホで完結します。受診するかどうか、誰に伝えるかは、あなたが決めてよいことです。まずはご自身のための一歩として、静かに始めていただけます。
Q2. 診察で泣いてしまいそうで、ちゃんと話せるか不安です。
泣いても大丈夫です。診察室で涙が出るのは、めずらしいことではありません。感情があふれるのは、それだけ抱えてきたものが大きい証拠であり、医師はその状態も含めて診ています。取り繕う必要のない場所だと思ってお越しください。
Q3. 「介護が終わってから、自分のことは考えよう」と思ってしまいます。
介護の期間は読めず、数年単位になることも少なくありません。そのあいだ自分を後回しにし続ければ、心身は確実に消耗します。介護が終わるのを待つのではなく、介護と並行して自分を整える——そのための伴走役として、医療を使ってください。
まとめ
- 「受診するほどじゃない」の基準は高すぎる。眠りと気分の変化の段階から相談できる
- あなたの大変さと本人の大変さは比べなくていい。あなたの受診は、支える体制の手当て
- 「落ち着いたら」は来ない。受診して落ち着きをつくる、の順番でいい
- 時間がなくても、話がまとまらなくても、オンラインなら今日の生活のまま受診できる
参考URL
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。体調や治療に関する判断は、必ず医師にご相談ください。
運営: エニキュア|オンライン精神科・心療内科
